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ITパスポート 2012年 秋期 49


問題文

プロジェクトの開始から完了まで最も所要時間が掛かるクリティカルパスを見つけるのに使う図として、適切なものはどれか。

選択肢

アローダイアグラム(正解)
パレート図
ヒストグラム
マイルストーンチャート

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プロジェクトの開始から完了まで最も所要時間が掛かるクリティカルパスを見つけるのに使う図【ITパスポート 解説】

正解の理由

アローダイアグラム(アローダイアグラム:矢印で作業の順序と所要時間を表す図)は、作業(活動)の順序とそれぞれの所要時間をつなげて「全体で一番長くかかる経路(クリティカルパス)」を明確にするために使います。
  • クリティカルパス(Critical Path:プロジェクト開始から完了まで最も所要時間がかかる作業の連なり)を見つけるために、作業の依存関係と時間をネットワーク図で表す必要があります。
  • アローダイアグラムは「活動を矢印で表し、節点(イベント)で接続する」方式(Activity on Arrow:AOA)で、経路の合計時間を簡単に計算できます。
  • よって、クリティカルパスを見つける用途に最も適した図はアローダイアグラムです。
(補足)プロジェクト管理でよく出る用語:
  • CPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)…クリティカルパスを算出する手法。
  • PERT(Program Evaluation Review Technique:プログラム評価レビュー技法)…不確実な所要時間を扱うネットワーク図の表現手法。

解法ステップ

クリティカルパスを見つける基本の手順を、やさしく順に示します。
  1. 作業(活動)の一覧を作る
    • 各作業の所要時間と、どの作業の後に実行できるか(依存関係)を整理します。
  2. アローダイアグラムを描く(活動を矢印で表現)
    • 節点(イベント)と矢印(活動)でネットワークを作ります。
  3. 各経路の合計所要時間を計算する(経路の長さを足す)
    • 開始点から終点までのすべての経路を確認します。
  4. 最長の経路がクリティカルパス(余裕時間=0の経路)
    • 最長時間の経路上の作業は遅らせるとプロジェクト全体が遅れます。
  5. 必要なら ES/EF/LS/LF を計算して余裕(スラック)を求める
    • ES = Earliest Start(最早開始)、EF = Earliest Finish(最早終了)
    • LS = Latest Start(最遅開始)、LF = Latest Finish(最遅終了)
    • スラック = LS − ES = LF − EF(これが 0 の作業がクリティカル)
簡単な例(数値でイメージ):
  • Start → A(2日) → B(3日) → End : 経路合計 = 2 + 3 = 5日
  • Start → C(4日) → End : 経路合計 = 4日
    → クリティカルパスは Start-A-B-End(5日)

選択肢別の誤答解説

  • ア: アローダイアグラム — 正解。活動の順序と時間をネットワークで示し、クリティカルパスを求めるのに適する。
  • イ: パレート図(Pareto図:棒グラフと累積線で要因の重要度を示す図) — 主に「重要な少数の要因」を見つける品質管理の図です。工数の合計や順序を表す図ではありません。
  • ウ: ヒストグラム(Histogram:データの頻度分布を棒で示す図) — 作業時間や欠陥件数の分布を見るための図で、依存関係や最長経路の解析には使いません。
  • エ: マイルストーンチャート(Milestone chart:主要な節目だけを時系列で示す図) — 重要な到達点(節目)を示すのに便利ですが、作業の細かな依存関係や合計時間を示さないためクリティカルパス解析には不向きです。

よくある誤解

  1. 「ガントチャート(Gantt chart)で見ればクリティカルパスがわかる」
    • ガントチャートは時間軸で作業を並べる図で視覚的に把握しやすいですが、手動では依存関係から最長経路を正確に求めにくいです。多くのツールは内部でネットワーク(アローダイアグラムなど)を使ってクリティカルパスを算出し、ガント上に色付けします。
  2. 「クリティカルパスは必ず1本だけ」
    • 実際は同じ最長時間を持つ経路が複数あり、複数のクリティカルパスが存在することがあります。この場合、どちらの経路も遅らせると全体に影響します。
  3. 「アローダイアグラムとアクティビティ・オン・ノード(AON)は同じだ」
    • 似ていますが表現方法が違います。アローダイアグラムは活動を矢印で表す(AOA)、AONは活動をノード(箱)で表します。どちらでもクリティカルパスは求められますが、問題文で「アローダイアグラム」とある場合はAOAを指しています。

補足コラム

  • PERT(Program Evaluation Review Technique:プログラム評価レビュー技法)は、所要時間に不確実性があるときに「楽観時間・最頻時間・悲観時間」を使って期待時間を計算し、ネットワーク解析を行う手法です。主に研究開発や不確定な作業に使われます。
  • CPM(Critical Path Method:クリティカルパス法)は、確定した作業時間でネットワーク解析を行い、クリティカルパスを決める手法です。
  • 実務では、アローダイアグラム自体は手書きで行うこともありますが、MS Project や他のプロジェクト管理ツール(クラウド型の PM ツール)で作業を登録すると、自動的にネットワークを作りクリティカルパスを計算してくれます。
重要な公式(覚えやすく):
  • スラック(余裕時間) = LS − ES = LF − EF
  • 余裕時間が 0 の活動がクリティカル(遅らせるとプロジェクト全体が遅れる)

FAQ

Q1: Gantt(ガント)チャートだけでクリティカルパスは分かりますか?
A1: ツールによってはガント上でクリティカルパスを強調表示しますが、手作業で確実に求めるにはネットワーク図(アローダイアグラムやAON)で経路の合計時間を計算する必要があります。
Q2: アローダイアグラムとP​​ERTは同じものですか?
A2: PERT はネットワーク解析の考え方・手法の一つで、アローダイアグラムはネットワークを描く表現方法の一つです。PERT はアローダイアグラム(AOA)で表されることが多いです。
Q3: クリティカルパスが複数あったらどう管理すれば良いですか?
A3: 複数あるなら、どの経路も遅延させないように監視と対策(人的余裕、進捗確認の頻度増加)を行います。重要なリスク管理対象になります。

関連キーワード: プロジェクト管理、クリティカルパス、アローダイアグラム、CPM、PERT、ガントチャート、マイルストーン、パレート図、ヒストグラム、スラック
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