ITパスポート 2012年 春期 問18
問題文
規模が小さい企業、単一事業の企業、市場の変化が少なく安定した顧客を持つ企業などに最適な組織構造はどれか。
選択肢
ア:カンパニー制組織
イ:職能別組織(正解)
ウ:プロジェクト組織
エ:マトリックス組織
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小規模・単一事業・市場が安定している企業に最適な組織構造はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
小規模で単一事業、かつ市場の変化が少なく安定した顧客を持つ企業に最適なのは、イの職能別組織です。職能別組織とは、業務を「営業」「製造」「経理」などの機能(ファンクション)ごとに分ける組織形態です。各部署が同じ専門性を持つ人材で構成され、業務の効率化や専門性の向上が期待できます。
小規模・単一事業・市場が安定という条件は、
- 業務が定型的で変化が少ない(だから効率や専門性が重要)、
- 事業の方向性が一本化されており、部門間の独立した権限分散が必須ではない、 という特徴を持ちます。これらに合うのが職能別組織であり、したがってイが正しい選択となります。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認する:小規模、単一事業、市場の変化が少ない→「安定」「効率」「専門化」が重要。
- 各組織の特徴を短く思い出す:
- 職能別組織:機能(営業・製造など)ごとにまとまる。効率と専門性に強い。
- カンパニー制:事業単位ごとに独立した会社のように運営。多角化に向く。
- プロジェクト組織:目的別の一時的チーム。変化や個別案件に強い。
- マトリックス組織:機能と事業の両面で管理される。柔軟だが複雑。
- 条件と照らし合わせて最も適合する組織を選ぶ:安定で効率重視→職能別組織(イ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: カンパニー制組織
カンパニー制は「事業ごとに独立した組織(会社のように運営)」にする仕組みです。多角化している大企業や、各事業で独立採算が必要な場合に向きます。単一事業で規模が小さい企業では、各事業を独立させる利点が少なく、管理コストが無駄になります。 -
イ: 職能別組織(正解)
職能別組織は各機能で人材や業務を集約します。小規模で業務が定型的なら、専門性による効率化とコスト低減が可能です。市場変化が少ないため柔軟性より効率性を重視してよく、最も適しています。 -
ウ: プロジェクト組織
プロジェクト組織は特定の目標や期間に合わせてチームを編成します。新製品開発や一時的な業務に向きますが、日常業務の継続的運営には向きません。単一事業で日常業務が中心の小企業には不向きです。 -
エ: マトリックス組織
マトリックス組織は「機能」を縦軸に、「事業」や「プロジェクト」を横軸にして二重の命令系統を持ちます。柔軟性が高い反面、意思決定が複雑になり対立や調整コストが増えます。規模が小さく安定した企業では過剰な構造になります。
よくある誤解
-
「小さい会社=プロジェクト組織が良い」
→ 小さい会社でも日常業務が主なら、プロジェクト組織は非効率です。プロジェクト組織は一時的・特殊な課題向けです。 -
「カンパニー制はどの会社にも合う」
→ カンパニー制は多角化や事業ごとの独立経営が必要な場合に有効で、単一事業で規模が小さい場合は不要な管理負担を生みます。
補足コラム
職能別組織(英語: functional organization)は、業務の「専門性」を高めるのが最大の強みです。例えば営業は営業のスキルを磨き、製造は生産性向上に集中できます。小規模企業では人員や資源が限られるため、同質の仕事をまとめることで教育コストや重複作業を減らせます。
一方で、部門間の協力が弱くなり「縦割り」になりやすい欠点もあります。会社が成長して事業が多角化したり、変化の早い市場に対応する必要が出てきたら、カンパニー制やマトリックスへ組織変更を検討することが多いです。
簡単な目安:
- 安定・単一事業・効率重視 → 職能別組織
- 多角化や事業別採算が必要 → カンパニー制
- 期間限定の課題や特別プロジェクト → プロジェクト組織
- 機能と事業の両立が必要で柔軟性を重視 → マトリックス組織
FAQ
Q1: 職能別組織は社員のキャリアパスが狭くなりますか?
A1: 部門内での専門性は高まりますが、部署間を移る機会が少ないと視野が狭くなりがちです。人事異動やジョブローテーションで補うことがよく行われます。
A1: 部門内での専門性は高まりますが、部署間を移る機会が少ないと視野が狭くなりがちです。人事異動やジョブローテーションで補うことがよく行われます。
Q2: 小さな会社でもマトリックス組織を採用できますか?
A2: 技術的には可能ですが、管理負担と調整コストが増えるため、明確な理由(複数事業を同時に運営するなど)がない限り推奨されません。
A2: 技術的には可能ですが、管理負担と調整コストが増えるため、明確な理由(複数事業を同時に運営するなど)がない限り推奨されません。
Q3: 市場が安定していても将来変化しそうならどうするべきですか?
A3: 現時点では職能別で効率運用しつつ、将来的な柔軟性確保のために情報共有の仕組みやクロスファンクショナルなチームを準備しておくと良いです。
A3: 現時点では職能別で効率運用しつつ、将来的な柔軟性確保のために情報共有の仕組みやクロスファンクショナルなチームを準備しておくと良いです。
関連キーワード: 組織構造、職能別組織、カンパニー制、マトリックス組織、プロジェクト組織、組織設計、組織改革

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