ITパスポート 2012年 秋期 問22
問題文
システム化構想の立案時点でベンダ企業から収集する情報として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:開発を進めるに当たっての発注元企業の役割分担
イ:計画しているシステムの開発コストの見積り
ウ:システム化する分野における情報技術動向(正解)
エ:ベンダ企業の技術者が保有している技術資格
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システム化構想でベンダ企業から収集する情報は何か【ITパスポート 解説】
正解の理由
理由を簡単に言うと、システム化構想(システム化構想とは「どの業務をどのようにITで支援するか」を大まかに決める段階です)は、まだ詳細な仕様や設計を決める前の段階です。この段階で最も役に立つのは、その分野でどんな技術やサービスが出てきているか(情報技術動向)を知ることです。新しいクラウド(Cloud:インターネット経由で提供されるコンピュータ資源)やAIの活用法、セキュリティ対策の標準などを把握することで、業務改善の方向性や投資の妥当性、実現可能性が見えてきます。
解法ステップ
- 用語の確認:システム化構想は詳細設計の前段階であることを確認する。目的は「業務改善の方向づけ」と「実現可能性の検討」。
- 何を知るべきかを整理する:
- 業務要件の大枠(どの業務を対象にするか)
- 技術的トレンド(クラウド、モバイル、AI、API連携、セキュリティ標準など)
- 業界の規制や標準
- ベンダに求める情報を決める:ベンダから「技術動向の調査結果」「参考事例(導入事例)」「将来の技術ロードマップ」などを収集する。
- 収集情報の評価:ベンダの提示が偏っていないか(自社製品推しだけではないか)を確認する。複数ベンダの情報を比較する。
- 構想書に反映:得た技術動向を基に、導入の方針(クラウド中心にする、業務自動化を優先する等)を決める。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 開発を進めるに当たっての発注元企業の役割分担
説明:これは発注元(システムを発注する会社)内部で決めるべき、あるいは要件定義~プロジェクト計画段階で確定する項目です。構想段階で詳細な役割分担をベンダに求めるのは時期尚早です。 -
イ: 計画しているシステムの開発コストの見積り
説明:見積りは要件(何を作るか)が明確になってから意味を持ちます。構想段階では要件があいまいなため、コスト見積りは概算にとどまり、精度が低くなります。まずは技術的な方向性や選択肢を確認する方が優先です。 -
ウ: システム化する分野における情報技術動向(正解)
説明:構想段階で最も必要な情報です。業界の新しい技術やサービス、標準・規制が構想の方向(クラウド化、AI活用、データ連携の可否など)に直接影響します。 -
エ: ベンダ企業の技術者が保有している技術資格
説明:技術者の資格はベンダ評価(選定)には有用ですが、構想段階における「何を導入すべきか」を決める情報としては二次的です。まずは技術選定と方針を決め、その後で実行力(資格や経験)を見ます。
よくある誤解
-
「コスト見積りがあれば構想が十分だ」
誤解:見積りは要件が決まって初めて精度が出ます。構想段階では「おおよそのレンジ」しか得られず、方針決定には技術動向や導入効果の見通しの方が重要です。 -
「ベンダが提案する自社製品の情報=業界全体の動向」
誤解:ベンダの情報は自社製品に有利になるよう偏ることがあります。第三者のレポートや複数ベンダの意見も参照して偏りを避けるべきです。 -
「技術的詳細(設計・資格)が先に必要」
誤解:構想段階では高レベル(方針や可能性)を優先します。詳細は要件定義・設計フェーズで詰めます。
補足コラム
ベンダから「技術動向」を聞くときの具体例:
- 最近の技術要素:クラウドサービス、コンテナ、マイクロサービス、AI利用のユースケース、API連携、モバイル対応、RPA(Robotic Process Automation:業務自動化ツール)など。
- 見ておきたい資料:業界の技術ロードマップ、導入事例(参考業種・規模)、セキュリティ対策の現状、将来のアップデート予定。
- 実務的な質問例:
- 「同規模の会社で似た業務をクラウドで刷新した事例はありますか?」
- 「今後3年で廃れる可能性のある技術は何ですか?」
- 「規制対応(個人情報保護など)の観点で留意点はありますか?」 こうした情報は、投資対効果の検討や内部合意を得る材料になります。
FAQ
Q1. 構想段階でベンダに見積りを頼んではいけないですか?
A1. 頼んでもよいですが、精度は低いことを前提にしてください。概算見積りとしてレンジ(例:数千万円〜1億円)を示してもらい、詳細は要件確定後に詰めます。
A1. 頼んでもよいですが、精度は低いことを前提にしてください。概算見積りとしてレンジ(例:数千万円〜1億円)を示してもらい、詳細は要件確定後に詰めます。
Q2. 技術動向は自社で調べるべきですか?
A2. はい。ベンダの情報と合わせて、業界レポートや第三者の調査も参照してください。複数の情報源で照合することで偏りを避けられます。
A2. はい。ベンダの情報と合わせて、業界レポートや第三者の調査も参照してください。複数の情報源で照合することで偏りを避けられます。
Q3. ベンダの資格や実績は無視してよいですか?
A3. 無視してはいけません。選定段階では重要な評価項目です。ただし構想段階では、まず「どんな技術が使えるか」を軸に検討し、その後で実行力(資格・経験)を評価します。
A3. 無視してはいけません。選定段階では重要な評価項目です。ただし構想段階では、まず「どんな技術が使えるか」を軸に検討し、その後で実行力(資格・経験)を評価します。
Q4. 技術動向が古いと言われたらどうする?
A4. 最新動向が反映されていない場合は、更新資料や最新の導入事例を求める。場合によっては別のベンダの情報も取り寄せて比較しましょう。
A4. 最新動向が反映されていない場合は、更新資料や最新の導入事例を求める。場合によっては別のベンダの情報も取り寄せて比較しましょう。
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