ITパスポート 2013年 秋期 問14
問題文
ビジネス戦略上の重要成功要因として“販売の機会損失の低減”が設定されたとき、この重要成功要因の達成度を評価するのに最も適切な指標はどれか。
選択肢
ア:売上債権回転期間
イ:売上高利益率
ウ:欠品率(正解)
エ:新規顧客獲得数
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販売の機会損失の低減を評価する指標はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問の目的は「販売の機会損失の低減」です。販売の機会損失とは、顧客が商品を買いたいのに在庫がなくて買えなかったことで発生する失われた売上や機会です。したがって、この達成度を直接測る指標は「欠品率(けっぴんりつ、stockout rate:在庫切れによって販売できなかった割合)」です。選択肢の中では ウ の欠品率が、目的に最も直接対応しています。
欠品率は、販売機会が失われた割合をそのまま表します。具体的には、欠品の発生回数や欠品によって売れなかった数量を、全注文や全需要と比較して示すため、”機会損失の大きさ”を定量的に評価できます。
解法ステップ
- 目的を明確にする:ここでは「販売の機会損失を低減」することが目的。
- 目的に直接結びつく指標を探す:「販売できなかった割合」「在庫切れによる損失」を示す指標を優先。
- 各選択肢の意味を短く確認する:
- その指標が「販売の機会損失」を直接測るかどうかを判定。
- 直接測るものを選ぶ:在庫切れを評価する指標(欠品率)を選定。
この手順で考えれば、間接的な財務指標や顧客獲得指標より、在庫切れを直接表す欠品率が適切であると判断できます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 売上債権回転期間(うりあげさいけんかいてんきかん、accounts receivable turnover period:売掛金が回収されるまでの平均日数)
- 意味:売掛金が現金化されるスピードを示す財務指標です。資金繰りや回収効率の評価には有用ですが、在庫切れや販売の機会損失の評価には直接関係しません。
- イ: 売上高利益率(うりあげだかりえきりつ、profit margin:売上に対する利益の割合)
- 意味:売上に対してどれだけ利益が残るかを示す割合です。価格設定やコスト管理の評価には使えますが、在庫がなくて売れない問題を直接示す指標ではありません。
- ウ: 欠品率(stockout rate:在庫切れによって販売できなかった割合)
- 意味:在庫不足で受注・販売できなかった割合を示す指標です。販売機会損失をそのまま測れるため、最も適切です。たとえば、欠品率 = 欠品件数 ÷ 総注文件数 × 100% などで表します。
- エ: 新規顧客獲得数(number of new customers)
- 意味:一定期間に獲得した新しい顧客の数です。市場拡大やマーケティング効果の評価には有効ですが、既存の販売機会が在庫不足で失われているかどうかは測れません。
よくある誤解
- 「売上が下がっている=機会損失が大きい」と考える誤解
- 売上低下は価格、需要変化、販促不足など多くの要因があるため、在庫不足(機会損失)とは別問題です。欠品率が高ければ売り逃しが明確ですが、売上だけでは原因が特定できません。
- 「利益率が高ければ問題ない」と思う誤解
- 利益率が良くても、欠品が頻発すると顧客満足や将来の売上に悪影響を与えます。利益率は収益性の指標であり、機会損失の直接指標ではありません。
- 「新規顧客が増えれば機会損失は減る」と考える誤解
- 新規顧客が増えても、在庫がないと売れません。むしろ欠品が多いと新規顧客を逃してしまいます。
補足コラム
- 欠品率の計算例:
- 欠品率(件数ベース) = 欠品件数 ÷ 総注文件数 × 100%
- 欠品率(数量ベース) = 欠品数量 ÷ 総需要数量 × 100%
どちらを使うかは業種や分析目的によります。ECサイトなら注文件数ベース、卸売なら数量ベースが使われることが多いです。
- 欠品率だけでなく組合せで見る:
- 欠品率は「結果」を示す指標(ラグ指標)です。これを低減するためには、在庫補充リードタイム(発注してから届くまでの時間)や安全在庫比率などの先行指標(リード指標)も併せて管理すると効果的です。
- 欠品ゼロは理想だがコストがかかる:
- 在庫を常に豊富に持てば欠品は減りますが、在庫を持つコスト(保管費、陳腐化リスク)は増えます。ビジネスでは欠品コストと在庫コストのバランスを取ることが重要です。
FAQ
Q1: 欠品率はどれくらいが良い数値ですか?
A1: 業種や商品特性によります。高回転の日用品なら非常に低い欠品率(数%未満)を目標にすることが多いです。一方、専門品や高額商品では多少の欠品を許容する場合もあります。重要なのは自社のコストと顧客満足のバランスを考えて目標を設定することです。
A1: 業種や商品特性によります。高回転の日用品なら非常に低い欠品率(数%未満)を目標にすることが多いです。一方、専門品や高額商品では多少の欠品を許容する場合もあります。重要なのは自社のコストと顧客満足のバランスを考えて目標を設定することです。
Q2: 欠品率が高い場合、まず何を改善すべきですか?
A2: 原因を特定します。発注サイクルが長いか、需要予測が甘いか、安全在庫が不足しているか、納品遅れがあるかなどを調べ、最も影響の大きい要因から改善します。
A2: 原因を特定します。発注サイクルが長いか、需要予測が甘いか、安全在庫が不足しているか、納品遅れがあるかなどを調べ、最も影響の大きい要因から改善します。
Q3: 欠品率と在庫回転率の違いは?
A3: 欠品率は「販売できなかった割合(機会損失)」を示します。在庫回転率は「在庫がどれだけ効率的に売れているか」を示す指標で、在庫の効率性を評価します。両方をセットで見るとバランスが取りやすくなります。
A3: 欠品率は「販売できなかった割合(機会損失)」を示します。在庫回転率は「在庫がどれだけ効率的に売れているか」を示す指標で、在庫の効率性を評価します。両方をセットで見るとバランスが取りやすくなります。
関連キーワード: KPI(主要業績評価指標)、欠品率、販売機会損失、在庫管理、在庫回転率、リードタイム、安全在庫、売上債権回転期間、売上高利益率、顧客満足度

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