ITパスポート 2012年 春期 問19
問題文
経営戦略策定の過程で、今後力を入れるべき事業、撤退すべき事業の分析に用いる手法として適切なものはどれか。
選択肢
ア:BPR
イ:BSC
ウ:CSF
エ:PPM(正解)
🔒 解説は解答すると表示されます
経営戦略策定で事業の「投資・撤退」を分析する手法【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢の中で、事業ごとに「今後力を入れる(投資)」「撤退する(切り捨てる)」を判断するために最も適した手法は エ の PPM です。
PPM(Product Portfolio Management:事業・製品のポートフォリオ管理)は、事業や製品を一つの「ポートフォリオ(複数の事業を並べた一覧)」として評価し、どこに資源(お金・人・時間)を配分するかを判断するための枠組みです。代表的なものに BCG(Boston Consulting Group:ボストン・コンサルティング・グループ)の成長-シェアマトリクスがあり、「投資すべきか」「収益を回収すべきか」「撤退すべきか」を視覚的に判断できます。
PPM(Product Portfolio Management:事業・製品のポートフォリオ管理)は、事業や製品を一つの「ポートフォリオ(複数の事業を並べた一覧)」として評価し、どこに資源(お金・人・時間)を配分するかを判断するための枠組みです。代表的なものに BCG(Boston Consulting Group:ボストン・コンサルティング・グループ)の成長-シェアマトリクスがあり、「投資すべきか」「収益を回収すべきか」「撤退すべきか」を視覚的に判断できます。
解法ステップ
- 問題の目的を確認する:ここでは「今後力を入れる事業、撤退すべき事業の分析」が目的。
- 各選択肢の目的を一言で整理する:
- BPR:業務プロセスの抜本的見直し(効率化)
- BSC:業績評価のためのバランス指標
- CSF:目標達成に必要な重要成功要因の抽出
- PPM:事業ごとの配分・投資判断(ポートフォリオ分析)
- 目的に最も合致するのは「事業配分・投資判断」を行う PPM と判断する。
- よって選択肢は エ(PPM)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: BPR(Business Process Reengineering:業務プロセス再設計)
- 意味:業務の流れを根本から見直し、効率化・短縮化する手法です。
- なぜ不適切か:BPR は業務プロセス(仕事のやり方)を改善する目的で、事業ごとの投資・撤退判断を行うための手法ではありません。
-
イ: BSC(Balanced Scorecard:バランススコアカード)
- 意味:財務だけでなく顧客・業務プロセス・学習と成長の観点から組織の業績を評価する枠組みです。
- なぜ不適切か:組織や事業のパフォーマンスを測るための評価指標体系であり、直接「どの事業に投資すべきか」を示す分析手法ではありません。
-
ウ: CSF(Critical Success Factors:重要成功要因)
- 意味:戦略を達成するために必須のキー要素を特定する考え方です。
- なぜ不適切か:戦略実行の焦点を絞るために使いますが、事業ポートフォリオ全体の投資配分や撤退判断を直接導く手法ではありません。
-
エ: PPM(Product Portfolio Management:事業ポートフォリオ管理)
- 意味:複数の事業・製品を比較し、投資・撤退・維持の方針を決めるためのフレームワークです。
- なぜ適切か:問題の目的そのものが「今後力を入れるべき事業、撤退すべき事業の分析」であり、PPM はまさにその目的に合致します。
よくある誤解
-
「BSC を使えばどの事業に投資すべきか分かる」
- 実際は BSC は業績評価の枠組みです。投資判断のための直接的なマトリクスや可視化は提供しません。BSC の指標を使って補助的に判断することは可能ですが、主目的が異なります。
-
「PPM は常に正しい撤退判断を示す」
- PPM(例えば BCG マトリクス)は単純で分かりやすいですが、市場性や将来の技術変化、ブランド価値など他の要因を無視しがちです。補完的な分析が必要です。
-
「BPR と PPM は同じで、どちらも戦略策定に使える」
- BPR は内部の業務改善に焦点を当て、PPM は事業の外的・戦略的配分判断に焦点を当てます。用途が異なります。
補足コラム
PPM の代表的な図は「BCG マトリクス(成長-シェアマトリクス)」です。横軸に「相対的市場シェア」(競合に対する自社の強さ)、縦軸に「市場成長率」(市場の伸び)を置き、4つの象限に分類します。
- Stars(花形):高成長・高シェア → 投資して成長を確保
- Cash Cows(金のなる木):低成長・高シェア → 安定的に利益を生む、投資は最小限で回収重視
- Question Marks(問題児):高成長・低シェア → 投資してシェアを取るか撤退するか判断が必要
- Dogs(負け犬):低成長・低シェア → 基本は撤退や縮小の候補
例:携帯電話メーカーなら、主力モデルがCash Cow(安定収益)、新分野のIoT製品がQuestion Markなら、今後の投資を決めるのに PPM を用います。ただし、ブランド戦略や技術ロードマップも考慮して最終判断します。
FAQ
Q. PPM と BCG マトリクスは同じ意味ですか?
A. 厳密には PPM は「事業ポートフォリオ管理」という広い概念で、BCG マトリクスはその中でも有名な一手法(視覚化ツール)です。よく混同して使われます。
A. 厳密には PPM は「事業ポートフォリオ管理」という広い概念で、BCG マトリクスはその中でも有名な一手法(視覚化ツール)です。よく混同して使われます。
Q. 小さな会社でも PPM は使えますか?
A. はい。事業や製品の整理に役立ちます。規模に応じて簡易的に数個の事業で評価すれば十分です。
A. はい。事業や製品の整理に役立ちます。規模に応じて簡易的に数個の事業で評価すれば十分です。
Q. PPM の代わりに CSF を使ってもよいですか?
A. CSF は「成功の鍵」を洗い出すための手法で、事業の評価軸を補強する用途には使えますが、ポートフォリオ全体の配分判断を行うなら PPM が向いています。
A. CSF は「成功の鍵」を洗い出すための手法で、事業の評価軸を補強する用途には使えますが、ポートフォリオ全体の配分判断を行うなら PPM が向いています。
関連キーワード: PPM、BCGマトリクス、事業ポートフォリオ、投資判断、撤退判断、BPR(業務プロセス再設計)、BSC(バランススコアカード)、CSF(重要成功要因)

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

