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ITパスポート 2015年 秋期 52


問題文

関係データベースを構築するための作業を、a~cに分けて行うとき、作業の順序として適切なものはどれか。
 a 業務で使用するデータ項目の洗い出し  b 表の生成  c レコードの挿入

選択肢

a → b → c(正解)
a → c → b
b → a → c
b → c → a

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関係データベースの構築作業順序【ITパスポート 解説】

正解の理由

関係データベース(relational database:表形式でデータを管理する仕組み)を作るときは、まず「何を保存するか」を決めます。問題の a は「業務で使用するデータ項目の洗い出し(どんな列=カラムを持つかを決めること)」です。次にその設計に基づいて「表の生成(テーブルを作ること)」を行い、最後に「レコードの挿入(行として具体的なデータを入れること)」をします。したがって作業順序は a → b → c であり、選択肢の中では が正しいです。
ポイント:
  • 表(テーブル)は「列(カラム:データ項目)」の定義があって初めて作れます。
  • レコード(行)は、作られた表に対して初めて入れられます。
(用語)
  • テーブル(表):データを行と列で整理するもの。Excelのシートと似ています。
  • カラム(列):データ項目。例:氏名、部署、電話番号。
  • レコード(行):1件分のデータ。例:ある社員の氏名・部署・電話番号の組み合わせ。
  • SQL(Structured Query Language:構造化照会言語):データベース操作のための言語。
  • DDL(Data Definition Language:データ定義言語):テーブルを作るなど構造を定義するSQL文。
  • DML(Data Manipulation Language:データ操作言語):データを挿入・更新・削除するSQL文。

解法ステップ

  1. a(業務で使用するデータ項目の洗い出し)
    • まず業務で必要な情報を洗い出します(例:顧客ID、氏名、住所、電話番号)。
    • これにより各テーブルが持つカラム名とデータ型(文字列・数値・日付など)を決めます。
  2. b(表の生成)
    • 決めたカラム構成を元にテーブルを作成します。実際は DDL(例:CREATE TABLE)を使います。
  3. c(レコードの挿入)
    • 作成したテーブルに対して、実際のデータを挿入します(DML、例:INSERT INTO)。
簡単なSQL例:
-- テーブルの作成(DDL)
CREATE TABLE customers (
  customer_id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(100),
  address VARCHAR(200),
  phone VARCHAR(20)
);

-- レコードの挿入(DML)
INSERT INTO customers (customer_id, name, address, phone)
VALUES (1, '山田太郎', '東京都千代田区...', '03-xxxx-xxxx');

選択肢別の誤答解説

  • ア: a → b → c
    • 正しい流れです。まず項目を決め(a)、テーブルを作成し(b)、レコードを入れる(c)ため、手順が自然です。したがって が正解です。
  • イ: a → c → b
    • 項目を決めた後にいきなりレコードを挿入しようとしていますが、テーブルが存在しないため挿入できません。技術的にも順序が逆になります。
  • ウ: b → a → c
    • 先にテーブルを作ってから項目を洗い出すのは設計として不自然です。後から列の追加や修正が必要になり、手戻りや不整合が発生しやすくなります。実務では設計(a)を先に行います。
  • エ: b → c → a
    • テーブルを作成し(b)、レコードを入れ(c)てから項目を洗い出す(a)という流れはあり得ません。挿入したデータに合わせて設計を後付けするのは重大なミスやデータの不整合を招きます。

よくある誤解

  1. 「データがあれば後からテーブルを作ればいい」
    • 実際にはデータ形式やキー(識別子)を決めずに放り込むと整合性が取れず、あとで修正が大変です。設計は先に行うべきです。
  2. 「テーブル作成はカンタンだから後でもよい」
    • テーブル自体は技術的に作れますが、業務要件に合わない構造だと運用で問題になります。項目の洗い出し(業務要件の把握)は必須です。
  3. 「レコードは手で入れればいい」
    • 少量なら手入力でも良いですが、運用データはインポートやプログラムで入ることが多く、スキーマ設計が合っていないと自動処理で失敗します。

補足コラム

「設計(a)」には、単に項目を列挙するだけでなく次の点も含みます。
  • 主キー(レコードを一意に識別する項目)の決定
  • データ型(数値・日付・文字列など)の設計
  • NULL(値がないこと)を許すかどうか
  • 他のテーブルとの関係(外部キー)や正規化(同じ情報を重複させない設計) これらを設計段階で決めることで、データの整合性とメンテナンス性が保たれます。
「正規化(normalization)」は、データを整理して重複を減らし一貫性を高める作業です。こちらも項目の洗い出し段階で意識するとよいでしょう。

FAQ

Q1: 「スキーマ」とは何ですか? A1: スキーマはデータベースの構造設計図です。テーブル名、カラム名、データ型、制約(キーや一意制約など)をまとめたものです。
Q2: テーブル作成(DDL)は誰が行いますか? A2: 小規模ならデータベース管理者(DBA)や開発者が行います。要件整理は業務担当者と協力して行うことが重要です。
Q3: レコードはどのタイミングで増えますか? A3: システム導入後、業務運用の中でユーザーや外部連携によって継続的に増えます。初期データはバッチで一括投入することが多いです。

関連キーワード: 関係データベース、テーブル設計、スキーマ設計、正規化、SQL、DDL、DML、主キー、レコード、カラム
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