ITパスポート 2012年 春期 問35
問題文
ソフトウェア品質管理における考え方のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:品質管理の基準の策定は利用部門が主体的に行う。
イ:品質管理の基準は、できる限り定量的に管理できるものにする。(正解)
ウ:品質管理の基準を適用して管理するフェーズは、運用保守フェーズではなく、開発フェーズである。
エ:品質管理を容易にするため、設計から総合テストまで同じ基準値を使用する。
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ソフトウェア品質管理における考え方【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢イ(品質管理の基準は、できる限り定量的に管理できるものにする。)が適切です。
理由は、品質を「数値で測れるようにする」と客観的で比較可能になり、改善や合否判定が明確になるためです。たとえば「応答時間は2秒以内」「欠陥数はリリース前までに10件以下」「テスト網羅率は80%以上」といった定量的な基準があれば、進捗管理や自動判定(ツールでのチェック)ができ、関係者間で認識のズレが起きにくくなります。
理由は、品質を「数値で測れるようにする」と客観的で比較可能になり、改善や合否判定が明確になるためです。たとえば「応答時間は2秒以内」「欠陥数はリリース前までに10件以下」「テスト網羅率は80%以上」といった定量的な基準があれば、進捗管理や自動判定(ツールでのチェック)ができ、関係者間で認識のズレが起きにくくなります。
解法ステップ
- 各選択肢が「誰が行うか」「いつ行うか」「どう管理するか」を示しているか確認する。
- 品質管理の基本は「測定して管理する(マネジメントサイクル)」という点を思い出す。
- 定性的(感覚的)より定量的(数値で測る)方が、評価・改善・自動化に向くと判断する。
- 上記の観点から、選択肢の中で最も適切なのがイであると結論づける。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 品質管理の基準の策定は利用部門が主体的に行う。
誤り。利用部門(ユーザー側の業務担当)は要件の提示や業務視点の判断を行いますが、品質管理の基準(テスト基準、品質指標の定義、測定方法など)は品質管理や開発チーム、テストチームと協働して決めるべきです。片方だけで決めると技術的に実現不可能だったり、評価方法が不明確になりやすいです。 -
イ: 品質管理の基準は、できる限り定量的に管理できるものにする。
正しい。前節の通り、定量化は客観評価、比較、トレンド分析、自動化を可能にします。 -
ウ: 品質管理の基準を適用して管理するフェーズは、運用保守フェーズではなく、開発フェーズである。
誤り。品質管理は開発フェーズだけでなく、運用保守フェーズ(リリース後の監視や障害対応のフェーズ)でも継続して行います。たとえば稼働中のエラー率や応答時間は運用で監視する必要があります。品質はライフサイクル全体で管理します。 -
エ: 品質管理を容易にするため、設計から総合テストまで同じ基準値を使用する。
誤り。各フェーズ(設計、単体テスト、結合テスト、総合テスト、運用)で目的と評価方法が異なるため、同じ基準値をそのまま使うのは適切でないことが多いです。例えば単体テストでは「関数ごとの網羅率」、総合テストでは「機能横断の受け入れ基準」のように、段階に応じた指標が必要です。
よくある誤解
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「定量化=すべての品質特性を数値化できる」ではない。
ユーザビリティ(使いやすさ)などは直接数値化しにくいので、ユーザーテストの満足度やタスク成功率などの代替指標を使います。 -
「品質管理は開発が終わってから行う」ではない。
品質は計画段階からテスト設計、開発プロセス、運用まで継続して管理するものです。早い段階で基準を定めるほどコストが下がります(欠陥修正のコストが上流で安く済むため)。 -
「数値を決めれば良い」だけでは不十分。
測定方法やツール、誰が測るか、閾値を超えたときの対応も併せて決めておく必要があります。
補足コラム
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品質管理と品質保証の違い
品質管理(Quality Control:QC)は製品や成果物の検査・テストで、問題を見つけて是正する活動です。品質保証(Software Quality Assurance:SQA、ソフトウェア品質保証)はプロセス全体を整備し、品質が確保される仕組みを作る活動を指します。SQAは予防、QCは検出と是正というイメージです。 -
定量指標の例(初耳でも覚えやすいもの)
- 応答時間(レスポンスタイム): 例「画面遷移は2秒以内」
- 欠陥密度(defects per KLOC): KLOC は "kilo lines of code"(千行)を意味します。
- テスト網羅率(coverage): 単体テストでどれだけのコードや条件が実行されたかの割合。
- MTBF(Mean Time Between Failures:平均故障間隔): システムの信頼性を表す指標。
これらは運用監視や開発の評価に使えます。
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定量化が難しい特性への対処
使いやすさや満足度はアンケートのスコアやタスク成功率などを用いることで、定量的に扱いやすくします。定性的なフィードバックも重要ですが、改善の優先度を決めるために数値化の工夫をします。
FAQ
Q1: 定性的な基準は全く使えないですか?
A1: 使えます。ただし、意思決定や比較をしやすくするために、可能なら「定量化できる代理指標(プロキシ)」を追加するのがおすすめです。
A1: 使えます。ただし、意思決定や比較をしやすくするために、可能なら「定量化できる代理指標(プロキシ)」を追加するのがおすすめです。
Q2: 運用保守での品質管理は誰がやるべきですか?
A2: 開発チームと運用チームが協力します。SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)で責任範囲と指標を明確にすることが多いです。
A2: 開発チームと運用チームが協力します。SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)で責任範囲と指標を明確にすることが多いです。
Q3: 「数値の閾値」はどう決めれば良いですか?
A3: ユーザー要求、過去実績、他システムのベンチマーク、開発リソースを基に現実的な目標を設定し、運用で見ながら調整します。重要なのは「測定可能か」「達成可能か」「改善につながるか」です。
A3: ユーザー要求、過去実績、他システムのベンチマーク、開発リソースを基に現実的な目標を設定し、運用で見ながら調整します。重要なのは「測定可能か」「達成可能か」「改善につながるか」です。
関連キーワード: ソフトウェア品質、品質管理、品質保証、定量指標、テスト網羅率、MTBF、欠陥密度、SLA、運用保守、テスト設計

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