ITパスポート 2011年 春期 問63
問題文
情報セキュリティの基本方針に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:機密情報の漏えいを防ぐために、経営上の機密事項とする。
イ:情報セキュリティに対する組織の取組みを示すもので、経営層が承認する。(正解)
ウ:情報セキュリティの対策基準に基づいて策定する。
エ:パスワードの管理方法や文書の保存方法を具体的に規定する。
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情報セキュリティの基本方針に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
情報セキュリティ(情報を守ること)の「基本方針」とは、組織がどのように情報を守るかという方向性や考え方を示す高いレベルの宣言です。これを組織全体で徹底するためには、経営層(会社の方針を決める上位の責任者)が正式に承認することが必要です。したがって、組織の取り組みを示し経営層が承認する内容を表す選択肢である イ が適切です。
経営層の承認があることで、方針が単なる文書に終わらず、実行のための権限や予算が与えられ、組織全体の遵守(じゅんしゅ:守ること)が期待できます。
解法ステップ
- 「基本方針」の語意を確認する:高いレベルの方針(具体的手順ではない)かを判断する。
- 各選択肢が「高レベル(方針)」か「低レベル(基準・手順)」かを分類する。
- 方針には経営層の承認が必要かを確認する(必要である)。
- 高レベルで経営層承認と合致する選択肢を選ぶ。
この手順で選べば、組織の「方針」と「手順」の違いで迷わずに答えられます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 機密情報の漏えいを防ぐために、経営上の機密事項とする。
- 誤り。基本方針は組織全体に周知して守らせるための方針です。方針自体を「機密」にしてしまうと周知ができず、従業員が従えなくなります。機密情報は別途「機密情報の扱いに関する規程」で管理します。
- ウ: 情報セキュリティの対策基準に基づいて策定する。
- 誤り。順序が逆です。基本方針がまずあり、その方針に沿って「対策基準(基準:何を守るか、守るための基準)」や具体的な手順を策定します。方針→基準→手順、の順が正しい階層です。
- エ: パスワードの管理方法や文書の保存方法を具体的に規定する。
- 誤り。これは具体的な運用ルールや手順です。パスワード管理や文書保存の詳細は「手順書」や「運用規程」に書くもので、基本方針としては「適切に管理する」など高レベルな表現にとどめます。
よくある誤解
- 方針=細かいルールと思い込む
- 方針は「方向性」です。例:「顧客情報を適切に保護する」といった大枠で、細かいルールは別文書にします。
- 方針はIT部門だけが作ると思う
- 誤り。方針は経営層が承認することで効力を持ちます。IT部門は作成支援や技術的な助言をしますが、最終承認は経営側です。
- 方針は一度作れば終わりだと思う
- 誤り。法改正や環境変化にあわせて定期的に見直す必要があります。
補足コラム
情報セキュリティの文書は階層構造になっています。覚えやすく図にすると次のようなイメージです(上が高レベル):
- 基本方針(方針:何を大切にするか、経営層が承認)
- 対策基準(基準:守るべき最低要件やルールの枠組み)
- ガイドライン/運用規程(より具体的な指針)
- 手順書(手順:実際の操作や方法)
例:基本方針の一文
「当社は、顧客情報の機密性・完全性・可用性を確保するために、全社的に情報セキュリティ対策を推進します。」
(ここで「機密性」は情報が許可された人にしか見られないこと、「完全性」は改ざんされないこと、「可用性」は必要なときに利用できることを指します。)
「当社は、顧客情報の機密性・完全性・可用性を確保するために、全社的に情報セキュリティ対策を推進します。」
(ここで「機密性」は情報が許可された人にしか見られないこと、「完全性」は改ざんされないこと、「可用性」は必要なときに利用できることを指します。)
経営層の承認が重要なのは、方針に基づく対策に対して人的・金銭的なリソースを割り当てる権限が経営にあるからです。承認がないと現場だけの努力で終わりやすく、効果が出にくくなります。
FAQ
Q1: 基本方針を社内公開しても良いですか?
A1: はい。基本方針は周知して全員が守るべき内容なので、社内公開は必要です。外部向けに公開する場合は、企業イメージや法的配慮を踏まえて検討します。
A1: はい。基本方針は周知して全員が守るべき内容なので、社内公開は必要です。外部向けに公開する場合は、企業イメージや法的配慮を踏まえて検討します。
Q2: 基本方針は誰が作るべきですか?
A2: 実務的には情報システム部門やセキュリティ担当が草案を作り、経営層が最終承認します。関係部署の意見も取り入れることが望ましいです。
A2: 実務的には情報システム部門やセキュリティ担当が草案を作り、経営層が最終承認します。関係部署の意見も取り入れることが望ましいです。
Q3: 方針と規程の違いを短く教えてください。
A3: 方針=「方向性・考え方」。規程=「守るべき具体的ルール」。方針が上位にあり、規程は方針を実行するための手段です。
A3: 方針=「方向性・考え方」。規程=「守るべき具体的ルール」。方針が上位にあり、規程は方針を実行するための手段です。
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