ITパスポート 2012年 春期 問17
問題文
企業戦略におけるアライアンスの効果として適切なものはどれか。
選択肢
ア:異文化をもった相手企業が合併や買収によって加わることで、混乱や摩擦が生じることがあるが、有形・無形の経営資源を得ることができる。
イ:外部の専門業者にその企業にとって中核でない業務を委託することによって、企業本来の業務に人員をシフトすることができる。
ウ:技術提携、生産や販売の委託、合弁会社の設立などによって、複数の企業が互いの独自性を維持しながら連携を強化することができる。(正解)
エ:グループ企業の株式を保有することによって、本社機能に特化した会社形態として経営を行うことができる。
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企業戦略におけるアライアンスの効果【ITパスポート 解説】
正解の理由
アライアンスとは、複数の企業がそれぞれの独立性を保ちながら協力することです。具体的には技術提携や販売協力、合弁会社の設立などで、互いの強みを生かして連携を強めます。選択肢の中でこの定義に当てはまるのは ウ の説明です。ウ は「独自性を維持しながら連携を強化する」と明確に述べており、アライアンスの本質を正しく表しています。
(補足説明)
- アライアンス(alliance)は「同盟・提携」を意味します。企業同士が合併・買収(M&A:merger and acquisition)するのとは異なり、独立性を保ったまま協力する点が特徴です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「アライアンス」「効果」「企業戦略」。
- アライアンスの定義を思い出す。「独立性を保ちながら協力すること」。
- 各選択肢がその定義に当てはまるかを順に検討する。
- 合併・買収は独立性を失う可能性がある → 当てはまらない。
- 外部業者に業務を委託する(アウトソーシング)は協力だが、通常は企業同士の対等な連携ではない → 当てはまらない。
- 技術提携や合弁は独立性を保ったままの協力 → 当てはまる。
- 株式保有による経営形態は持株会社の説明であり、アライアンスの効果とは異なる → 当てはまらない。
- よって ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「異文化をもった相手企業が合併や買収によって加わることで…」
解説: 合併(がっぺい:merger)や買収(ばいしゅう:acquisition)は企業の統合です。統合すると独立性は失われる場合が多く、アライアンス(独立性を保つ協力)とは性質が違います。したがってアライアンスの効果の説明としては不適切です。 -
イ: 「外部の専門業者に中核でない業務を委託すること(アウトソーシング)…」
解説: アウトソーシング(outsourcing:外部委託)は業務の外部移管で、効率化や人員の再配置効果があります。ただし、通常は委託先が受託業者であり「対等な企業間の戦略的提携」というアライアンスとは概念が異なります。 -
ウ: 「技術提携、生産や販売の委託、合弁会社の設立などによって…」
解説: ここで述べられる活動は、企業が独自性を保ちながら協力する典型的な形です。技術共有や販売協力、共同出資による合弁会社(joint venture)はアライアンスの代表例です。よって正しい説明です。 -
エ: 「グループ企業の株式を保有することによって、本社機能に特化した会社形態として経営を行うこと…」
解説: これは持株会社(もちかぶがいしゃ:holding company)の説明です。グループ統制や資本関係の話であり、アライアンス(戦略的提携)の効果説明ではありません。
よくある誤解
-
アライアンス=合併・買収(M&A)と思い込む
- 誤りの理由:M&Aは企業の統合で独立性が失われることが多い。アライアンスは独立性を維持した協力です。
-
アウトソーシングはアライアンスの一種だと考える
- 誤りの理由:アウトソーシングは業務委託であり、戦略的対等連携(アライアンス)とは目的や関係性が異なります。
-
アライアンスはリスクがないと考える
- 誤りの理由:情報漏えいや方針不一致などのリスクがあり、契約やガバナンスが重要です。
補足コラム
- アライアンスの代表例
- 技術提携:特許やノウハウを共有して共同開発する。
- 販売提携:販売チャネルを共有して市場を拡大する。
- 合弁会社(JV):出資して共同で新会社を設立するが、出資比率によって支配関係が変わる点に注意。
- IT分野の具体例
- SaaS(Software as a Service:サービスとして提供されるソフトウェア)ベンダー同士がAPI連携して機能を補完するケース。
- ハードウェアメーカーとソフトウェア企業が共同で製品を企画・販売するケース。
- 覚え方のコツ:「独立性を保つ」「協力」この2語をセットで覚えると判別が速くなります。
FAQ
Q1. 合弁会社はアライアンスですか?
A1. はい。合弁会社(joint venture)はアライアンスの一形態です。ただし、合弁では出資比率による支配が生じる場合があり、完全な独立性保持とは限りません。
A1. はい。合弁会社(joint venture)はアライアンスの一形態です。ただし、合弁では出資比率による支配が生じる場合があり、完全な独立性保持とは限りません。
Q2. アウトソーシングとアライアンスはどちらが一般的ですか?
A2. 目的が異なります。アウトソーシングはコスト削減や効率化が目的、アライアンスは戦略的な成長や技術共有が目的です。状況に応じて使い分けます。
A2. 目的が異なります。アウトソーシングはコスト削減や効率化が目的、アライアンスは戦略的な成長や技術共有が目的です。状況に応じて使い分けます。
Q3. アライアンスのメリットは何ですか?
A3. 迅速な市場参入、技術補完、リスク分散などがあります。一方で信頼関係や契約管理が重要です。
A3. 迅速な市場参入、技術補完、リスク分散などがあります。一方で信頼関係や契約管理が重要です。
関連キーワード: アライアンス、合併、買収、アウトソーシング、合弁会社、持株会社、戦略的提携、事業提携

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