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ITパスポート 2012年 春期 57


問題文

ADSLに関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

ADSLを使用するためには、自宅まで光ケーブルが引き込まれている必要がある。
ISDN回線でもADSLを使用することができる。
光ケーブルではない一般のアナログ電話回線を使用する。(正解)
自宅から最寄りの電話局までの距離は、ADSLの通信速度とは無関係である。

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ADSLに関する記述のうち、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中で正しいのは 「光ケーブルではない一般のアナログ電話回線を使用する。」です。
ADSLは「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略で、既存のアナログ電話回線(銅線、POTS:Plain Old Telephone Service=従来の音声用電話回線)を使って高速なデータ通信を行います。したがって「光ケーブルが必要」や「ISDN回線で使える」といった記述は誤りです。また、家庭と電話局との距離が通信速度に影響するため「距離は無関係」とする選択肢も誤りです。

解法ステップ

  1. 用語を確認する:ADSLの英語と意味(Asymmetric Digital Subscriber Line=既存の電話回線でデータを送る技術)を思い出す。
  2. 回線の種類を区別する:光ケーブル(ファイバー)、アナログ電話回線(銅線/POTS)、ISDN(デジタル電話回線)の違いを整理する。
  3. 各選択肢を当てはめる:ADSLがどの回線で動作するか、距離の影響があるかを順に検証する。
  4. 正しいものを選ぶ:ADSLはアナログ電話回線を使い、距離で信号が減衰するため速度に影響する——よって正答は

選択肢別の誤答解説

  • ア: ADSLを使用するためには、自宅まで光ケーブルが引き込まれている必要がある。
    誤り。ADSLは既存の銅線(アナログ電話回線)を利用する技術です。光ケーブル(FTTH:Fiber To The Home)は別の技術で、光ファイバーを家まで引き込む場合はADSLではなく光回線サービスを利用します。
  • イ: ISDN回線でもADSLを使用することができる。
    誤り。ISDN(Integrated Services Digital Network=音声やデータをデジタルで扱う電話サービス)は回線の信号方式が異なります。一般的なADSLはPOTS(アナログ音声回線)を前提に設計されており、ISDN専用の回線設定ではそのままADSLを使えないケースが多いと考えてよいです(技術的には回線の物理条件次第で例外もありますが、基本理解としては不可)。
  • : 光ケーブルではない一般のアナログ電話回線を使用する。
    正しい。ADSLは銅線のアナログ電話線を使い、音声とデータを同時に扱うために周波数分割(フィルタやスプリッタ)を用います。
  • エ: 自宅から最寄りの電話局までの距離は、ADSLの通信速度とは無関係である。
    誤り。距離が長くなると信号が減衰して速度が低下します。一般に電話局(交換局)から遠いほどADSLの最大速度は落ちます。これがADSLの弱点の一つです。

よくある誤解

  1. 「ADSL=インターネット回線は全部同じ」
    誤解:インターネット接続には光回線、ADSL、ケーブル、モバイルなど複数の技術があります。回線の種類で性能や仕組みが異なります。
  2. 「距離は関係ない」
    誤解:ADSLは銅線を使うため、電話局からの距離で速度が大きく変わります。短いほど有利です。
  3. 「ISDNとADSLは同じもの」
    誤解:ISDNはデジタル電話回線サービスで、ADSLは銅線上での高速データ伝送技術。用途・仕組みが違います。

補足コラム

  • なぜ「非対称(Asymmetric)」か?
    ADSLは下り(受信)速度を上り(送信)速度より速く設計しています。これは家庭で見るウェブや動画のデータ量(下り)が多く、送信は比較的少ないという利用者の行動に合わせた設計だからです。
  • 実用的な速度イメージ
    古いADSLは下り数Mbps、ADSL2+では最大で24Mbps程度が理論値です(実際は距離や回線品質で大きく下がる)。光回線(数百Mbps〜数Gbps)と比べると速度差は大きいです。
  • 関連機器の名前
    DSLモデム(ADSLモデム):アナログ回線をデジタル信号に変換します。DSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer):電話局側でADSLを収容する機器です。

FAQ

Q1: ADSLと光回線、どちらが良いですか?
A1: 速度・安定性で言えば光回線が上です。ただし地域や費用、利用用途によってはADSLで十分な場合もあります。現在は多くの地域で光回線へ移行が進んでいます。
Q2: ADSLで電話は使えますか?
A2: 使えます。音声(電話)とデータは周波数帯を分けて同時に使えるようにしています。通話ノイズを防ぐためにフィルタ(スプリッタ)を使うことがあります。
Q3: ISDN回線の家でもADSLに変えられますか?
A3: 回線設備や提供サービスによります。多くの場合、契約と工事が必要でADSLに切り替えるには電話回線側の設定変更が必要です。プロバイダや通信事業者に相談してください。

関連キーワード: ADSL、ADSL2+、POTS、銅線回線、DSLAM、非対称通信、フィルタ、距離減衰、光回線、ISDN
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