ITパスポート 2013年 秋期 問52
問題文
図1のように稼働率0.9の装置Aを2台並列に接続し、稼働率0.8の装置Bをその後に直列に接続したシステムがある。このシステムを図2のように装置Aを1台にした場合、システムの稼働率は図1に比べて幾ら低下するか。ここで、図1の装置Aはどちらか一方が稼働していれば正常稼働とみなす。なお、稼働率は小数第3位を四捨五入した値とする。

選択肢
ア:0.07(正解)
イ:0.09
ウ:0.10
エ:0.45
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図1と図2の稼働率差【ITパスポート 解説】
正解の理由
稼働率(ある装置が正常に動作している確率)は確率のルールに従って計算します。図1では装置Aが2台並列(どちらか一方が動けばAの部分は正常)で、その後に装置Bが直列(AとBの両方が動く必要あり)です。並列のA部分の稼働率は「少なくとも1台が動く確率」で、(両方とも故障する確率)です。これを計算すると図1全体の稼働率は 、図2は となり、差は です。問題文の「小数第3位を四捨五入」に従って は小数第3位(千分位)の「2」を見て四捨五入され、 になります。したがって選択肢の ア(0.07)が正しいです。
解法ステップ
-
用語確認
- 稼働率:装置が正常に動作している確率。
- 並列接続:どれか1つでも動けばその部分は動作(冗長化)。
- 直列接続:すべてが動いて初めて全体が動作。
-
図1のA部分(2台並列)の稼働率を求める
- 1台の稼働率 。故障確率は 。
- 両方故障する確率は 。
- よって並列で少なくとも1台が動く確率は
。
-
図1全体(A並列 → B直列)の稼働率
- 直列は「両方が動く」必要があるので乘算:
。
- 直列は「両方が動く」必要があるので乘算:
-
図2全体(A1台 → B)の稼働率
- 。
-
差分と四捨五入
- 差 = 。
- 小数第3位(千分位)の「2」を見て四捨五入 → 。
以上より、選択肢の ア(0.07)が答えです。
選択肢別の誤答解説
-
ア 0.07
正解。上の手順どおり計算すると差は で四捨五入して になるため妥当です。 -
イ 0.09
多くの人がやる誤り:A部分の並列化による改善幅 をそのまま答えだと誤解したケース。並列化による差はA部分だけで見ると0.09ですが、Bが直列にあるため全体差はBの影響(乗算)で小さくなり になります。 -
ウ 0.10
典型的な誤り:並列の計算を単純に足し算(0.9+0.9=1.8 など)や別の誤った丸めで出した値。どのようにしても正しい計算からは出ません。 -
エ 0.45
明らかに大きすぎる誤答。例えば「直列/並列を入れ替えて計算した」か「故障率(0.1, 0.2)を誤って足した」など、確率の乗算・補集合の理解不足に由来します。
よくある誤解
-
並列は単純に確率を足すと考える
- 並列の正しい式は 。単純加算(例えば0.9+0.9)では確率として意味を成しません。
-
冗長化で増える分はそのままシステム全体の差になると思う
- 並列化でA部分が改善しても、その後に直列で依存する装置(ここではB)があれば、改善分はその後の装置の稼働率で割り引かれます。今回ならAの改善0.09がBの0.8で抑えられて0.072になります。
補足コラム
- 一般式(同じ稼働率 の装置を 台並列)
が並列全体の稼働率です。増やせば信頼度は上がりますが、増分は次第に小さくなります(漸減する効果)。 - 直列接続は全ての装置が動作する必要があるため、全体稼働率は各装置の稼働率の積になります。
- 実務的に見ると、冗長化(並列)はコストや複雑さを増すので、どこに冗長化を置くか(下流の装置の信頼度も考慮)は重要です。今回の例はその典型です。
FAQ
Q1: なぜ並列のとき「1−(1−p)^2」を使うのですか?
A1: 並列で「少なくとも1つが動く」確率は、「両方が故障する確率」の補集合です。両方故障する確率は 。なので全体は になります。
A1: 並列で「少なくとも1つが動く」確率は、「両方が故障する確率」の補集合です。両方故障する確率は 。なので全体は になります。
Q2: 直列のシステムで確率を掛ける理由は?
A2: 直列はすべての装置が正常であることが必要です。独立な事象AとBが同時に起きる確率は だからです(ここでは「正常に動く」という事象を使っています)。
A2: 直列はすべての装置が正常であることが必要です。独立な事象AとBが同時に起きる確率は だからです(ここでは「正常に動く」という事象を使っています)。
Q3: 問題の「小数第3位を四捨五入」はどう適用する?
A3: 今回は差が 。小数第3位(千分位)の数字は「2」なので四捨五入で切り捨てられ、0.07になります。
A3: 今回は差が 。小数第3位(千分位)の数字は「2」なので四捨五入で切り捨てられ、0.07になります。
関連キーワード: 稼働率、並列接続、直列接続、系統信頼度、冗長化、信頼性設計

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