ITパスポート 2012年 秋期 問41
問題文
新しい製品を開発する場合に検討するリスク軽減策に関する記述a〜cのうち、品質面のリスクを軽減させるものとして適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 安定した技術を使った製品を開発する。
b 開発が遅れた場合の保険を掛ける。
c 試作品を作成する。
選択肢
ア:a, b
イ:a, c(正解)
ウ:a, b, c
エ:b, c
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新製品開発でのリスク軽減策(品質面)【ITパスポート 解説】
正解の理由
品質とは、製品が要求どおりに動き、欠陥(バグ)や不具合が少なく、使いやすく安全であることを指します。
品質面のリスクを減らすには「不具合を起こしにくくする方法」と「不具合を早く見つける方法」が有効です。
品質面のリスクを減らすには「不具合を起こしにくくする方法」と「不具合を早く見つける方法」が有効です。
- a 安定した技術を使う:安定した技術(すでに実績があり、未知の不具合が少ない技術)を使えば、想定外のバグや設計の失敗が起きにくくなります。したがって品質リスクの低減に直接つながります。
- c 試作品を作成する:試作品(プロトタイプ:実物に近い試し作り)を作ると、本番前に動作検証や使い勝手確認ができ、欠陥を早期発見・修正できます。これも品質リスクの低減に直結します。
一方、b「開発が遅れた場合の保険を掛ける」は、遅延やコストのリスクに対する対策であり、品質そのもの(不具合の発生や検出)を減らす手段ではありません。したがって品質面のリスク軽減策としては不適切です。
解法ステップ
- 「品質面のリスク」とは何かを明確にする(不具合、性能不足、使い勝手の悪さなど)。
- 各選択肢が「不具合を起こしにくくする」「不具合を早く見つける」どちらに寄与するかを判断する。
- 品質に直接寄与するもの(a, c)を選ぶ。保険など費用やスケジュールの補償は品質対策ではないので除外する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: a, b
→ bは遅延やコストのリスク対策なので品質リスク対策としては不十分。よって誤り。 -
イ: a, c
→ 正解。安定技術で不具合発生リスクを下げ、試作品で早期検出するため品質リスクが軽減される。 -
ウ: a, b, c
→ bが含まれるため混合的には正しいが、設問は「品質面のリスクを軽減させるものだけ」を問う。bは品質対策でないため誤り。 -
エ: b, c
→ cは正しいが、bは品質ではなくスケジュール/コストの対策。aを含まないため不十分で誤り。
よくある誤解
-
「保険や予備(日程のバッファ)は品質も守る」
→ 予備は遅延や追加コストの影響を和らげますが、欠陥そのものを減らすわけではありません。ただし、余裕があるとテスト時間が確保でき、結果的に品質向上につながる可能性はあります(間接効果)。 -
「試作品は手抜き開発の言い訳になる」
→ 試作品は早期検証のための重要な投資です。初期に問題を見つけて直すほうが、後で手戻り(手直し)するよりコストも品質維持も有利です。 -
「新しい技術は常に悪い」
→ 新技術は競争力や機能で有利になる場合があります。品質リスクは増えますが、リスクを許容して得られるメリットがあれば採用も検討します(ただし試作品や段階導入でリスクを抑えることが重要)。
補足コラム
品質リスクを減らす代表的な手法(簡潔):
- 技術選定:実績ある成熟技術を採用する。
- プロトタイピング(試作品):PoC(Proof of Concept:概念実証)→ プロトタイプ → パイロット運用の順で検証する。
- レビュー・設計審査:設計段階で問題を見つける。
- 自動テストと継続的インテグレーション:開発中にバグを早期発見する。
- 品質保証(QA:Quality Assurance:品質を維持する活動):テスト計画や品質基準を整備する。
実例:スマートフォンの新機能を出すとき、未知の不具合を避けるために「既知で安定したOSバージョンを使う(a)」+「まず限定ユーザーで試作版を配布して挙動を確認する(c)」の組み合わせがよく使われます。
FAQ
Q1. b(保険)は全く意味がないですか?
A1. 全く意味がないわけではありません。遅延やコスト超過に対する損失を軽減する手段として重要ですが、設問のように「品質面(不具合)」だけを問うときは該当しません。
A1. 全く意味がないわけではありません。遅延やコスト超過に対する損失を軽減する手段として重要ですが、設問のように「品質面(不具合)」だけを問うときは該当しません。
Q2. 「安定した技術=古い技術」でしょうか?
A2. 必ずしも古い=安定ではありません。重要なのは「実績がありトラブル事例が少ない」「開発者やサポートが充実している」ことです。新技術でも既に広く使われ安定していれば選択肢になります。
A2. 必ずしも古い=安定ではありません。重要なのは「実績がありトラブル事例が少ない」「開発者やサポートが充実している」ことです。新技術でも既に広く使われ安定していれば選択肢になります。
Q3. 試作品を作ると時間がかかるが本当に効率的ですか?
A3. 短期的には時間がかかる場合があります。しかし早期に問題点を発見・修正することで、後工程での大きな手戻り(コスト増・品質低下)を防げるため、長期的には効率的です。
A3. 短期的には時間がかかる場合があります。しかし早期に問題点を発見・修正することで、後工程での大きな手戻り(コスト増・品質低下)を防げるため、長期的には効率的です。
関連キーワード: リスク管理, 品質リスク, 品質保証(QA:Quality Assurance), 試作品(プロトタイプ), プロトタイピング, 技術選定, テスト, 開発プロジェクト, リスク軽減, バッファ(予備)

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