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ITパスポート 2015年 秋期 38


問題文

システム開発の初期の段階で、ユーザと開発者との仕様の認識の違いなどを確認するために、システムの機能の一部やユーザインタフェースなどを試作し、ユーザや開発者がこれを評価することによって曖昧さを取り除くシステム開発モデルはどれか。

選択肢

ウォータフォール
オブジェクト指向
共通フレーム
プロトタイピング(正解)

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システムの一部を試作して評価する開発モデル【ITパスポート 解説】

正解の理由

問題は「初期段階でユーザと開発者の仕様の認識の違いを確認するために、システムの機能の一部やユーザインタフェースなどを試作し、評価する」とあります。これはプロトタイピング(プロトタイプを作って評価する試作開発)の説明です。したがって、選択肢の中では(プロトタイピング)が該当します。
ここで用語を簡単に説明します。
  • プロトタイピング(試作): 実際に動く簡易版や見た目だけの試作品を作り、ユーザに触ってもらい意見を集める手法。
  • ユーザインタフェース(UI: User Interface、表示や操作部分): 利用者が画面を見たり操作したりする部分。
プロトタイプを使うことで、言葉だけでは伝わりにくい「使い勝手」や「期待と現実の違い」を早期に発見できます。したがって初期の認識合わせに最も適しています。

解法ステップ

  1. 問題文のキー語を探す:「初期の段階」「仕様の認識の違いを確認」「機能の一部やユーザインタフェースを試作」「評価する」。
  2. 各開発モデルが何をするかを思い出す。
    • 試作品(プロトタイプ)を作って評価するものが正しい。
  3. 選択肢を照らし合わせ、プロトタイピングに該当する選択肢を選ぶ。
この順で読めば迷わずを選べます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ウォータフォール
    ウォータフォール(Waterfall:滝のように上流から下流へ進む直線的開発モデル)は、要件定義→設計→実装→テスト…の順に進める手法です。初期段階で試作品を作ってユーザ評価することを前提にしていないため、今回の説明とは合いません。
  • イ: オブジェクト指向
    オブジェクト指向(object-oriented:データと処理を「オブジェクト」という単位で設計する考え方)は、設計手法やプログラミングの考え方です。開発モデル(プロセス)ではなく、試作して評価するという説明とは種類が違います。
  • ウ: 共通フレーム
    共通フレーム(開発や運用での共通的な手順や用語をまとめた枠組み)は、プロジェクト管理や工程の標準化を助けますが、「試作してユーザ評価する」といった具体的な開発モデルそのものではありません。
  • エ: プロトタイピング
    プロトタイプを作ってユーザ・開発者が評価し、曖昧さを取り除く手法そのものなので本文の説明に一致します。

よくある誤解

  1. 「プロトタイピングはいつも本番システムになる」
    → プロトタイプには「捨てる(ラピッド/スローン)型」と「進化させて本番にする(エボリューショナリ)」型があり、必ず本番になるわけではありません。用途に応じて使い分けます。
  2. 「オブジェクト指向が開発モデルだ」
    → オブジェクト指向は設計手法であり、ウォータフォールやプロトタイピングのような工程の進め方(開発モデル)ではありません。目的が違う点に注意します。
  3. 「ユーザに画面だけ見せれば十分」
    → 見た目(画面)だけでなく、操作感や処理の流れ、データの扱い方などを確認する必要があります。部分的な試作に何を含めるかが重要です。

補足コラム

プロトタイピングの種類(簡単に)
  • ラピッドプロトタイピング(使い捨て型): 早く形にして意見を集め、結果は反映して設計を見直す。実際のソースコードは捨てることが多い。
  • エボリューショナリ(進化型): プロトタイプを段階的に改良し、そのまま本番システムへと成長させる。
  • 両者の使い分け: 要件が不確かでユーザとの合意形成が重要な場合はラピッド。時間と品質の確保が重要で、段階的に機能を増やすならエボリューショナリ。
プロトタイピングは特に以下で有効です。
  • ユーザインタフェース(UI)や操作フローをユーザに確認したいとき
  • 非機能要件(使いやすさ、レスポンス感)を評価したいとき
  • 要件が曖昧で文書だけでは合意しにくいとき
ただし、試作に時間をかけすぎると本開発が遅れたり、プロトタイプがそのまま流用され品質リスクが高まることもあります。採用する際は目的と方針を明確にしましょう。

FAQ

Q1: プロトタイプとワイヤーフレームの違いは何ですか?
A1: ワイヤーフレームは画面構成の「設計図」に近い静的な図です。プロトタイプは実際に動く試作品で、操作できることが多く、ユーザ評価に向いています。
Q2: プロトタイプはどの段階で作ればいいですか?
A2: 要件が不確かでユーザの期待と開発者の理解に差がある初期段階で作るのが一般的です。詳細設計に入る前に作ることで手戻りを減らせます。
Q3: プロトタイプ作成に使うツールは何がありますか?
A3: 画面プロトタイプならプロトタイピングツール(例: Figma、Adobe XD など。英語名と用途を覚えておくと便利です)。簡易な動作確認なら紙に描くペーパープロトタイプも有効です。

関連キーワード: プロトタイピング、試作、ユーザインタフェース、要求定義、ウォータフォール、オブジェクト指向、共通フレーム、ユーザ評価、ラピッドプロトタイプ
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