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ITパスポート 2013年 春期 07


問題文

ある部品の生産ラインは二つの工程A、Bの順で構成されており、各工程の機械台数、部品1個の生産に要する作業時間、不良率は表のとおりである。1日の稼働時間を10時間とするとき、この生産ラインの1日の生産能力(良品が生産される数)は何個か。ここで、工程Aでの不良品は工程Bには送らないものとする。また、機械の故障時間や段取り時間、工程間の仕掛品在庫は考えないものとし、仕掛中のものは終了時間が来ても最後まで仕上げるものとする。
ITパスポート 2013年 春期  問07の問題画像

選択肢

171(正解)
180
200
257

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生産ラインの1日生産能力(不良率考慮)【ITパスポート 解説】

正解の理由

この問題では工程A→工程Bの順で部品が流れます。工程Aで不良になったものは工程Bへ送らないと明記されています。したがって、まず工程Aが何個まで処理できるかを求め、そのうちの良品だけが工程Bへ送られます。工程Bは受け取った個数のうちさらに不良率分だけ減ります。これらの計算を行うと、最終的に良品として1日に得られる数は171個になります。選択肢の中では がこの計算結果に一致するため正解です。
(重要用語)不良率:製品のうち良品でない割合。例えば5%の不良率なら、100個中5個が不良という意味です。

解法ステップ

  1. 1日の稼働時間を分に直す:10時間 = 600分。
  2. 各工程の1台あたりの処理能力(開始できる個数)を求める。
    • 工程A:600分 ÷ 3分/個 = 200個(Aが1台なのでそのまま200個)
    • 工程B:600分 ÷ 2分/個 = 300個(Bが1台なので300個)
  3. 工程Aで生産されたうち良品になる個数を求める。
    • Aの良品数 = 200個 × (1 − 0.05) = 200 × 0.95 = 190個 (工程Aの不良品はBに送らないため、Bへ入るのは190個)
  4. 工程Bで仕上がる良品数を求める。
    • Bは受け取った190個を処理し、その中で不良率10%が出るので、 最終良品数 = 190 × (1 − 0.10) = 190 × 0.90 = 171個
  5. よって1日の良品数は171個 →
数式(簡潔に):
  • A開始数 =
  • A良品 =
  • 最終良品 =
(補足)今回は処理時間が割り切れて整数になるため端数処理を考える必要はありません。

選択肢別の誤答解説

  • (171)
    正しく上の手順どおり計算した結果です。工程順序と不良品の扱い(Aで不良ならBへ送らない)を正しく反映しています。
  • イ(180)
    よくある間違い:工程Aでの不良を無視して、Aが200個処理したものに対して工程Bだけ不良率10%を掛けてしまう計算です。つまり200 × (1 − 0.10) = 180。これは「Aの不良を考慮しない」誤りで、条件に反します。
  • ウ(200)
    よくある間違い:不良率を全く考えず、工程Aの処理能力200個だけを答えにしてしまうミスです(あるいは「Bは余裕があるからAの出力=最終」だと誤認)。不良率を反映していないため誤りです。
  • エ(257)
    起こりやすい誤りの一つ:工程Bの処理能力300個に対して両工程の良率を掛けてしまう計算(300 × 0.95 × 0.90 ≒ 256.5 → 四捨五入で257)。この計算は「Bが300個処理できることを前提に、AとBの不良率を掛けている」ため生産の流れ(Aの良品しかBへ行かない)を正しく扱っていません。実際はBが処理する個数はAの良品190個に制約されます。

よくある誤解

  1. 「不良率は最後にまとめて掛ければ良い」と考える誤解
    → 流れが直列の場合、前工程で減った数量しか次工程へ行かない点を忘れがちです。上流の不良は下流の入力を減らします。
  2. 「ボトルネックは常に処理時間が長い工程だけ」と考える誤解
    → 単純な処理時間だけでなく機械台数や不良による減少も考慮する必要があります。ここではAの理論処理数200個が最初の制約になり、良品数で見るとBの不良でさらに減ります。
  3. 端数処理や「仕掛中のものは終了する」ルールの誤解
    → 本問では時間が割り切れて整数結果になりますが、一般に「終了時間を超えても仕掛品は最後まで仕上げる」とある場合、開始可能数の扱いに注意します(問題文の条件をよく読むこと)。

補足コラム

  • ボトルネック(工程の制約)とは:生産ライン全体のスループット(単位時間あたりの完成品数)は、各工程の処理能力と良品率で決まります。上流で減った製品は下流に届かないため、上流の能力と良品率が重要になります。
  • 一般式(本ケースのような直列2工程、上流で不良は除去される場合):
    • A開始数 = (稼働時間分) ÷ (作業時間/個) × 機械台数
    • A良品 = A開始数 × (1 − 不良率A)
    • 最終良品 = min(A良品, B処理能力) × (1 − 不良率B)
簡単な計算スクリプト例(考え方の確認用):
work_min = 10 * 60  # 600分
A_count = work_min // 3  # 200
B_capacity = work_min // 2  # 300
A_good = A_count * (1 - 0.05)  # 190.0
final_good = min(A_good, B_capacity) * (1 - 0.10)  # 171.0
print(int(final_good))  # 171

FAQ

Q. 「仕掛中のものは終了時間が来ても最後まで仕上げる」とはどういう意味ですか?
A. 稼働終了時刻になっても、その時点で機械が加工を始めている品物は最後まで仕上げる、という意味です。本問は処理時間がちょうど割り切れているため影響はありませんが、端数が出る場合は問題文の条件に従って開始可能数の扱いを確認してください。
Q. 不良率は各工程での割合で、検査のタイミングによって結果は変わりますか?
A. はい。上流工程で不良が見つかれば下流へ送られません。検査や不良の発見タイミングにより流れる数量が変わるため、問題文の条件に従って計算します。
Q. 複数台ある場合の考え方は?
A. 各工程について「1台あたりの処理数 × 台数」を計算して、上の手順と同じように良品率を適用します。


関連キーワード: 生産ライン、スループット、ボトルネック、不良率、稼働時間、工程能力
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