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ITパスポート 2012年 春期 81


問題文

A社は業務で使用しているサーバのデータをサーバのハードウェア障害に備えてバックアップをしたいと考えている。次のバックアップ要件を満たす計画のうち、A社のバックアップ計画として適切なものはどれか。
〔バックアップ要件〕  ・サーバ障害時には障害が発生した前日の業務終了後の状態に復旧したい。  ・業務で日々更新するデータは全体に比べてごく少量だが、保有しているデータ量が多く、フルバックアップには時間が掛かるので、月曜日~土曜日にはフルバックアップを取ることができない。
ITパスポート 2012年 春期  問81の選択肢の画像

選択肢

(正解)

🔒 解説は解答すると表示されます

サーバのハードウェア障害に備えたバックアップ計画【ITパスポート 解説】

正解の理由

A社の要件は「障害発生時に前日の業務終了後の状態に戻すこと(=1日前の時点まで復旧)」と「月~土はフルバックアップが取れない(フルは時間がかかる)」です。これを満たすには、週に一度のフルバックアップと、平日はフル以降の差分だけを取る方法が適しています。差分バックアップ(differential backup:最後のフルバックアップ以降に変更された部分を保存すること)は、復旧時に「最後のフル」+「最新の差分」を適用すれば前日の状態に戻せます。さらに、サーバ本体が故障した場合に備えて、バックアップをサーバの外部(外部メディアや別の保管場所=オフサイト)に保存することが必要です。以上を満たしているのが、の「日曜日にフル、月~土は差分、かつ外部メディアで保管」なので、これが適切です。
(用語補足:サーバ(service-providing computer:サービスを提供するコンピュータ)、フルバックアップ(full backup:全データを丸ごと保存)、差分バックアップ(differential backup:最後のフル以降の変更だけを保存))

解法ステップ

  1. 要件を分解する
    • 復旧目標:障害時に「前日の業務終了後の状態」に戻すこと(=1日分の更新を含めて復元できること)。
    • 制約:フルバックアップは時間がかかるため、月~土は実行不可。
    • 保管:サーバ障害に備え、バックアップはサーバ本体とは別の場所に保管する必要がある。
  2. バックアップ方式の候補を検討する
    • 週に1回フルバックアップ+平日差分:復旧は「フル+最新差分」で可能。差分は週の後半でも大きくなるが、日々の更新は少量なので適合。
    • 単に週1回フルのみ:平日の変更を戻せないので不可。
    • バックアップをサーバ内部に置く:サーバが壊れたらバックアップも失われるので不可。
  3. 選択肢と要件を照合する
    • 「フル+差分」かつ「外部保管」の組み合わせが要件を満たす。したがってを選ぶ。
  4. 復旧手順(実務でのイメージ)
    • サーバを交換または修理後、日曜日のフルバックアップを復元する。
    • その後、直近の日(例えば土曜日)の差分バックアップを適用する。これで前日の終了時点に戻る。

選択肢別の誤答解説

  • ア:日曜日にフルを取って外部に保管する点は良いですが、月~土にバックアップを取得しないため、障害時に前日の状態(平日の更新分)へ復旧できません。したがって要件を満たしません。
  • イ:フルを日曜日に取りサーバ内部に置くという点は、平日の更新を保存しないため復旧要件を満たしません。加えて、バックアップをサーバ内部に保管するとサーバのハードウェア障害時にバックアップ自体が失われる危険があります。
  • :日曜にフル、平日は差分を取得し、外部メディアで保管する。差分により前日の更新分まで復元可能で、保管場所もサーバ外なのでハード障害から守れます。要件を満たすので適切です。
  • エ:バックアップ方式は正しい(フル+差分)ですが、保存場所がサーバ内部なので障害時にバックアップが使えない可能性があり、要件(サーバのハードウェア障害に備える)を満たしません。

よくある誤解

  1. 「差分は小さいからずっと高速で安全」
    • 差分バックアップは「最後のフル以降の変更分」を保存するので、日が進むほど差分は大きくなります(特に週末に向けて)。ただし今回の問題では「日々の更新はごく少量」とあるため有効です。
  2. 「バックアップを同じサーバに置けば復旧が速くて良い」
    • 確かに内部に置くと復旧は速いですが、サーバのハード障害でバックアップ自体が壊れると意味がありません。ハード障害対策には必ずサーバ外(オフサイト)保管が必要です。
  3. 「増分バックアップと差分バックアップは同じ」
    • 似ていますが異なります。差分は「最後のフルからの変更全部」を取るのに対し、増分(incremental backup)は「直前のバックアップ以降の変更だけ」を取ります。復旧時の手間が変わります(差分はフル+最新差分、増分はフル+すべての増分)。

補足コラム

  • 差分バックアップと増分バックアップの比較(簡単まとめ)
    • 差分(differential): 復元は「フル+最新差分」でOK。バックアップ取得は徐々に大きくなる。
    • 増分(incremental): バックアップファイルは小さい傾向。復元は「フル+その後の全増分」を順に適用する必要があり手順が多い。
  • 実務で気をつけること
    • 定期的にバックアップの「テスト復元」を行い、実際に復元できることを確認する。
    • バックアップの世代管理(何日前まで保持するか)や、暗号化・アクセス制御を検討する。
    • 保管場所は物理的に別の場所(オフサイト)か、クラウドストレージ(S3等)を利用する方法があります。
(用語:RPO = Recovery Point Objective:どの時点まで復元できればよいかの目標、RTO = Recovery Time Objective:復旧にかけられる時間の目標)

FAQ

Q1. 差分バックアップが週の終わりに大きくなりすぎたらどうするべきですか?
A1. 週中にもう一度フルバックアップを実行できるか検討します。あるいは増分バックアップやブロックレベルのバックアップ、あるいは差分の頻度を調整して運用コストと復旧時間のバランスを取ります。
Q2. なぜバックアップをサーバ外に保管しないとダメですか?
A2. サーバのハードウェア障害や火災・盗難などで本体が使えなくなった場合、同じサーバ内にあるバックアップも消失する可能性が高いためです。外部メディアやオフサイト保管でリスクを分散します。
Q3. 差分バックアップだけでは毎日復旧できないケースはありますか?
A3. 差分自体は最後のフルからの差分なので、最新の差分があれば「前日の状態」に復元できます。ただし差分ファイルが破損していたり、保管先が壊れている場合は復元できません。保管・検証が重要です。

関連キーワード: バックアップ、差分バックアップ、フルバックアップ、オフサイト保管、ディザスタリカバリ、増分バックアップ、リカバリ手順
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