ITパスポート 2011年 春期 問64
問題文
情報セキュリティに関して発生したインシデントのうち、可用性が損なわれる直接の原因となったものはどれか。
選択肢
ア:PCがウイルスに感染し、知らないうちにPC内の情報が流出した。
イ:空調の故障で温度が上がり、サーバが停止した。(正解)
ウ:サーバに不正侵入されて個人情報が盗まれた。
エ:ファイルの中の取引データの金額を誤って更新した。
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可用性が損なわれる直接の原因はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
情報セキュリティの3要素(いわゆる CIA:Confidentiality、Integrity、Availability)を使って考えます。
- Confidentiality(機密性):情報が他人に知られないこと
- Integrity(完全性):情報が改ざんされていないこと
- Availability(可用性):必要なときに情報やサービスを利用できること
設問で問われているのは「可用性が損なわれる直接の原因」です。選択肢のうち、空調の故障で温度が上がりサーバが停止したことは、サービスを使えなくする、つまり「可用性」を直接失わせています。ここでのサーバ(サービスを提供するコンピュータ)の停止は、利用者がそのサービスにアクセスできなくなる直接的な影響です。したがって、正しい選択肢は イ です。
解法ステップ
- 「可用性(Availability)」の意味を確認する:必要なときに使えること。
- 各選択肢が「情報が漏れる」「改ざんされる」「使えなくなる」のどれに当たるかを分類する。
- 「直接の原因」とあるので、説明文に明確に可用性の喪失を示す語(停止、利用不能、ダウンなど)があるものを選ぶ。
この手順で読むと、空調故障→温度上昇→サーバ停止、が直接「使えない」状態を招いていると判断できます。
選択肢別の誤答解説
- ア: PCがウイルスに感染し、知らないうちにPC内の情報が流出した。
- これは情報が第三者に知られる「機密性(Confidentiality)」の侵害です。PC(Personal Computer:個人用のコンピュータ)の可用性が損なわれたとは限りません。流出は可用性の問題ではありません。
- イ: 空調の故障で温度が上がり、サーバが停止した。
- 空調故障によりサーバ(サービスを提供するコンピュータ)が停止すると、利用者はそのサービスや情報にアクセスできなくなります。これは典型的な「可用性(Availability)」の喪失です。直接的で明確な影響なので正解です。
- ウ: サーバに不正侵入されて個人情報が盗まれた。
- これも「機密性(Confidentiality)」の侵害です。不正侵入は場合によって可用性にも影響しますが、この選択肢は「盗まれた(流出)」が主因なので機密性に分類します。
- エ: ファイルの中の取引データの金額を誤って更新した。
- これは情報が正しくない(改ざんや誤り)ため「完全性(Integrity)」の問題です。可用性の直接的な問題とは言えません。
よくある誤解
- 可用性=データ損失と混同する。
- データが消えると可用性に見える場合もありますが、「消えた/読めない」が問題なら可用性、内容が間違っているなら完全性です。
- ウイルス感染や不正アクセスは必ず可用性も損なうと思い込む。
- 実際には機密性や完全性に影響するケースが多く、可用性に直結するかは症状の記述を見て判断します。
- 「間接的に」停止につながるものを正解にしてしまう。
- 設問の「直接の原因」を見落とすと、ウイルスが原因で機器が壊れたケースなどを誤って選ぶことがあります。設問文の語句に注意してください。
補足コラム
可用性を守る具体的な対策例(用語を簡単に説明):
- 冗長化(システムを複数用意して一つが故障しても動くようにすること)
- UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)で停電時の短時間の電源を確保する
- RAID(Redundant Array of Independent Disks:複数ディスクでデータを複製し故障に備える技術)でディスク故障に備える
- 冷却設備の監視と二重化(空調故障のリスク低減)
- バックアップと復旧手順(データやサービスを復旧するための準備)
- SLA(Service Level Agreement:提供側と利用者で合意する稼働率などの品質条件)で可用性基準を明確にする
可用性の指標の1つに稼働率があります。計算式は単純で、
です。例えば「99.9%」は月間で許される停止時間がごく短いことを意味します。
です。例えば「99.9%」は月間で許される停止時間がごく短いことを意味します。
FAQ
Q1: ウイルスでPCが遅くなったら可用性の問題にならないですか?
A1: 遅くなるだけでは主に性能問題です。最終的に利用不能(完全に停止)になれば可用性の問題になります。設問文の表現を基に判断してください。
A1: 遅くなるだけでは主に性能問題です。最終的に利用不能(完全に停止)になれば可用性の問題になります。設問文の表現を基に判断してください。
Q2: データの誤更新(エ)は可用性にも影響しますか?
A2: 直接は「完全性(Integrity)」の問題です。ただし、誤更新でシステムが処理不能になるなどすれば間接的に可用性へ波及することはあり得ます。設問で「直接の原因」とある点を重視します。
A2: 直接は「完全性(Integrity)」の問題です。ただし、誤更新でシステムが処理不能になるなどすれば間接的に可用性へ波及することはあり得ます。設問で「直接の原因」とある点を重視します。
Q3: CIAの覚え方はありますか?
A3: 順に覚えると「機密性(C)→完全性(I)→可用性(A)」です。英語の頭文字 CIA をそのまま覚える方法が手軽です。
A3: 順に覚えると「機密性(C)→完全性(I)→可用性(A)」です。英語の頭文字 CIA をそのまま覚える方法が手軽です。
関連キーワード: 機密性、完全性、可用性、可用性対策、冗長化、UPS、RAID、SLA

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