ITパスポート 2015年 秋期 問34
問題文
ITサービスマネジメントのリリース管理では、変更管理によって計画し、認可されたものを本番環境に実装する作業を行う。リリース管理に関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:変更に関係のある利用者、運用管理者などには、リリース完了後に情報を提供すればよい。
イ:リリース計画時には、計画した時間内に作業を完了できない場合も想定する。(正解)
ウ:リリース後は、新たな障害が発生する可能性はないので備えは不要である。
エ:リリースの規模にかかわらず、リリースは全ての利用者に対して同時に実施する。
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リリース管理に関する記述のうち適切なものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢の中で適切なのは、リスクを想定して計画する点を示す イ です。
リリース管理とは、開発した変更や機能を「本番環境(実際に利用者が使うシステム)」に安全に導入する一連の活動です。変更管理とは、その変更を計画し、承認(認可)するプロセスです。リリース計画時には、予定どおり作業が終わらないケース(例:作業が長引く、想定外の問題が起きる)をあらかじめ想定して対策(時間の余裕、ロールバック手順、影響範囲の縮小など)を準備する必要があります。したがって、想定外の遅延も考慮するという イ の考え方が正しいです。
リリース管理とは、開発した変更や機能を「本番環境(実際に利用者が使うシステム)」に安全に導入する一連の活動です。変更管理とは、その変更を計画し、承認(認可)するプロセスです。リリース計画時には、予定どおり作業が終わらないケース(例:作業が長引く、想定外の問題が起きる)をあらかじめ想定して対策(時間の余裕、ロールバック手順、影響範囲の縮小など)を準備する必要があります。したがって、想定外の遅延も考慮するという イ の考え方が正しいです。
解法ステップ
- 用語を確認する
- リリース管理:変更を本番環境に安全に導入する活動。
- 変更管理:変更を計画・レビュー・承認する仕組み。
- 各選択肢がリスク管理や運用の基本に合っているかを考える
- リリースはリスクを伴うため、事後情報提供だけでよいか、備えは不要か、全員同時に実施すべきか、といった極端な考えは非現実的。
- 最も妥当な対応(事前の想定と準備)を示す選択肢を選ぶ
- 事前に「完了できない場合」を想定する イ が適切。
選択肢別の誤答解説
- ア: 変更に関係のある利用者、運用管理者などには、リリース完了後に情報を提供すればよい。
誤りです。関係者への情報提供は事前通知(いつ影響が出るか、影響範囲、対応方法)も重要です。事後だけでは業務の準備や対応ができません。 - ウ: リリース後は、新たな障害が発生する可能性はないので備えは不要である。
明らかに誤りです。リリース後に新しい不具合や設定漏れで障害が起きることはよくあります。監視や即時対応、ロールバック計画などの備えが不可欠です。 - エ: リリースの規模にかかわらず、リリースは全ての利用者に対して同時に実施する。
誤りです。リリースは段階的に行う(段階的リリース、カナリアリリースなど)ことが多く、影響を限定して問題発生時の影響を小さくするのが一般的です。規模に応じた方法を選びます。 - イ: リリース計画時には、計画した時間内に作業を完了できない場合も想定する。
正しいです。時間超過や予期せぬ問題を想定し、余裕時間、ロールバック手順、作業ウィンドウ(作業可能な時間帯)などを準備します。
よくある誤解
- 「テストで問題なければ本番でも問題ない」
- テスト環境は本番と完全に同じにならないことが多く、想定外の動作や負荷で問題が出ることがあります。だから監視や段階的展開が必要です。
- 「事前連絡は簡単なメールで十分」
- 利用者や運用担当が必要な準備をできるよう、影響範囲・時間帯・代替手順などを明確に伝える必要があります。
補足コラム
リリースの実務でよく使われる手法や用語:
- ロールバック(rollback):導入した変更を元に戻す手順。問題発生時の「緊急戻し」です。
- 段階的リリース(段階展開)/カナリアリリース:一部の利用者に先行してリリースし、問題がなければ範囲を広げる方法。影響を小さくできます。
- ブルーグリーンデプロイメント(Blue-Green Deployment):本番の別環境を用意して切り替える方法。切り戻しが簡単です。
- CAB(Change Advisory Board):変更承認委員会。重要変更を審査・承認する組織。英語は Change Advisory Board(変更承認委員会)です。
リリース計画には、作業手順だけでなく以下も含めます:作業時間の想定と余裕、影響範囲、担当者の役割分担、監視項目、緊急連絡先、ロールバックの条件と手順。
FAQ
Q1. リリースと変更管理はどう違いますか?
A1. 変更管理は「変更そのものを計画・承認する仕組み」です。リリース管理は「承認された変更を本番に導入する手順や実務」です。順番で言えば、変更管理で承認されてからリリース管理で導入します。
A1. 変更管理は「変更そのものを計画・承認する仕組み」です。リリース管理は「承認された変更を本番に導入する手順や実務」です。順番で言えば、変更管理で承認されてからリリース管理で導入します。
Q2. 本番環境とは何ですか?
A2. 本番環境(production environment)は、実際に利用者が使うシステムのことです。テスト環境や開発環境と区別します。
A2. 本番環境(production environment)は、実際に利用者が使うシステムのことです。テスト環境や開発環境と区別します。
Q3. リリース前に必ず行うべきことは?
A3. テスト、バックアップ、関係者への事前通知、ロールバック手順の確認、監視設定などを事前に整えます。
A3. テスト、バックアップ、関係者への事前通知、ロールバック手順の確認、監視設定などを事前に整えます。
Q4. 作業時間を超えたら必ずロールバックするべきですか?
A4. いいえ。時間超過=ロールバックの自動条件ではありません。事前に「いつロールバックするか(基準)」を決めておき、その基準に基づいて判断します。
A4. いいえ。時間超過=ロールバックの自動条件ではありません。事前に「いつロールバックするか(基準)」を決めておき、その基準に基づいて判断します。
関連キーワード: リリース計画、リリース管理、変更管理、本番環境、ロールバック、段階的リリース、カナリアリリース、CAB、監視、作業ウィンドウ

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