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ITパスポート 2011年 春期 71


問題文

あるシステムにおいて、MTBFとMTTRがどちらも1.5倍になったとき、稼働率はどうなるか。

選択肢

2/3倍になる。
1.5倍になる。
2倍になる。
変わらない。(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

あるシステムにおいて、MTBFとMTTRがどちらも1.5倍になったとき、稼働率はどうなるか【ITパスポート 解説】

正解の理由

まず用語をやさしく説明します。
  • MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔)… 故障と故障の間の平均時間。長いほど故障しにくい。
  • MTTR(Mean Time To Repair:平均修復時間)… 故障から復旧するまでの平均時間。短いほど早く直る。
稼働率(可用性)は一般に次の式で表されます。
ここで両方とも1.5倍(係数 )になると、新しい稼働率は

となり、稼働率は変わりません。したがって選択肢の中では (変わらない)が正しいです。

解法ステップ

  1. 稼働率の式を確認する。
  2. 両方に同じ倍率 を掛ける:
  3. 新しい稼働率を計算する:
  4. 分母と分子に共通の因子 があるので約分でき、元の と等しくなる。
  5. よって稼働率は「変わらない」。
短くまとめると、分数の分子と分母を同じ数で掛けても値は変わらない、ということです。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「2/3倍になる」
    誤りです。これは例えば分子だけが2/3倍になる場合を想像した誤りです。今回のように分子と分母が同じ倍率で変わると、分数の値は変わりません。
  • イ: 「1.5倍になる」
    誤りです。MTBFだけが1.5倍になれば稼働率は上がりますが、今回はMTTRも同じ比率で増えているため効果が相殺されます。
  • ウ: 「2倍になる」
    誤りです。特に根拠がありません。両方が同じ倍率で増えれば、稼働率はその倍率に依存せず不変です。
  • エ: 「変わらない」
    正しいです。稼働率の式において分子と分母を同じ係数で掛けると、係数は約分されて差が出ないためです(上記の式変形を参照)。

よくある誤解

  1. 「稼働率 = MTBF / MTTR」と覚えている
    • 間違いです。分母は MTBF + MTTR です。これを間違えると増減の判断が逆になります。
  2. 「MTBFが増えれば必ず稼働率も増える」
    • MTTRが同じ割合で増えてしまうと、稼働率は変わりません。どちらか一方だけが変化する場合に稼働率が変わります。
  3. 「倍率は何でも同じ結論になる」ことの取り違え
    • 今回は「同じ倍率」で両方を掛けた場合に限り不変です。異なる倍率や「同じだけ足す(加算)」場合は結果が変わります。

補足コラム

  • 数値例で実感しましょう。元の値をMTBF=100時間、MTTR=20時間とすると稼働率は =83.33%。
    両方を1.5倍にすると MTBF=150、MTTR=30。稼働率は で同じです。
  • 「MTBFとMTTRを改善する目的」は稼働率を上げることですが、両方を同じ比率で増やせば効果が出ない点に注意してください。改善施策は通常、MTBFを大きく、MTTRを小さくする方向で行います。
  • MTBFは修理可能な設備の指標で、修理不可能な機器では MTTF(Mean Time To Failure:平均故障時間)という指標が使われます。

FAQ

Q1. MTBFとMTTRの単位は何ですか?
A1. 時間(時間・分・秒など)が一般的です。どちらも時間を表すので、式に入れるときは同じ単位に揃えてください。
Q2. 稼働率は最大でどれくらいになりますか?
A2. 稼働率は 以上 以下(つまり 0%〜100%)です。MTTRが0に近づけば稼働率は1(100%)に近づきますが、現実には完璧に0にはできません。
Q3. 両方「同じだけ足す(+)」とどうなる?
A3. 例えば MTBF と MTTR に同じ時間 を足すと、稼働率は一般に変わります。分子と分母に同じ数を足す操作は約分できないためです。

関連キーワード: MTBF、MTTR、稼働率、可用性、平均故障間隔、平均修復時間、信頼性、MTTF
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