ITパスポート 2014年 春期 問28
問題文
コンカレントエンジニアリングの目的として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:開発期間の短縮(正解)
イ:開発する製品の性能向上
ウ:開発する製品の品質向上
エ:生産工程の歩留り率向上
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コンカレントエンジニアリングの目的【ITパスポート 解説】
正解の理由
コンカレントエンジニアリング(concurrent engineering:同時並行開発)は、設計・製造・調達・品質管理など開発の各工程を「同時に」進める手法です。工程を並行させることで情報のやり取りを早く行い、開発全体にかかる時間を短縮することが最大の目的になります。したがって選択肢の中では ア(開発期間の短縮)が最も適切です。
ポイント:
- 開発工程を直列(順番に一つずつ)で進めると、後工程で問題が見つかった際に前工程に戻る時間が大きくなります。
- 並行して作業することで、早い段階で問題を発見・解決でき、全体のリードタイム(着手から完成までの時間)を短くできます。
解法ステップ
- 用語の確認:コンカレントエンジニアリング=同時並行で進める開発手法。
- 目的を問う問題なので「何を最も達成したいか」を考える。
- 並行することで得られる効果を列挙する(時間短縮、コスト削減の可能性、コミュニケーション増加など)。
- 選択肢と照らし合わせ、最も直接的な目的を選ぶ(時間短縮 → ア)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 開発期間の短縮
並行開発の核心的な目的です。複数工程を重ねることで総工数は増えてもリードタイムは短くなります。したがって正解です。 -
イ: 開発する製品の性能向上
並行開発は性能改善につながることもあります(設計と製造が早期に連携すれば性能面の調整ができるため)が、これは副次的効果であり主要目的ではありません。性能向上を第一目的にする手法とは言えません。 -
ウ: 開発する製品の品質向上
品質改善も期待できますが、コンカレントエンジニアリングの直接目的は「時間短縮」です。品質向上が目的の場合は、品質管理手法(例:品質工学、FMEAなど)が主要な手段になります。 -
エ: 生産工程の歩留り率向上
歩留り率(ぶどまりりつ=製造で良品が得られる割合)は生産工程の改善で向上します。並行開発は製造へのフィードバックを早めるため歩留り改善に寄与することはありますが、これも主要目的ではありません。
よくある誤解
-
「並行にすれば必ず品質も上がる」
→ 並行化で早期検出は期待できますが、品質向上には意図的な品質対策が必要です。並行化だけで品質が保証されるわけではありません。 -
「同時進行はコストを必ず下げる」
→ 初期段階での調整や会議などで短期的にはコスト増になることがあります。総合的に時間短縮や市場投入の早さで利益を得るのが狙いです。 -
「ただ並行すればよい」
→ 並行化には適切な情報共有手段(CAD、PLMなど)とチーム間の協力が不可欠です。仕組みがないと混乱を招きます。
補足コラム
- 用語の補足
- CAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計): 設計図や3Dモデルを作るソフトです。早い段階で設計情報を共有できます。
- PLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクル管理): 設計から廃棄まで製品情報を管理する仕組みです。並行開発での情報整合性を保ちます。
- 身近な例え
家を建てるとき、通常は「設計→許可→基礎→建て方→内装」と順番に進みます(直列)。コンカレントエンジニアリングは、設計段階で構造担当と内装担当と電気担当が同時に打ち合わせを始め、早めに問題点を潰しておくイメージです。結果として着工から引き渡しまでの期間が短くなります。 - 導入の条件
成功には「早いコミュニケーション」「責任の明確化」「適切なツール(共有設計データ、会議体)」が必要です。
FAQ
Q1. コンカレントエンジニアリングはソフトウェア開発にも使えますか?
A1. はい。ソフトウェアでも要件定義・設計・テストを並行する形で進める場合があり、アジャイル開発とも親和性があります。目的はやはりリードタイム短縮です。
A1. はい。ソフトウェアでも要件定義・設計・テストを並行する形で進める場合があり、アジャイル開発とも親和性があります。目的はやはりリードタイム短縮です。
Q2. 並行化でミスが増えませんか?
A2. 情報共有が不十分だとミスは増えます。だからこそ並行化には共有ツールや会議での調整が重要になります。
A2. 情報共有が不十分だとミスは増えます。だからこそ並行化には共有ツールや会議での調整が重要になります。
Q3. コンカレントエンジニアリングとリーン(無駄をなくす手法)は両立しますか?
A3. 両立します。無駄をなくしつつ工程を重ねることで、より早く価値を出すことが狙いです。
A3. 両立します。無駄をなくしつつ工程を重ねることで、より早く価値を出すことが狙いです。
関連キーワード: コンカレントエンジニアリング、同時並行開発、製品開発、タイム・トゥ・マーケット、クロスファンクショナルチーム、CAD(Computer-Aided Design)、PLM(Product Lifecycle Management)

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