ITパスポート 2015年 秋期 問37
問題文
プロジェクト管理のプロセス群に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:監視コントロールでは、プロジェクトの開始と資源投入を正式に承認する。
イ:計画では、プロジェクトで実行する作業を洗い出し、管理可能な単位に詳細化する作業を実施する。(正解)
ウ:実行では、スケジュールやコストなどの予実管理やプロジェクト作業の変更管理を行う。
エ:立上げでは、プロジェクト計画に含まれるアクティビティを実行する。
🔒 解説は解答すると表示されます
プロジェクト管理のプロセス群に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢の中で最も適切なのは イ です。これは「計画(Planning)」の役割を正しく表しているからです。プロジェクトの「計画」では、プロジェクトで何を実行するかを明確にし、作業を管理しやすい単位に分解して整理します。これを「WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)」と呼び、成果物ごとに作業を細かく分けて責任や工数を見積もれる形にします。問題文の「作業を洗い出し、管理可能な単位に詳細化する」という記述は、まさにWBS作成などの計画プロセスの本質を表しています。
※WBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)は、プロジェクトの作業を階層的に整理した図や一覧です。
解法ステップ
- 問題文の各選択肢のキーワードを拾う(例:「洗い出し」「管理可能な単位」「正式に承認」「予実管理」など)。
- 各キーワードがどのプロセス群の役割に当てはまるかを対応させる。
- 立上げ(Initiating):プロジェクト開始を正式に承認し、プロジェクト責任者を決める段階。
- 計画(Planning):何をどのように行うかを詳細に決め、WBSやスケジュール、コスト見積りを作る段階。
- 実行(Executing):計画した作業を実際に実施し、成果物を作る段階。
- 監視コントロール(Monitoring & Controlling):進捗やコストなどをチェックし、必要なら修正(変更管理)する段階。
- 選択肢とプロセス群の役割が一致するかを判断する。
- 一致したものを選ぶ(今回なら「計画」に該当する イ)。
覚え方のコツ:立上げ→計画→実行→監視/コントロール→終結、で「計画=分解して見積もる」をセットで覚えるとよいです。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「監視コントロールでは、プロジェクトの開始と資源投入を正式に承認する。」
- 誤りです。プロジェクトの正式な開始承認や資源(人・予算など)の割当ては「立上げ(Initiating)」の役割です。監視コントロールは進行中の監視と差異の修正が主な仕事です。
-
イ: 「計画では、プロジェクトで実行する作業を洗い出し、管理可能な単位に詳細化する作業を実施する。」
- 正しいです。これはWBS作成など、計画段階の典型的な作業を表しています。
-
ウ: 「実行では、スケジュールやコストなどの予実管理やプロジェクト作業の変更管理を行う。」
- 誤りです。実行(Executing)は計画に従って作業を行い、成果物を作る段階です。スケジュールやコストの「予実管理(予定と実績の比較)」や変更の統制は主に「監視コントロール」が担当します。なお、実行段階でも監視の結果で承認された変更を実施することはありますが、管理・評価の主体は監視コントロールです。
-
エ: 「立上げでは、プロジェクト計画に含まれるアクティビティを実行する。」
- 誤りです。立上げ(Initiating)はプロジェクトの目的確認と承認、プロジェクトマネージャの任命などを行う段階で、計画の作成やアクティビティの実行は後続の計画・実行フェーズの仕事です。
よくある誤解
- 実行と監視を混同する
- 「作業をやるのは実行、モニタリングや修正は監視」が基本です。実行中に修正が必要でも、その判断や差し戻しは監視プロセスが行います。
- 立上げ=最初の仕事を始める段階だと思い込む
- 立上げは「始めてよいと承認する」段階であり、実作業はまだ少ないです。ここでプロジェクト憲章(Project Charter:プロジェクトの目的や権限を示す文書)を作成します。
- 計画は「細かいスケジュール作りだけ」と考える
- 計画はスケジュールだけでなく、WBS、コスト見積り、品質計画、リスク対応策など多面的です。特にWBSは計画の中核です。
補足コラム
- WBS(作業分解構成図)の作り方(簡単な手順)
- 最上位にプロジェクト名(最終成果物)を書く。
- 成果物やフェーズごとに分ける(例:要件定義、設計、実装、テスト、導入)。
- さらに各成果物を作るための作業に分解する(作業パッケージ)。
- 各作業パッケージに担当者・工数・完了基準を割り当てる。
- 変更管理のしくみ:変更が必要になったら「変更要求(Change Request)」を出し、承認機関(例:CCB:Change Control Board)で判断されます。承認されたら、計画を更新して実行します。
FAQ
Q1. 「監視コントロール」と「実行」はどこで境界があるのですか?
A1. 境界は明確な線ではなく役割の違いです。実行は計画通りに成果を出すこと、監視コントロールは進捗や差異を測って必要な是正を指示・管理することです。両者は並行して行われます。
A1. 境界は明確な線ではなく役割の違いです。実行は計画通りに成果を出すこと、監視コントロールは進捗や差異を測って必要な是正を指示・管理することです。両者は並行して行われます。
Q2. WBSは必ず作るべきですか?
A2. 小さな作業でも、成果物を分解して管理しやすくすることは有益です。試験対策では「計画でWBSを作る」という知識は必須と考えてよいです。
A2. 小さな作業でも、成果物を分解して管理しやすくすることは有益です。試験対策では「計画でWBSを作る」という知識は必須と考えてよいです。
Q3. 立上げで作る「プロジェクト憲章」とは何ですか?
A3. プロジェクト憲章は、プロジェクトの目的、主要な利害関係者(ステークホルダー)、プロジェクトマネージャの権限などを定める文書です。これにより正式にプロジェクトが承認されます。
A3. プロジェクト憲章は、プロジェクトの目的、主要な利害関係者(ステークホルダー)、プロジェクトマネージャの権限などを定める文書です。これにより正式にプロジェクトが承認されます。
関連キーワード: プロジェクト管理, プロセス群, WBS, 作業分解, 立上げ, 計画, 実行, 監視コントロール, 変更管理, プロジェクト憲章

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

