ITパスポート 2015年 秋期 問33
問題文
ITの運用の効率化を図り、可用性をはじめとするサービスの品質を高めようとするマネジメントシステムとして、適切なものはどれか。
選択肢
ア:ITの技術戦略マネジメント
イ:ITサービスマネジメント(正解)
ウ:ITプロジェクトのスコープマネジメント
エ:ITプロジェクトのタイムマネジメント
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サービス品質(可用性)を高めるマネジメントシステムはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で求められているのは「ITの運用の効率化を図り、可用性をはじめとするサービスの品質を高める」ための仕組みです。これは「ITサービスマネジメント(IT Service Management:ITサービスを提供・運用するための仕組み)」がまさに担う役割です。よって、選択肢の中では イ が正解になります。
ポイントをかみ砕くと:
- 可用性(サービスが正常に使える割合や時間)や障害対応、サービス改善などは日々の運用に関わる仕事です。
- ITサービスマネジメント(略して ITSM)は、運用の方法やルール、役割分担、改善サイクルを整えて「サービス品質」を高める枠組みだからです。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「運用の効率化」「可用性」「サービスの品質」。
- 各選択肢が「運用(デイリーの業務)」に関係するかを考える。
- 「運用・品質向上」に直接関係するのが「ITサービスマネジメント(ITSM)」であると判断する。
この順で考えれば迷わずに イ を選べます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: ITの技術戦略マネジメント
「技術戦略」は将来の技術選定や投資方針など、組織の中長期的な戦略を扱います。運用の効率化や日常の可用性管理を直接行う仕組みではありません。したがって今回の問いには適切ではありません。 -
イ: ITサービスマネジメント
日常の運用、障害対応、変更管理、可用性や性能の確保、改善活動などを体系化する仕組みです。サービスの品質向上を直接目的にするため正解です。 -
ウ: ITプロジェクトのスコープマネジメント
スコープマネジメントは「プロジェクトで何を作るか・作らないか」を管理するものです。プロジェクトの計画段階に関わるため、運用の効率化や可用性の継続的向上とは目的が異なります。 -
エ: ITプロジェクトのタイムマネジメント
タイムマネジメントはプロジェクトのスケジュール管理(納期や作業順序)が目的です。これもプロジェクトに特化した管理で、日常のサービス品質改善とは直接関係しません。
よくある誤解
-
「ITサービスマネジメント=ツールの導入」
ツールは一部ですが、ITSMはプロセス(手順)や組織、責任範囲、改善サイクルを含む仕組み全体を指します。ツールだけで終わらせると効果が出にくいです。 -
「プロジェクト管理と同じ」
プロジェクト管理(スコープ・時間・コスト管理など)は新しいものを作るときの管理です。一方、ITSMは作った後の運用・保守と改善が中心です。目的が違う点を押さえてください。 -
「可用性=単に稼働時間だけ」
可用性は稼働時間(例:99.9%)で表されることが多いですが、ユーザーが実際に使えるか、性能が十分か、復旧時間はどうかなど複数の観点があります。
補足コラム
代表的なフレームワークとして「ITIL(Information Technology Infrastructure Library:ITサービスの運用改善のためのフレームワーク)」があります。ITILはITSMの実践に使われるガイドで、インシデント管理(障害対応)、問題管理(根本原因追及)、変更管理(構成の変更手順)、サービスレベル管理(SLA:Service Level Agreement:サービス品質の合意)などのプロセスを定めています。
日常の運用改善例:
- サービスデスク(利用者の窓口)を作る → インシデントの早期検知
- 定期的なバックアップ・リカバリ訓練 → 可用性・業務継続性の向上
- 障害の原因を分析して再発防止策を導入 → 品質向上
用語メモ:
- 可用性:サービスが期待どおり使える時間や割合。稼働率で表すことが多い。
- SLA(Service Level Agreement):サービス提供者と利用者の間で交わす品質の約束。
FAQ
Q1: ITSMは資格やツールの名前ですか?
A1: ITSMは「考え方・仕組み」です。ITILなどのフレームワークや、それを支えるツール(サービス管理ソフト)があります。資格はITILの知識などを問うものがありますが、仕組みそのものは業務プロセスです。
A1: ITSMは「考え方・仕組み」です。ITILなどのフレームワークや、それを支えるツール(サービス管理ソフト)があります。資格はITILの知識などを問うものがありますが、仕組みそのものは業務プロセスです。
Q2: 可用性を高めるには具体的に何をすればよいですか?
A2: 障害対応の仕組み(インシデント管理)、バックアップと復旧手順、監視(障害の早期発見)、容量計画(負荷に耐えられる設計)などを整えることが基本です。
A2: 障害対応の仕組み(インシデント管理)、バックアップと復旧手順、監視(障害の早期発見)、容量計画(負荷に耐えられる設計)などを整えることが基本です。
Q3: プロジェクトマネジメントとITSMは一緒に使えますか?
A3: はい。プロジェクトで新しいシステムを作り、運用段階ではITSMで管理・改善を行います。両者は段階と目的が違うが、連携が重要です。
A3: はい。プロジェクトで新しいシステムを作り、運用段階ではITSMで管理・改善を行います。両者は段階と目的が違うが、連携が重要です。
Q4: 小規模な会社でもITSMは必要ですか?
A4: 規模に応じた簡易なプロセス(例:誰が対応するか、連絡ルール、バックアップ方法など)を整えるだけでも可用性と品質は大きく改善します。必須ではないが有益です。
A4: 規模に応じた簡易なプロセス(例:誰が対応するか、連絡ルール、バックアップ方法など)を整えるだけでも可用性と品質は大きく改善します。必須ではないが有益です。
関連キーワード: ITサービスマネジメント、ITSM、可用性、ITIL、SLA、運用管理、サービス品質、インシデント管理、変更管理

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