ITパスポート 2012年 春期 問45
問題文
プロジェクトの進捗を管理する場合の留意事項として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:進捗遅れの状況は管理者の判断で訂正することができる。
イ:進捗管理の管理項目には、定性的な項目を設定する。
ウ:進捗状況を定量的に判断するために、数値化できる項目を選び、目標値を設定する。(正解)
エ:進捗を把握しやすくするためには、レーダチャートを用いる。
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プロジェクトの進捗を管理する場合の留意事項【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロジェクトの進捗(しんちょく)管理では、「進捗を客観的に判断できること」が最も重要です。数値化できる項目を選び、目標値を設定することで、遅れや問題の発見、対策の効果検証が可能になります。したがって、選択肢の中ではウ(進捗状況を定量的に判断するために、数値化できる項目を選び、目標値を設定する。)が適切です。
ポイントをかみ砕くと:
- 定量的=数や割合で表せること。例:完了タスク数、完了%、消化工数(時間)、納期までの日数など。
- 目標値を設定すると「何をもって順調か/遅れか」が明確になるため、関係者間で合意しやすくなります。
解法ステップ
- 問題文の目的を確認:進捗(プロジェクトの進み具合)を「管理」するための留意点を問う問題。
- 「管理」に必要な条件を想像:客観的に比較・判断できる情報が必要→数値化できるか。
- 各選択肢を検討:
- 一方的な訂正や、定性的(質的)な項目、視覚化手法の適合性を検討する。
- 結論:進捗判断には定量化と目標値が不可欠なので、ウを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
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ア: 進捗遅れの状況は管理者の判断で訂正することができる。
誤り。管理者が勝手に変更・訂正するだけでは、透明性や根拠が失われます。遅れの原因を分析し、関係者と合意した是正措置(対策)を実行・記録することが必要です。個人の判断でスケジュールを改変すると後で混乱します。 -
イ: 進捗管理の管理項目には、定性的な項目を設定する。
誤り。定性的(ていせいてき)とは感想や状態を表すもので例:「品質感」「満足度」など。補助的には使えますが、進捗(進み具合)そのものを判断するには、数値で測れる項目(定量的)が優先されます。定性的項目だけだと「何が遅れているか」を明確にできません。 -
ウ: 進捗状況を定量的に判断するために、数値化できる項目を選び、目標値を設定する。
正しい。数値化と目標設定により、進捗の判定、遅延警報の発動、改善効果の測定が可能になります。例えば「完了タスク数」「予定比の消化率」「残作業時間」などを定義し、基準値(例:90% 以上が正常)を決めます。 -
エ: 進捗を把握しやすくするためには、レーダチャートを用いる。
誤り。レーダチャート(レーダーチャート=複数の項目を放射状に示す図)は、複数の評価項目を比較するのに便利です。しかし、時間経過による進捗の追跡や、工程ごとの完了度を分かりやすく示すには不向きです。一般的にはガントチャート(横棒で工程と期間を示す図)やバーンダウンチャート(残作業量の推移)などが適しています。
よくある誤解
-
「進捗=やった/やっていない」だけでいい
→ 単純な完了フラグだけでは、作業の規模や品質が分かりません。例えば「1件完了」と言っても、その作業量が全員同じとは限りません。作業量を時間やポイントで定量化すると比較しやすくなります。 -
「管理者の裁量で直せばよい」
→ 管理者が一方的に変更すると情報共有が崩れます。対策は根拠に基づき、関係者合意のもとで実施・記録することが重要です。 -
「視覚化すれば何でもOK」
→ グラフや図は便利ですが、何を測るか(指標)を間違えると意味がありません。適切な定量指標をまず決めることが先です。
補足コラム
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使える定量指標の例
- 完了タスク数(数)/全タスク数に対する完了割合(%)
- 消化工数(じゅんかこうすう:使った工数=時間)
- 残作業時間(時間)
- マイルストーンの達成状況(達成済み数)
- プロジェクト予算の消化率(コスト面)
-
目標値の決め方:SMARTの考え方が役立ちます。
SMART(英語)= Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限がある)。目標はこの観点で作ると実用的です。 -
もう少し高度に管理するなら:EVM(Earned Value Management:出来高管理)という手法があります。予定値と実績値を組み合わせて「進捗の健全性」を評価できます。初学者はまず「完了率」「消化工数」「残日数」などの基本指標に慣れることをおすすめします。
FAQ
Q. 定性的な項目は全く使えないですか?
A. 補助的には有用です。たとえば「顧客満足度」や「チームの士気」は重要ですが、進捗そのものの判断は数値化できる指標で行い、定性的項目は背景・原因分析に使うとよいです。
A. 補助的には有用です。たとえば「顧客満足度」や「チームの士気」は重要ですが、進捗そのものの判断は数値化できる指標で行い、定性的項目は背景・原因分析に使うとよいです。
Q. 目標値はどのくらい細かく決めればよいですか?
A. プロジェクトの規模によりますが、段階的に設定するのが現実的です。例:週次で見るなら「週の完了%」、日次管理なら「日別の消化時間」。重要なのは「関係者が合意して継続的に計測できること」です。
A. プロジェクトの規模によりますが、段階的に設定するのが現実的です。例:週次で見るなら「週の完了%」、日次管理なら「日別の消化時間」。重要なのは「関係者が合意して継続的に計測できること」です。
Q. 進捗管理におすすめの図表は?
A. ガントチャート(工程と期間)やバーンダウンチャート(残作業の時間的推移)が進捗把握に適しています。レーダチャートは複数評価の比較向けです。
A. ガントチャート(工程と期間)やバーンダウンチャート(残作業の時間的推移)が進捗把握に適しています。レーダチャートは複数評価の比較向けです。
関連キーワード: 進捗管理、定量管理、ガントチャート、バーンダウンチャート、EVM、SMART

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