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ITパスポート 2013年 春期 14


問題文

総合的品質管理(TQM又はTQC)の重要な手法の一つである方針管理の説明として、適切なものはどれか。

選択肢

企業戦略の遂行状況を測定するために、財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の四つの視点から指標を設定し、目標を管理していく活動
業務改善のための課題を洗い出し、既にその課題に取り組んでいる最良の他社から学んで、自社に適用する活動
経営トップの目標を事業部、部、課などの目標に順次展開し、それを実施計画につなげて目標達成のために継続的な改善を進めていく活動(正解)
現場で発生している問題を解決するために、関連する職場の人々がチームを作り、計画を立てて改善を進めていく活動

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総合的品質管理(TQM又はTQC)の重要な手法の一つである方針管理の説明として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢は「経営トップの目標を事業部や部、課へ順次展開し、実施計画につなげて継続的に改善していく活動」と説明しています。これは「方針管理(ほうしんかんり)」、英語で Hoshin Kanri(Policy Deployment:方針の展開)をそのまま表した内容です。方針管理は経営の方針や目標を組織の末端まで落とし込み、具体的な計画と責任を定めてPDCA(Plan-Do-Check-Act:計画・実行・確認・改善)で回しながら達成を目指す手法です。したがって、経営トップ→現場へ順次展開して継続的改善する、という記述が一致するため正解です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:ここでは「経営トップの目標を」「順次展開」「実施計画」「継続的な改善」が重要です。
  2. 各選択肢の代表的な手法名を思い出す:バランススコアカード、ベンチマーキング、方針管理、現場チーム活動(QCサークルなど)。
  3. キーワードと手法の特徴を照らし合わせて、最も合うものを選ぶ。
  4. 選択肢を一つずつ排除していく(下に具体例)。
短時間で解くコツ:選択肢の「固有名詞的な特徴」(例:4つの視点=バランススコアカード)や「トップダウン/ボトムアップ」などの方向性に注目すると早く判断できます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「企業戦略の遂行状況を測定するために、財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の四つの視点から指標を設定し、目標を管理していく活動」
    • これはバランススコアカード(Balanced Scorecard:戦略を測る指標セット)です。バランススコアカードは戦略の評価・管理に有用ですが、方針管理(方針の展開と組織横断的な落とし込み)を直接説明するものではありません。よって不適切です。
  • イ: 「業務改善のための課題を洗い出し、既にその課題に取り組んでいる最良の他社から学んで、自社に適用する活動」
    • これはベンチマーキング(Benchmarking:他社の優れたやり方を測り、自社に取り入れる手法)です。方針の展開やトップからの落とし込みを示していないため誤りです。
  • ウ: 「経営トップの目標を事業部、部、課などの目標に順次展開し、それを実施計画につなげて目標達成のために継続的な改善を進めていく活動」
    • これは方針管理(Hoshin Kanri:Policy Deployment)そのものです。目標の展開(トップダウン)と継続的改善(PDCA)を明確に述べています。
  • エ: 「現場で発生している問題を解決するために、関連する職場の人々がチームを作り、計画を立てて改善を進めていく活動」
    • これはQCサークル(QCサークル=品質管理サークル)や一般的な現場改善活動の説明です。現場主体の問題解決であり、トップからの方針展開とは性格が異なります。

よくある誤解

  • 誤解1:方針管理は「完全なトップダウン」だと思う。
    • 実際はトップが方針を示しますが、現場との「キャッチボール(討議・すり合わせ)」を行い、現場の実行可能性を反映して落とし込みます。単なる押し付けではありません。
  • 誤解2:バランススコアカードも方針管理と同じだと思う。
    • 両者は関連しますが役割が違います。バランススコアカードは戦略の「測定・評価」の仕組み、方針管理は「目標を組織に展開して実行する仕組み」です。
  • 誤解3:現場の改善活動(QCサークル)=方針管理、と思う。
    • QCサークルは現場主体の問題解決手法で、方針管理は組織横断で目標を展開する管理手法です。連携はしますが同じものではありません。

補足コラム

方針管理(方針展開、Hoshin Kanri)の代表的な流れは次のようになります。覚え方のコツは「トップの方針→年次目標→部課の目標→実行計画→フォロー(PDCA)」です。
  1. 長期ビジョンや経営方針を決める(トップ)
  2. ブレイクスルー目標や年次目標を設定する
  3. 各部門へ展開し、具体的な数値目標と担当を決める(キャッチボールで調整)
  4. 実施計画を作り、実行する(Do)
  5. 定期的にチェックし、必要なら改善する(Check → Act)
ポイント:方針管理は「戦略と現場の橋渡し」をする仕組みです。MBO(Management by Objectives:目標管理)と似た要素もありますが、方針管理は組織全体を整合させる点がより強いです。
記憶の一手:方針=コンパス(方向)、管理=実行までつなげる、というイメージを持つと覚えやすいです。

FAQ

Q1: 方針管理は中長期の戦略だけに使うのですか?
A1: 中長期の方針を出発点にすることが多いですが、年次目標や短期の実施計画にも落とし込みます。長期と短期をつなぐ仕組みです。
Q2: 「キャッチボール」って何ですか?
A2: トップが一方的に指示を下すのではなく、部門と意見交換して実行可能な目標に調整する対話のことです。実務でのすり合わせを指します。
Q3: 試験で見分けるコツは?
A3: 「順次展開」「経営トップの目標」「実施計画に落とし込む」「継続的改善」といった語句があれば方針管理()を疑ってください。

関連キーワード: 方針管理、方針展開、ホウシンカンリ、Hoshin Kanri、PDCA(Plan-Do-Check-Act)、バランススコアカード、ベンチマーキング、QCサークル、品質管理、目標管理
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