ITパスポート 2014年 春期 問46
問題文
プロジェクトマネジメントでは、コスト、時間、品質などをマネジメントすることが求められる。プロジェクトマネジメントに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:コスト、時間、品質は制約条件によって優先順位が異なるので、バランスをとる必要がある。(正解)
イ:コスト、時間、品質はそれぞれ独立しているので、バランスをとる必要はない。
ウ:コストと品質は正比例するので、どちらか一方に注目してマネジメントすればよい。
エ:コストと時間は反比例するので、どちらか一方に注目してマネジメントすればよい。
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プロジェクトマネジメントにおけるコスト・時間・品質の関係【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロジェクトマネジメント(プロジェクトを計画・実行して目的を達成する管理作業)では、コスト(費用)、時間(納期やスケジュール)、品質(出来上がりの良さや要求を満たす度合い)は互いに影響し合います。これらは「制約条件(プロジェクトが守るべき限界)」となり、一方を変えると他方に影響が出ることが多いため、バランスを取る必要があります。したがって選択肢のうち、バランスをとる必要があるとする ア が適切です。
短い例:
- 納期を短くすると(時間を優先)→ 人員を増やす必要がありコストが上がる、または急いで品質が低下することがある。
- 予算を減らすと(コストを優先)→ 人手や材料が減り、時間が延びたり品質が落ちたりする可能性がある。
以上の理由から、コスト・時間・品質はトレードオフ(交換関係)を意識して調整する必要があります。
解法ステップ
- 問題文で挙げられている要素(コスト、時間、品質)がどう扱われるかを確認する。
- 自分の知識で「プロジェクトにおける代表的な考え方(トリプルコンストレイン=三つの制約)」を思い出す。
- 各選択肢をその考え方に当てはめる:
- 独立している(相互に無関係)とする主張は現実と矛盾する。
- 完全な比例・反比例という単純な関係にする主張は現場経験と合わない。
- バランス(トレードオフ)が必要と述べている選択肢、つまり ア を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 正しい。コスト、時間、品質は互いに影響する「制約条件」として扱い、優先順位や状況によってバランス(トレードオフ)を取る必要があるとする点が適切です。
-
イ: 誤り。コスト・時間・品質が独立しているとすれば、ある項目の改善が他に影響しないことになります。しかし実務では、例えば納期を短くすると人員を増やすか品質を下げるなどの影響が出るため独立とは言えません。
-
ウ: 誤り。コストと品質が常に正比例(コストが上がれば品質も上がる)するとは限りません。効率化や技術投入でコストを抑えつつ品質を向上させることも可能ですし、逆に高コストでも管理が悪ければ品質が低い場合もあります。単純な正比例は成り立ちません。
-
エ: 誤り。コストと時間が常に反比例(時間を短くするとコストが必ず増える)するとも限りません。スコープ(作業範囲)を減らすなどで時間短縮とコスト削減が同時に実現する場合もあります。状況次第で関係は変わるため、単純な反比例は不適切です。
よくある誤解
-
「時間を短くすれば必ずコストが増える」と思う誤解
- 多くの場合は時間短縮がコスト増につながりますが、作業の無駄を省く改善や自動化で時間もコストも減らせる場面もあります。原因・手段を考えることが大切です。
-
「品質はお金を出せば必ず上がる」と考える誤解
- 投資が品質向上に直結するとは限りません。方針の不一致や設計ミス、管理不足では高コストでも品質は保てません。正しい投資先を見極める必要があります。
-
「どれか一つだけを優先すればよい」とする単純化
- 利害関係者(発注者、利用者、開発側など)の期待を踏まえて優先度を決めますが、他の項目を完全に無視して良いわけではありません。リスク管理が重要です。
補足コラム
- トリプルコンストレイン(英語:Triple Constraint)は「コスト」「時間」「品質(あるいはスコープ=範囲)」の三要素が互いに影響し合うという考え方です。図としては三角形で表されることが多く、三辺のバランスがプロジェクトの成功を左右します。
- スコープ(範囲):プロジェクトで何を作るかという定義。スコープを変えると他の三要素にも影響します。
- 実務でよく使う手法:
- WBS(Work Breakdown Structure:作業分解図)— 大きな作業を小さく分けて管理しやすくする手法。
- ガントチャート — 作業の順序と期間を視覚化するスケジュール表。
- リスク管理 — どの要素がどう影響を受けるかを事前に考え、対応策を準備すること。
簡単な覚え方:三角形の3辺(コスト・時間・品質)を「つねに見ておく」。一辺を動かすと他が動くイメージです。
FAQ
Q1: 「時間を短縮すれば必ず品質が落ちますか?」
A1: 必ずではありません。効率化や工程の改善、外部委託の活用で時間短縮と品質維持(あるいは向上)ができる場合もあります。ただし、急いで手を抜くと品質低下のリスクが高まるため注意が必要です。
A1: 必ずではありません。効率化や工程の改善、外部委託の活用で時間短縮と品質維持(あるいは向上)ができる場合もあります。ただし、急いで手を抜くと品質低下のリスクが高まるため注意が必要です。
Q2: 「コストと品質どちらを優先すべきですか?」
A2: プロジェクトごとに利害関係者(顧客や上司)の優先度を確認して決めます。たとえば法令遵守が重要な案件では品質優先、短期的なテスト導入では時間優先になることがあります。
A2: プロジェクトごとに利害関係者(顧客や上司)の優先度を確認して決めます。たとえば法令遵守が重要な案件では品質優先、短期的なテスト導入では時間優先になることがあります。
Q3: 「現場で最初に何を決めればよいですか?」
A3: スコープ(何を作るか)と主要な優先順位(誰が何を一番重視するか)を早めに合意することです。これがブレないとバランス調整がしやすくなります。
A3: スコープ(何を作るか)と主要な優先順位(誰が何を一番重視するか)を早めに合意することです。これがブレないとバランス調整がしやすくなります。
関連キーワード: プロジェクトマネジメント、トリプルコンストレイン、コスト管理、スケジュール管理、品質管理、スコープ管理、トレードオフ、WBS、ガントチャート、リスク管理

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