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ITパスポート 2014年 春期 66


問題文

データを暗号化することによって防ぐことのできる脅威はどれか。

選択肢

誤操作によるデータの削除
ソーシャルエンジニアリング
通信内容の盗聴(正解)
データが保管されるサーバへのDoS攻撃

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データを暗号化することによって防ぐことのできる脅威はどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

暗号化(encryption:データを第三者に読めない形に変える処理)は、通信や保存中のデータの「内容を知られないようにする」対策です。通信を傍受しても、暗号化されていれば中身は復号(元に戻す)するための鍵がなければ読めません。したがって「通信内容の盗聴」を防げます。選択肢のうち (通信内容の盗聴)が暗号化によって直接防げる脅威です。
補足で用語説明:
  • TLS(Transport Layer Security:通信を暗号化する仕組み)はウェブやメールの通信を保護します。
  • AES(Advanced Encryption Standard:よく使われる共通鍵暗号)は高速に暗号化・復号する方式です。
  • 公開鍵暗号(public-key cryptography:送受信に使う鍵を安全にやり取りする方式)も説明の一部として使われます。
  • 盗聴(eavesdropping):通信の中身を第三者がこっそり見ること。

解法ステップ

  1. 各選択肢が「どんな脅威」かを短く理解する。
    • ア:誤操作で削除される(人や操作ミスによる問題)
    • イ:ソーシャルエンジニアリング(social engineering:人の心理をついて情報を引き出す手口)
    • ウ:通信の盗聴(ネット上のデータを傍受して見ること)
    • エ:DoS(Denial of Service:サービス妨害攻撃)でサーバが使えなくなる
  2. 「暗号化が何を守るか」を確認する。暗号化は主に「機密性(Confidentiality:内容を見られないこと)」を守る。
  3. 各脅威が「機密性」「完全性」「可用性」のどれに関わるかを対応させる。
    • 暗号化は機密性に有効 → 通信の盗聴に有効(
    • 誤操作やDoSは可用性や操作ミスの問題 → 暗号化では防げない
    • ソーシャルエンジニアリングは人をだます手口 → 暗号化では防げない
  4. よって正しい答えは

選択肢別の誤答解説

  • ア: 誤操作によるデータの削除
    暗号化はデータの「中身を読めない」ようにしますが、削除(消してしまうこと)を防ぐ機能はありません。削除対策はバックアップ、アクセス権管理、操作ログや確認の仕組みが必要です。
  • イ: ソーシャルエンジニアリング
    これは人の心理を利用してパスワードなどをだまし取る攻撃です。暗号化は通信の中身を守りますが、人が直接パスワードを教えてしまえば暗号化していても意味がありません。ユーザー教育や多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)などが有効です。
  • ウ: 通信内容の盗聴
    暗号化は通信の盗聴に有効です。たとえばHTTPS(ウェブの通信をTLSで暗号化)なら、途中で傍受されても中身は読めません。したがって が正解です。
  • エ: データが保管されるサーバへのDoS攻撃
    DoS(Denial of Service:サービス妨害攻撃)はサーバを過負荷にしてサービスを止める攻撃です。暗号化はデータの可視性に関する対策であり、サービス停止を防ぐものではありません。対策は負荷分散やトラフィック制御、DDoS対策サービス等です。

よくある誤解

  1. 「暗号化すればすべて安全になる」
    暗号化は機密性(内容を見られないこと)を高めますが、可用性(使えること)や人のミスには無力です。削除やDoS、端末のウイルスなどは別の対策が必要です。
  2. 「暗号化していればフィッシングや詐欺も防げる」
    フィッシングはユーザーを騙してID・パスワードを入力させる手口です。暗号化は通信路を保護しても、ユーザーが正しい情報を渡してしまえば意味がありません。教育や認証強化が重要です。
  3. 「HTTPSなら全部安全」
    HTTPS(TLS)は通信の途中の盗聴を防ぎますが、通信の両端(自分のPCや相手のサーバ)が既に侵害されていれば情報は盗まれます。端末のセキュリティ対策も必要です。

補足コラム

  • 機密性・完全性・可用性(CIAトライアド)
    セキュリティの基本は「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity:改ざんされていないこと)」「可用性(Availability:使えること)」の3つです。暗号化は主に機密性を守りますが、完全性(署名やMAC)や可用性(バックアップ、冗長構成)は別手段で守ります。
  • 通信の暗号化の具体例
    • TLS:ウェブやメールの通信を暗号化する仕組み。ブラウザの「鍵マーク」が目印です。
    • VPN:仮想専用線で通信を暗号化して安全に接続します。
    • メッセージアプリのエンドツーエンド暗号化:送信者〜受信者の間でだけ復号できる方式で、中継サーバも内容を見られません。
  • キー管理の重要性
    暗号化は鍵が安全に管理されてこそ意味を持ちます。鍵が漏れると暗号化の効果は失われます。

FAQ

Q. 暗号化とハッシュ(hash)はどう違いますか?
A. 暗号化は「鍵で復号できる」可逆的な処理です。ハッシュは元に戻せない一方通行の要約値で、パスワード照合などに使われます。
Q. 通信が暗号化されていても盗まれることはありますか?
A. 暗号化された通信そのものを盗まれても中身は読めませんが、端末のマルウェアや鍵の漏洩、正規のユーザーが情報を渡す場合は盗まれます。端末・鍵管理も重要です。
Q. DoS攻撃はどう防げばいいですか?
A. 暗号化で防げるわけではありません。負荷分散、トラフィックのレート制限、専門のDDoS対策サービス、冗長構成などが対策になります。

関連キーワード: 暗号化、盗聴、防御、TLS、AES、公開鍵暗号、鍵管理、機密性、可用性、完全性、ソーシャルエンジニアリング、DoS、誤操作、バックアップ
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