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ITパスポート 2012年 春期 20


問題文

A社は、自社の通常の業務に利用するためにソフトウェアを購入し、資産計上した。このソフトウェアの減価償却方法として、最も適切なものはどれか。

選択肢

A社が毎年任意で選択した減価償却方法を用いて償却する。
初年度に購入金額の半額を定額法で償却し、2年目以降に残りの半額を定率法を用いて償却する。
定額法を用いて償却する。(正解)
定率法を用いて償却する。

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ソフトウェア購入の減価償却方法【ITパスポート 解説】

正解の理由

会社が業務で使うために購入したソフトウェアは、購入時に資産として計上し、その費用を利用する期間にわたって分けて計上します(これを減価償却・償却と呼びます)。ソフトウェアは、一般にその効果(経済的便益)が購入後の期間にわたってほぼ均等に現れます。したがって、毎年同じ金額ずつ費用配分する「定額法」を使うのが最も自然で一般的です。以上より、(定額法)が最も適切です。
(補足説明)
  • 減価償却(げんかしょうきゃく):資産を一度に費用にするのではなく、使用する年数にわたって費用を分けて計上すること。
  • ソフトウェアは会計上「無形固定資産(むけいこていしさん:形のない長期資産)」にあたることが多く、経済的便益の現れ方が均等になるため定額法がよく使われます。

解法ステップ

  1. 資産の種類を確認する
    • 購入したものが業務で使うソフトウェアであれば、固定資産(無形固定資産)として扱う。
  2. その資産の経済的便益の現れ方を考える
    • 効果が毎年ほぼ均等に現れるか、初期に多く現れるかを判断する。
  3. 便益の現れ方に合う償却方法を選ぶ
    • 毎年均等 → 定額法。初期に多く → 定率法(加速償却)。
  4. 会計基準や社内ルール、耐用年数を確認して計算する
    • 耐用年数(使用可能年数)に基づき、定額法なら年間償却額を計算する。
例:購入金額100万円、耐用年数5年なら
定額法の年間償却額は (毎年20万円ずつ償却)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: A社が毎年任意で選択した減価償却方法を用いて償却する。
    • 誤り。償却方法は毎年恣意的に変えられるものではありません。会計では一貫性が求められ、原則として選んだ方法を耐用年数の間は継続します(変更する場合は正当な理由と開示が必要)。また「任意で年ごとに変える」選択は認められません。
  • イ: 初年度に購入金額の半額を定額法で償却し、2年目以降に残りの半額を定率法を用いて償却する。
    • 誤り。償却方法を途中で勝手に切り替えることは原則認められません。さらに「初年度に半額を一括で費用化する」など、便益配分の論理にも合いません。会計上、合理的な基準に基づいて均等配分するのが基本です。
  • : 定額法を用いて償却する。
    • 正答。ソフトウェアは通常、経済的便益が使用期間にわたって均等に生じるため、定額法(毎年同額を償却)が適切です。
  • エ: 定率法を用いて償却する。
    • 誤り。定率法(ていりつほう:帳簿価額に一定率を掛け、初期に多く償却する方法)は、初期に恩恵が大きい資産(たとえば新技術導入で初期の生産性が高い設備など)に向く方法です。ソフトウェアは通常、効果が均等に続くため定率法は適しません。

よくある誤解

  1. 「税金の都合でいつも定率法を使うべき」
    • 誤解。税法と会計(財務報告)の目的は異なります。税務上の扱いと会計上の償却方法は必ずしも一致しません。ITパスポートのレベルでは、資産の便益パターンに合わせることを優先して考えます。
  2. 「ソフトウェアは形がないから償却しない」
    • 誤解。無形の資産(形がない資産)でも、使用可能年数があるものは償却(分割して費用計上)します。ソフトウェアは典型的な無形固定資産で、多くの場合償却の対象です。

補足コラム

  • 定額法と定率法の計算式(簡単に)
    • 定額法(毎年同額): 年間償却費 = 取得価額 ÷ 耐用年数
      例)取得額100万円、耐用年数5年 → 年間20万円
    • 定率法(残高比例法): 当期償却費 = 帳簿価額 × 償却率
      例)取得額100万円、償却率40% → 1年目40万円、2年目は残高60万円×40%=24万円、という具合に減っていく
  • 耐用年数について
    • ソフトウェアの耐用年数は実務上は5年などの基準が用いられることがありますが、会社はその資産の使用可能年数を合理的に見積もって設定します。試験では「均等に便益が出るから定額法」という考え方が問われています。

FAQ

Q1. いつも定額法でよいですか?
A1. 多くのソフトウェアは定額法で問題ありません。ただし、その資産の便益が初期に集中するような特別なケースでは定率法が検討されます。重要なのは「便益の出方」に合わせることです。
Q2. 自社で開発したソフトウェアはどうですか?
A2. 自社開発ソフトも原則として無形固定資産として償却します。会計処理や資本化の可否・耐用年数の判断はやや複雑になりますが、便益配分の考え方は同じです。
Q3. 会計基準と税務で償却方法が違ったらどうする?
A3. 会計上は財務諸表の目的に従い、税務申告は税法に従います。両者の差異は帳簿上で調整・注記されることが多いです。試験対策としては「資産の便益パターンに合わせる」が基本理解です。

関連キーワード: 減価償却、定額法、定率法、無形固定資産、ソフトウェア償却、耐用年数、会計基準
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