ITパスポート 2012年 秋期 問07
問題文
取引先に対する売掛金の貸し倒れに備えて、他者よりも優先的に、取引先の財産の一部を売掛金に充当できるようにする行為はどれか。
選択肢
ア:借入金の追加
イ:請求書の発行
ウ:担保の設定(正解)
エ:利息の増額
🔒 解説は解答すると表示されます
売掛金の貸し倒れに備える方法【ITパスポート 解説】
正解の理由
理由を一言で言うと、担保を設定すると「取引先の財産を優先的に取り上げて、売掛金の支払いに充てる権利(優先弁済権)」が得られるからです。
ここでの重要語をかみ砕いて説明します。
ここでの重要語をかみ砕いて説明します。
- 売掛金(うりかけきん):商品やサービスを売って、後で受け取る代金の「権利」です。
- 担保(たんぽ):債権(お金を回収する権利)を守るために、相手の財産を確保する仕組みです。担保があると、相手が支払えなくなったときにその財産から優先的に回収できます(優先弁済)。
- 優先弁済:債権者の中で、他より先にお金を受け取れる権利のことです。
したがって、「取引先の財産の一部を売掛金に充当できるようにする行為」を求める問題では、担保の設定が正しい選択です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:ここでは「優先的に」「取引先の財産の一部を売掛金に充当できるように」とあります。
- キーワードの意味を把握する:「優先的に」=他より先に回収する、「財産を充当」=相手の財産を使って支払いに充てる。
- 各選択肢と照らし合わせる:
- 担保の設定 → 財産を確保して優先的に回収できるようにする仕組み → 合致。
- 他は財産を確保する仕組みではない → 不正解。
- 結論:担保の設定(ウ)が正しい。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 借入金の追加
借入金を追加すると自社が借金を増やすことです。取引先の財産を確保して売掛金に充当する仕組みとは関係ありません。回収の優先権も得られません。 -
イ: 請求書の発行
請求書を出すのは当然の手続きで、支払いを求める行為です。しかし請求書を出すだけでは、相手の財産を優先的に取り立てる権利は生まれません。法的な担保設定が必要です。 -
ウ: 担保の設定
正解。担保を設定すると、取引先の特定の財産(不動産・在庫・売掛債権など)に対して優先的に弁済を受ける権利を持てます。具体例:不動産なら抵当権(ていとうけん:住宅や土地を担保にする権利)、商品在庫なら質権(しちけん:動産を担保にする権利)など。 -
エ: 利息の増額
利息を増やしても、相手の財産を優先的に回収する権利は得られません。利息増額は回収額が増える可能性はあるものの、貸し倒れの際に優先的に財産を取れる仕組みにはならないので不適切です。
よくある誤解
-
「請求書を出せば回収の優先権が得られる」
→ 請求書は支払い請求の証拠にはなりますが、優先弁済権を与えません。優先的に回収するには担保などの法的手続きが必要です。 -
「担保=必ず全額回収できる」
→ 担保があっても、担保価値が売掛金より低い場合や競合する債権者がいる場合は全額回収できないことがあります。担保の種類と優先順位を確認する必要があります。 -
「利息を増やせば回収リスクが減る」
→ 利息を高くすると相手の負担が増え、支払い能力が落ちる可能性もあります。回収の確実性を上げるには担保や与信管理の方が直接的です。
補足コラム
担保には代表的に次の種類があります(簡単な説明)。用語の初出時に一言説明を付けます。
-
抵当権(ていとうけん:不動産を担保にする権利)
→ 家や土地を担保にしておくと、債務不履行時にその不動産から優先的に回収できます。 -
質権(しちけん:動産(機械や在庫など)や有価証券を担保にする権利)
→ 債権者が担保物を保管し、債務不履行時に換価して回収します。 -
譲渡担保(じょうとくだんぽ:売掛債権などの権利自体を担保とする仕組み)
→ 売掛金そのものを担保にする方法で、取引先の支払が滞った際にその債権を優先的に使えます。
実務では、担保の種類や設定方法、登記の有無(不動産なら登記が重要)で優先順位が決まります。与信管理(相手の信用力を調べること)と組み合わせるのが効果的です。
FAQ
Q1: 担保と保証(ほしょう)は同じですか?
A1: 違います。担保は相手の財産を確保する仕組みです。保証は第三者(保証人)が代わりに支払う約束をすることです。どちらも回収手段ですが仕組みが異なります。
A1: 違います。担保は相手の財産を確保する仕組みです。保証は第三者(保証人)が代わりに支払う約束をすることです。どちらも回収手段ですが仕組みが異なります。
Q2: 売掛金に担保を付けるのは難しいですか?
A2: 取引の種類や相手の規模によります。大企業間では契約で譲渡担保を使うことがあります。中小企業や個人相手だと交渉が必要です。法的な手続き(契約書作成、登記)が必要な場合もあります。
A2: 取引の種類や相手の規模によります。大企業間では契約で譲渡担保を使うことがあります。中小企業や個人相手だと交渉が必要です。法的な手続き(契約書作成、登記)が必要な場合もあります。
Q3: 担保を取れば貸し倒れはゼロになりますか?
A3: いいえ。担保は回収可能性を高めますが、担保の価値が下がったり、他の債権者との優先順位次第で回収できない場合もあります。複数の対策(与信管理、分割回収、保険)と併用するのが現実的です。
A3: いいえ。担保は回収可能性を高めますが、担保の価値が下がったり、他の債権者との優先順位次第で回収できない場合もあります。複数の対策(与信管理、分割回収、保険)と併用するのが現実的です。
関連キーワード: 売掛金、担保、貸し倒れ防止、債権保全、優先弁済、譲渡担保、抵当権、質権、与信管理、回収方法

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

