ITパスポート 2012年 春期 問22
問題文
情報システム戦略の立案において、情報システム全体の最適化の方針や目標を設定する際に実施すべきことはどれか。
選択肢
ア:開発に必要な要員のスキルを明確にする。
イ:経営戦略との整合性を考慮する。(正解)
ウ:情報システムの導入に伴うリスク分析を実施する。
エ:利用者ニーズとソフトウェアパッケージの適合性を確認する。
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情報システム戦略の方針・目標設定で実施すべきこと【ITパスポート 解説】
正解の理由
情報システム全体の最適化(組織全体でITを最も有効に使うこと)を目指す段階では、まず組織全体の方向性と合っているかを確認する必要があります。つまり、経営戦略(会社が中長期で達成したい事業目標や方針)と情報システムの方針・目標が一致しているかを考えることが最優先です。したがって、選択肢のうち イ(経営戦略との整合性を考慮する)が正解です。
理由を簡単にまとめると:
- 情報システム戦略は会社の事業目的を支えるために立てられます。経営戦略と合致していなければ、部分最適(ある部署だけ良くなるが会社全体では無駄)になりやすいです。
- 経営戦略と整合させることで、優先度や投資配分、達成すべき成果指標(ROIやKPI)を明確にできます。
(他の選択肢は重要ですが、いずれも方針・目標を「設定する」初期段階というよりは、実行や詳細設計の段階で必要となる事項です。)
解法ステップ
- 問題文のキーワードを読む:「情報システム全体の最適化」「方針や目標を設定」→ 高レベル(戦略)を問う問題だと判断する。
- 各選択肢が「戦略的か」「実務的か」を見分ける。戦略段階なら経営との整合、実務段階なら要員やリスク、パッケージ適合など。
- 高レベル(会社全体の方向性)に関係する選択肢を選ぶ。ここでは経営戦略との整合が該当するため イ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 開発に必要な要員のスキルを明確にする。
- 解説:要員スキルの明確化は、プロジェクト計画や開発体制を作る段階で重要です。方針や目標を「設定する」戦略フェーズでは、まず何を達成するか(目的)を決めることが先です。よってここでは時期が早い作業です。
-
イ: 経営戦略との整合性を考慮する。
- 解説:経営戦略(会社の事業戦略)と情報システム方針を合わせることが、全体最適化の出発点になります。組織全体の優先順位や投資判断がこれに基づきます。
-
ウ: 情報システムの導入に伴うリスク分析を実施する。
- 解説:リスク分析は重要ですが、通常は導入計画や個別プロジェクトの計画段階で詳細に行います。戦略の方針・目標を立てる段階では、リスクの大枠を把握する程度で十分なことが多いです。
-
エ: 利用者ニーズとソフトウェアパッケージの適合性を確認する。
- 解説:これはシステム選定や調達(どのパッケージを使うか)に関する作業です。方針・目標設定という「何を達成するか」を決める段階の後に行う具体的な検討事項です。
よくある誤解
-
「経営戦略に従う=経営の指示にただ従うこと」と考える。
- 誤りのポイント:整合性を考えるとは、単に従うことだけでなく、情報システムが経営目標をどう支えるかを設計することです。必要なら経営側にITで実現可能な代替案を提示する役割も含みます。
-
「全体最適化=コストを最小にすること」と捉える。
- 誤りのポイント:全体最適化は費用だけでなく、業務効率、品質、拡張性、リスク等のバランスで決めます。安さだけを追うと長期的に非効率になります。
-
「リスク分析や要員スキルの検討は戦略段階では不要」と思う。
- 補正:完全に不要ではありません。大きな制約(例:人材不足で短期実現が難しい等)は方針に影響するため、戦略段階で概要の確認はしますが、詳細な分析は後工程です。
補足コラム
-
ITガバナンス(IT governance:ITの統制と管理)
- 意味:経営戦略に沿ってIT投資や運用を適切に管理する仕組みです。情報システム戦略と経営戦略の整合は、ITガバナンスの主要な目的の一つです。
-
エンタープライズアーキテクチャ(Enterprise Architecture:組織全体の業務とITの構造を一貫させる枠組み)
- 意味:業務プロセスや情報、システム、技術を整理して、戦略から実装まで一貫性を持たせる考え方です。全体最適化を進める際の道具立てとして有用です。
覚え方のヒント:「戦略=上流(目標)」「要員・パッケージ=下流(実行)」と頭の中で上下に分けると判断しやすくなります。
FAQ
Q1. なぜ経営戦略と整合させることが最優先なのですか?
A1. 企業の目的(売上拡大、コスト削減、新サービス投入など)に合わないIT投資は無駄になります。方向性を合わせることで、効果的な投資配分や優先順位が決められます。
A1. 企業の目的(売上拡大、コスト削減、新サービス投入など)に合わないIT投資は無駄になります。方向性を合わせることで、効果的な投資配分や優先順位が決められます。
Q2. 中小企業でも経営戦略との整合は必要ですか?
A2. はい。規模にかかわらず、IT投資は会社の目的を支えるために行うべきです。規模が小さければ、より簡潔な形で整合性を確認すれば十分です。
A2. はい。規模にかかわらず、IT投資は会社の目的を支えるために行うべきです。規模が小さければ、より簡潔な形で整合性を確認すれば十分です。
Q3. 戦略段階での「整合性の確認」はどの程度の深さで行えば良いですか?
A3. 大枠(例えば支持する事業領域、優先すべき業務、期待する効果)を確認する程度で十分です。詳細な技術や人材要件は後工程で詰めます。
A3. 大枠(例えば支持する事業領域、優先すべき業務、期待する効果)を確認する程度で十分です。詳細な技術や人材要件は後工程で詰めます。
関連キーワード: 情報システム戦略, 全体最適化, 経営戦略整合性, ITガバナンス, エンタープライズアーキテクチャ, リスク管理, システム導入検討

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