ITパスポート 2013年 春期 問36
問題文
プロジェクトの参加メンバが、それぞれ1対1で情報の伝達を行う必要がある。このとき、プロジェクトの参加メンバ数と情報の伝達を行うために必要な経路の数との関係に関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:参加メンバが1人増えた場合の経路の数の増分は、元の参加メンバが多いほど大きくなる。(正解)
イ:参加メンバが1人増えると経路の数は必ず一つ増加する。
ウ:参加メンバ数と経路の数の関係はで表される。
エ:参加メンバ数と経路の数の関係はで表される。
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参加メンバと情報伝達経路の関係【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロジェクトの参加メンバがそれぞれ1対1で情報をやり取りする「経路」は、参加メンバの組み合わせ(ペア)を数えればよいです。参加メンバ数を とすると、ペアは「2人を選ぶ組合せ」なので、経路の数は
と表せます。ここから、参加メンバが1人増えたときの経路の増分は
つまり「元の参加メンバの数 」だけ増えます。元の参加メンバが多いほど増分は大きくなるので、アの記述が適切です。
(補足:この考え方は「握手の問題」や「完全グラフ K_x の辺の数」と同じです。)
解法ステップ
- 問題の意味を整理する:1対1の情報伝達は「2人1組のペア」を数えること。
- 組合せの考え方を使う: 人から 2 人を選ぶパターン数は 。
- 組合せを式にすると 。
- 増分を見る:1人増やしたときの差を計算して であることを確認する。
- 以上より、「増分は元の参加メンバが多いほど大きくなる」という ア が正しい。
簡単な数値例:
- のとき (AB, AC, BC)
- のとき 増分は で、元の人数 と一致します。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。増分が元の参加メンバの数 に等しいため、元の人数が多いほど増分も大きくなる。
- イ: 誤り。参加メンバが1人増えても経路が必ず1つ増えるわけではなく、増える経路数は元の人数 (例:3→4 のときは3つ増える)。
- ウ: 誤り。(階乗)は「 人を並べる順列の数」であり、全員を並べる順序を数える値。1対1の経路数とは関係がない。
- エ: 誤り。 は「自己を含む順序付きのペア(自分→自分を含む)」の数に近い値ですが、今回の問題(順序を区別せず、自分自身とのやり取りは含めない)とは合致しない。正しくは 。
よくある誤解
- 「順序を区別する(A→B と B→A を別とする)場合」と混同する
- 順序を区別するなら経路数は になります( と を別とする)。今回の問題は通常「1対1のつながり」を問うので順序を区別しません。
- 「階乗()を使えばよい」と考える
- 階乗は「並べ方」の数で、ペアの数を求めるのには使わない。用途が違います。
- 「自分と自分のやり取り(自己ループ)を含める」と誤って数える
- 自己ループを含めると に近い値になるが、通常の1対1の情報伝達では自分→自分は考慮しません。
補足コラム
- 覚え方のコツ:新しく来た1人は「既にいる全員」全員と1対1でつながる必要があるので、増分は「既にいる人数」になる、とイメージすると分かりやすいです。つまり、0+1+2+...+(x-1) の和が (三角数)。
- グラフ理論の言葉で言えば、参加者を頂点とする完全グラフ K_x の辺の数が です。
- 順序を区別する(向きのある通信を別とする)場合:。電話の呼び出し元・先を区別する場面など。
コードで確認(参考)
def paths(x):
return x*(x-1)//2
for x in range(1,6):
print(x, paths(x))
# 出力: 1 0, 2 1, 3 3, 4 6, 5 10
FAQ
Q1. 参加メンバが1人の場合はどうなる?
A1. のときは経路は 0 です。1人では1対1の相手がいないためです。
A1. のときは経路は 0 です。1人では1対1の相手がいないためです。
Q2. 順序を区別するかどうかは問題文でどう判断すればよい?
A2. 「情報の伝達を行うために必要な経路」が「誰と誰がつながればよいか(1対1の関係)」を問う場合は順序を区別しません。向き(送る/受け取る)を明示する場合は区別します。設問文の日本語をよく読みましょう。
A2. 「情報の伝達を行うために必要な経路」が「誰と誰がつながればよいか(1対1の関係)」を問う場合は順序を区別しません。向き(送る/受け取る)を明示する場合は区別します。設問文の日本語をよく読みましょう。
Q3. 覚えやすい公式は?
A3. 経路数 は と覚えればよいです。増分は 。
A3. 経路数 は と覚えればよいです。増分は 。
関連キーワード: 組合せ、二項係数、三角数、完全グラフ、増分解析、握手の問題

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