ITパスポート 2011年 春期 問70
問題文
同じ装置が複数接続されているシステム構成のうち、システムが停止する可能性の最も低いものはどれか。ここで、-□-は装置を表し、並列に接続されている場合はいずれか一つの装置が動作していればよく、直列に接続されている場合はすべての装置が動作していなければならない。

選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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同じ装置が複数接続されているシステム構成のうち、システムが停止する可能性の最も低いものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
図の中で最も停止しにくい構成は、並列(冗長)で同じ装置が3つ接続されている構成、つまり エ です。並列接続(パラレル)は「いずれか一つが動作していればよい」ため、装置が複数あればあるほど、すべて同時に故障してしまう確率が下がります。したがって、同じ条件の装置を増やした並列構成が最も信頼性(=停止しにくさ)が高くなります。
解法ステップ
- まず「直列」と「並列」の意味を確認します。
- 直列(シリーズ、series):全部の装置が動作しないとシステムが止まる。例えると、鎖の一コマでも切れれば全体が切れる形です。
- 並列(パラレル、parallel):いずれか一つが動作していればよい。例えると、複数の非常口のうちどれか一つが使えれば脱出できる形です。
- 各選択肢の構成を判断します。
- ア:同じ装置が2つ直列(2個つながっている) → 系全体は両方動作が必要。
- ウ:同じ装置が3つ直列 → さらに停止しやすい。
- イ:2つの並列経路(上と下に1つずつ) → 2個並列。
- エ:3つの並列経路(中央を含め3つが並列) → 3個並列。
- 並列個数が多いほど信頼性が上がるので、3個並列の エ が最も停止する可能性が低いと結論づけます。
(補助的に確率で示すと分かりやすいです。装置1個の稼働確率を とすると)
- 直列 個のシステムの稼働確率:
- 並列 個のシステムの稼働確率(少なくとも1つが動く確率):
例えば (1台が正常に動く確率90%)なら、2直列は 、3直列は 、2並列は 、3並列は となり、3並列(エ)が最も高くなります。
選択肢別の誤答解説
- ア(2個直列)
2台の装置が直列に並んでいます。直列では「両方が動作している」必要があるため、1台でも故障するとシステムは停止します。並列に比べ信頼性は低いです。 - ウ(3個直列)
さらに3台直列なので、アよりも停止しやすくなります。台数が増えるほど「全部正常」の条件が厳しくなるため、信頼性は下がります。 - イ(2個並列)
2つの経路が並列になっています。並列は直列より信頼性が高いですが、同じ並列でも3個並列の エ に比べると停止する可能性は大きく残ります(全部が壊れる確率が高いため)。 - エ(3個並列)
3つが並列です。全部が同時に壊れなければよいので、最も停止しにくくなります。図では中央・上下に3つある構造がそれに当たります。
よくある誤解
- 「ループ=回路がつながっているから直列だ」と誤解する
ループ(箱の形)が描かれていても、中に複数の経路があるかで直列か並列かが決まります。上と下に別経路があれば並列です。図の細かい接続を読むことが大事です。 - 「部品を増やせば必ず良くなる」でもない
並列で冗長化すると信頼性は上がりますが、共通原因故障(同じ電源や同じ環境で同時に壊れるような問題)があると効果が小さくなります。単純に数を増やせば良いとは限りません。 - 「並列=常に余裕がある」ではない
並列化は可用性(利用可能性)を上げますが、コストや運用(同期、負荷分散、フェイルオーバー)など別の課題が生じます。
補足コラム
- 冗長化の実例:サーバ(サービスを提供するコンピュータ)や電源を複数用意することを「冗長化」といいます。サーバを2台並列にしておけば、1台が落ちてもサービスは継続できます(これをアクティブ-スタンバイなどと呼びます)。
- 信頼性指標:MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)や可用性(availability)といった指標で評価します。並列構成は「全台同時故障」の確率を小さくする手法です。
- 実務では独立性が重要:上の確率計算は「故障が独立である」場合の話です。例えば全台が同じ電源につながっている場合は独立とは言えず、効果は下がります。
FAQ
Q. 並列にすればどれだけでも安全になる?
A. 理論上は台数を増やすほど「全部同時に壊れる」確率は下がります。しかしコスト、運用、共通故障(例:同じ電源や温度での障害)を考えると無限に増やすわけにはいきません。
A. 理論上は台数を増やすほど「全部同時に壊れる」確率は下がります。しかしコスト、運用、共通故障(例:同じ電源や温度での障害)を考えると無限に増やすわけにはいきません。
Q. 直列は悪い設計ですか?
A. 必ずしも悪いわけではありません。機能によっては直列が必要ですし、直列の部分が短くて信頼できる装置なら問題ありません。重要なのはどこに冗長化を入れるかの判断です。
A. 必ずしも悪いわけではありません。機能によっては直列が必要ですし、直列の部分が短くて信頼できる装置なら問題ありません。重要なのはどこに冗長化を入れるかの判断です。
Q. 並列で3つあれば完全に安全?
A. 完全安全はありません。確率的には安全性が高まりますが、設計ミスや共通障害があれば3つでも落ちる可能性はあります。
A. 完全安全はありません。確率的には安全性が高まりますが、設計ミスや共通障害があれば3つでも落ちる可能性はあります。
関連キーワード: 冗長化、直列接続、並列接続、信頼度(リライアビリティ)、MTBF、フォールトトレランス、信頼性設計

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