ITパスポート 2014年 秋期 問48
問題文
情報処理システムの処理方式を図のように分類したとき、水平負荷分散システムを説明したものはどれか。

選択肢
ア:PCをクライアントとしてデータの入力と処理要求や結果の表示を行い、サーバ側でクライアントから要求されたデータの処理と結果の出力を行う方式
イ:業務データを処理するアプリケーションを実行するコンピュータとは別に、プリントサーバ、メールサーバなど専用のコンピュータを設ける方式
ウ:支店ごとに設置したコンピュータで支店内の売上データを処理し、本社のコンピュータが各支店で処理された売上データを集めて全体の売上データを処理する方式
エ:複数のコンピュータで同じアプリケーションを実行し、一つのコンピュータに処理が集中しないようにする方式(正解)
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情報処理システムの処理方式の分類で「水平負荷分散システム」を説明したものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢エは「複数のコンピュータで同じアプリケーションを実行し、一つのコンピュータに処理が集中しないようにする方式」とあります。これは「水平負荷分散(ロードバランシング)」の典型的な説明です。
- 水平(すいへい)とは「横に並べる」こと。複数の同等なコンピュータ(サーバ:サービスを提供するコンピュータ)を並べて同じ仕事をさせます。
- 負荷分散(ふかぶんさん)とは「処理の負担(アクセスや計算)を分ける」こと。専用の装置や仕組み(ロードバランサ:負荷を分散する装置やソフトウェア)で処理を割り振ります。
この組み合わせが、複数ノードで同一処理を分担して「一台に負荷が集中しない」ようにする、つまり水平負荷分散そのものです。したがって選択肢エが正解です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「同じアプリケーション」「一つのコンピュータに処理が集中しない」など。
- 用語を確認する:
- 「水平」=同じレベルで複数台並べる(スケールアウトとも言う)。
- 「負荷分散」=処理を複数台に分ける(ロードバランサを使うことが多い)。
- 各選択肢と照らし合わせ、キーワードに合うものを選ぶ。
- 選択肢がシステム分類(機能分散/負荷分散、水平/垂直)どちらに当たるかを判別して絞る。
上の手順で進めると、選択肢エが最も合致します。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「PCをクライアント(サービスを利用する側のコンピュータ)として入力と表示を行い、サーバ側で処理する方式」
- これはクライアント/サーバ方式、集中処理に近い説明です。処理を一か所(サーバ)に集めるイメージで、負荷分散の説明ではありません。よって誤り。
-
イ: 「業務データを処理するコンピュータとは別に、プリントサーバ、メールサーバなど専用のコンピュータを設ける方式」
- これは機能ごとに専用サーバを分ける「機能分散」です。機能ごとに役割を分けるので「水平負荷分散」ではなく、どちらかというと垂直機能分散や役割分離に該当します。よって誤り。
-
ウ: 「支店ごとに設置したコンピュータで支店内の売上を処理し、本社が集めて全体を処理する方式」
- これは処理を階層的に分ける方式で、支店⇄本社といった上下(垂直)の分散です。水平ではなく垂直分散(組織構造に沿った分散)に該当します。よって誤り。
よくある誤解
-
「複数台で処理する=水平分散」と安直に考える誤り
- 複数台でも「機能を分けている」のか「同じ処理を分けている」のかで分類が変わります。水平負荷分散は「同じ処理を分ける」場合です。
-
「クライアント/サーバは必ず分散処理だ」と思う誤り
- クライアント/サーバは役割分担の概念であって、中央処理に近い場合もあります。負荷分散とは別の観点です。
-
「専用サーバを増やせば負荷分散になる」との誤解
- 専用サーバ(例:メール専用)は機能分散で、同一機能を複数台でさばぐ仕組み(水平負荷分散)とは異なります。
補足コラム
- 実例:Webサイトのアクセスが増えた場合、同じWebアプリを複数のサーバで動かし、ロードバランサがリクエストを振り分けます。これにより一台に負荷が集中せず、応答が安定します。
- 用語メモ:
- スケールアウト(scale-out):水平に台数を増やして性能を上げること。=水平拡張。
- スケールアップ(scale-up):一台の性能を上げること(CPU・メモリ増強)。=垂直拡張。
- クラウド環境では自動で水平負荷分散・自動スケール(需要に応じて台数を増減)を行う機能が一般的です。
FAQ
Q1: 水平負荷分散と水平機能分散の見分け方は?
A1: 同じ機能・同じアプリケーションを並列で実行して負荷を分けるなら「水平負荷分散」。異なる機能を別のサーバに割り当てるなら「機能分散」です。
A1: 同じ機能・同じアプリケーションを並列で実行して負荷を分けるなら「水平負荷分散」。異なる機能を別のサーバに割り当てるなら「機能分散」です。
Q2: ロードバランサは必須ですか?
A2: 必須ではありませんが一般的です。ロードバランサがないとリクエストの振り分けや障害時の切替が難しくなります。DNSのラウンドロビン等で簡単に実現する方法もあります。
A2: 必須ではありませんが一般的です。ロードバランサがないとリクエストの振り分けや障害時の切替が難しくなります。DNSのラウンドロビン等で簡単に実現する方法もあります。
Q3: 垂直負荷分散って何ですか?
A3: 「垂直」の負荷分散は、処理を階層構造(例:フロントエンド→アプリ→DB)で分け、各層の負荷を調整する考え方です。水平とは分割の方向が違います。
A3: 「垂直」の負荷分散は、処理を階層構造(例:フロントエンド→アプリ→DB)で分け、各層の負荷を調整する考え方です。水平とは分割の方向が違います。
関連キーワード: 水平分散, 負荷分散, ロードバランサ, スケールアウト, スケールアップ, クライアントサーバ, 機能分散, 垂直分散, クラスタ, 可用性, スケーラビリティ, 負荷分散アルゴリズム

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