ITパスポート 2013年 秋期 問03
問題文
ROE (Return On Equity)を説明したものはどれか。
選択肢
ア:株主だけでなく、債権者も含めた資金提供者の立場から、企業が所有している資産全体の収益性を表す指標
イ:株主の立場から、企業が、どれだけ資本コストを上回る利益を生み出したかを表す指標
ウ:現在の株価が、前期実績又は今期予想の1株当たり利益の何倍かを表す指標
エ:自己資本に対して、どれだけの利益を生み出したかを表す指標(正解)
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ROE (Return On Equity) を説明したものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
ROE(Return On Equity:自己資本利益率)は、株主(自己資本=株主が出したお金)の視点で「どれだけ効率よく利益を生んだか」を示す指標です。具体的には「当期純利益(会社が一定期間に実際に稼いだ最終的な利益)」を「自己資本(株主資本)」で割って求めます。したがって、選択肢の中では エ「自己資本に対して、どれだけの利益を生み出したかを表す指標」がROEの定義に一致します。
計算式は次の通りです。
例:当期純利益が100、自己資本が500なら、 で ROE = 20% になります。つまり株主が投入した資本1に対して0.2の利益を生んだ、という意味です。
解法ステップ
- 用語の確認:ROEが何を基準にする指標かを確認する(英語名と日本語の意味を結び付ける)。
- ROE = Return On Equity = 自己資本(Equity)に対する収益(Return)。
- 各選択肢を「誰の立場か」「分子・分母が何か」で照らし合わせる。
- 株主(自己資本)基準か、資産全体基準か、株価基準か等を見分ける。
- 最も該当する選択肢を採る。今回は「自己資本に対する利益」を説明する エ が一致。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「株主だけでなく、債権者も含めた資金提供者の立場から、企業が所有している資産全体の収益性を表す指標」
→ これは資産全体や全ての資金提供者(株主+債権者=借入先)を基準にする指標の説明で、ROA(Return On Assets:総資産利益率)や総合的な資本効率に近い考え方です。したがって ROE とは異なります。 -
イ: 「株主の立場から、企業が、どれだけ資本コストを上回る利益を生み出したかを表す指標」
→ これは「利益が資本コスト(株主が要求する最低限のリターン)をどれだけ上回るか」を表す考え方です。EVA(Economic Value Added:経済付加価値)や超過利潤の考え方に近く、ROEそのものの定義ではありません。 -
ウ: 「現在の株価が、前期実績又は今期予想の1株当たり利益の何倍かを表す指標」
→ これはPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)です。株価と1株当たり利益の比率であり、ROEとは全く別の指標です。 -
エ: 「自己資本に対して、どれだけの利益を生み出したかを表す指標」
→ これが ROE の定義にぴったり当てはまります。自己資本(株主資本)に対する利益の割合を示します。
よくある誤解
-
「ROEが高ければいつも良い」
→ 一時的な特別利益や自己資本を減らして借入を増やすことで ROE を一時的に高めることができます。持続的に高いROEか、どのように改善しているのかを確認する必要があります。 -
「ROAとROEを混同する」
→ ROA(総資産利益率)は資産全体に対する利益率、ROEは自己資本に対する利益率です。借入(負債)の影響で両者は大きく異なることがあります。
補足コラム
-
レバレッジ(財務レバレッジ)の影響:
自己資本が小さく、借入が多い会社は同じ利益でも ROE が高く出やすくなります(資本効率は高く見える)が、借入増は利払い負担と倒産リスクも高めます。ROEを見る際は負債比率や安定性も合わせて見ることが重要です。 -
実務上の注意点:
会計上は「当期純利益」や「自己資本」の定義に細かな違いがあり、比較する際は「平均自己資本(期首+期末の平均)」を使うことが多いです。また、親会社株主に帰属する当期純利益を用いる場合もあります。
FAQ
Q1. ROE と ROA の違いは何ですか?
A1. ROE は自己資本(株主の出資)に対する利益率、ROA は総資産(会社が持つ全ての資産)に対する利益率です。借入が多ければ ROE は上がりやすく、ROA は必ずしも変わらない点が違います。
A1. ROE は自己資本(株主の出資)に対する利益率、ROA は総資産(会社が持つ全ての資産)に対する利益率です。借入が多ければ ROE は上がりやすく、ROA は必ずしも変わらない点が違います。
Q2. 高い ROE は良い会社の証拠ですか?
A2. 高いことは資本効率が高い可能性を示しますが、借入で自己資本を薄めている場合や一時的な利益による場合は注意が必要です。利益の質や財務の健全性と合わせて評価します。
A2. 高いことは資本効率が高い可能性を示しますが、借入で自己資本を薄めている場合や一時的な利益による場合は注意が必要です。利益の質や財務の健全性と合わせて評価します。
Q3. ROE の目安はありますか?
A3. 業種や成長段階で異なります。一般に10%前後が一つの目安と言われますが、業界平均と比較するのが最も有効です。
A3. 業種や成長段階で異なります。一般に10%前後が一つの目安と言われますが、業界平均と比較するのが最も有効です。
Q4. 自己資本がマイナスの場合はどうなる?
A4. 自己資本がマイナスだと ROE は意味をなさないか、解釈が困難になります。この場合はまず財務健全性の確認が必要です。
A4. 自己資本がマイナスだと ROE は意味をなさないか、解釈が困難になります。この場合はまず財務健全性の確認が必要です。
関連キーワード: ROE、自己資本、ROA、PER、財務指標、資本効率

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