ITパスポート 2012年 春期 問36
問題文
内部統制を考慮した職務分掌として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:申請者自身が承認を行えないように定めた。(正解)
イ:長期不在となる上司の権限を部下に委譲した。
ウ:早番の担当者の残作業を遅番の担当者に引き継いだ。
エ:一つの作業を複数人で手分けして実施した。
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内部統制を考慮した職務分掌として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
正解は ア です。
理由は「職務分掌(しょくむぶんしょう:業務の役割を分けるルール)」と「内部統制(ないぶとうせい:業務の不正やミスを防止・早期発見するための仕組み)」の基本に合致するためです。
具体的には、申請者自身が承認できないようにすることで、一人の人が「申請(操作)」と「承認(確認)」の両方を行えなくなり、不正な自己承認や誤った支払いが起こりにくくなります。これは「職務の分離(Segregation of Duties:SOD)」の典型的な実践例です。
理由は「職務分掌(しょくむぶんしょう:業務の役割を分けるルール)」と「内部統制(ないぶとうせい:業務の不正やミスを防止・早期発見するための仕組み)」の基本に合致するためです。
具体的には、申請者自身が承認できないようにすることで、一人の人が「申請(操作)」と「承認(確認)」の両方を行えなくなり、不正な自己承認や誤った支払いが起こりにくくなります。これは「職務の分離(Segregation of Duties:SOD)」の典型的な実践例です。
※SOD(Segregation of Duties:職務分掌)は、業務の実行、承認、記録などの役割を分けて、相互にチェックできるようにする考え方です。
解法ステップ
- 問題のキーワード「内部統制」「職務分掌」を押さえる。
- 内部統制 = 不正やミスを防ぐ仕組み
- 職務分掌 = 役割を分けて相互監視すること
- 各選択肢が「役割を分けて不正を防ぐ」かどうかを考える。
- 「申請」と「承認」が同一人物でできるかを判断する。できるなら内部統制として不適切、できないようにするなら適切。
- 上記の観点で選択肢を比較し、アが最も内部統制に合致することを確認する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 申請者自身が承認を行えないように定めた。
- 適切。申請と承認を分けることで、自己承認による不正やミスを防げます。
-
イ: 長期不在となる上司の権限を部下に委譲した。
- 不適切。権限委譲そのものは業務継続のために必要な場合がありますが、長期にわたって上司の承認権限を部下に恒常的に委譲すると、チェックが効かず権限が集中します。内部統制の観点では、委譲時に代行者の監視や分担が必要です。
-
ウ: 早番の担当者の残作業を遅番の担当者に引き継いだ。
- 不適切。これは業務の引継ぎ(業務効率)であって、承認やチェックの役割分担には直結しません。引継ぎだけでは不正抑止の仕組みとは言えません。
-
エ: 一つの作業を複数人で手分けして実施した。
- 一見良さそうですが、具体的にどのように手分けするかが重要です。単に作業を分担するだけでは、承認や記録のチェックが分離されていない場合があります。したがって、この選択肢だけでは内部統制として適切とは限りません。
よくある誤解
-
「複数人で手分けすれば内部統制は完璧」
- 誤り。単純に作業を分けるだけでは、承認や記録といったチェック機能が分離されていないことがあります。役割(実行・承認・記録)ごとに分けることが重要です。
-
「権限委譲=常に悪」
- 誤り。権限委譲は業務継続のために必要です。ただし、委譲時は代行者の監視・記録や一時的な措置であることを明確にする必要があります。恒常的な委譲は権限の集中を招きます。
-
「承認が速い方が内部統制に優れている」
- 誤り。承認の速さと内部統制の有効性は別問題です。速さを優先して承認プロセスを一人で完結させると、チェック機能が損なわれます。
補足コラム
-
実務での簡単な例(経費精算)
- 申請者(従業員)が経費を申請 → 上司が承認 → 経理が支払処理と記録
- この流れで「申請」「承認」「支払・記録」を別の人が担当することで、不正やミスが起きにくくなります。
-
内部統制の基本的な考え方(覚え方)
- 「分ける・記録する・見直す」
- 分ける:同じ人が全部やらない(実行・承認・記録を分離)
- 記録する:誰が何をしたか履歴を残す
- 見直す:定期的に監査や確認を行う
- 「分ける・記録する・見直す」
FAQ
Q1: 申請者が上司に直接申請して、その場で承認をもらうのはダメですか?
A1: 業務の種類と規模によります。現場で緊急に判断が必要な場合は短期的に行われますが、事後に別の人(経理や監査担当)が承認履歴や領収書を確認するなど、別のチェックを入れる必要があります。
A1: 業務の種類と規模によります。現場で緊急に判断が必要な場合は短期的に行われますが、事後に別の人(経理や監査担当)が承認履歴や領収書を確認するなど、別のチェックを入れる必要があります。
Q2: 小さい会社でも職務分掌は必要ですか?
A2: はい。従業員が少ない場合は「相互チェック」や「外部レビュー(税理士など)」を活用して、役割の分離を補う工夫が必要です。
A2: はい。従業員が少ない場合は「相互チェック」や「外部レビュー(税理士など)」を活用して、役割の分離を補う工夫が必要です。
Q3: ITシステムで自動承認にしてもよいですか?
A3: 自動化は有効ですが、自動承認のルール設定やログ(操作履歴)の保持、例外処理の監視などの仕組みがないと内部統制が弱くなります。
A3: 自動化は有効ですが、自動承認のルール設定やログ(操作履歴)の保持、例外処理の監視などの仕組みがないと内部統制が弱くなります。
関連キーワード: 職務分掌、内部統制、分離の原則、承認プロセス、権限委譲、相互牽制、SOD

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