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ITパスポート 2015年 秋期 68


問題文

通信方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

回線交換方式は、適宜、経路を選びながらデータを相手まで送り届ける動的な経路選択が可能である。
パケット交換方式はディジタル信号だけを扱え、回線交換方式はアナログ信号だけを扱える。
パケット交換方式は複数の利用者が通信回線を共有できるので、通信回線を効率良く使用することができる。(正解)
パケット交換方式は無線だけで利用でき、回線交換方式は有線だけで利用できる。

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通信方式に関する記述【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中で適切なのは、です。
パケット交換方式(packet switching:データを小さな「包み=パケット」に分けて送る方式)は、複数の利用者が同じ通信回線を共有できます。通信データを必要なときだけ送るため、回線を無駄なく使える「効率の良さ」が特徴です。これに対して回線交換方式(circuit switching:通信の開始時に送受信用の回線を専有して確保する方式)は、通信中はその回線を他の利用者が使えないため、利用効率が下がることがあります。よって「複数の利用者が共有でき、効率的に使える」という説明が正しいため、が正解となります。
(用語補足)
  • 回線交換方式(circuit switching):電話の昔ながらの仕組みで、通話開始時に送受信用の回線を固定的に確保します。確保された回線は通話終了まで専有されます。
  • パケット交換方式(packet switching):データを小さな単位(パケット)に分け、ネットワーク上でパケットごとに最適な経路を選んで送ります。インターネットはこの方式が中心です。

解法ステップ

  1. 各選択肢で使われているキーワードを探す(例:「動的な経路選択」「デジタル/アナログ」「共有」「有線/無線」)。
  2. 回線交換とパケット交換の基本特徴を確認する:
    • 回線交換:通信中に回線を専有する(専用のパス確保)。
    • パケット交換:データを分割して回線を共有する(統計的に効率よく使う)。
  3. 選択肢と特徴を照らし合わせ、矛盾するものを消す。
  4. 最終的に「共有して効率的に使える」と述べている選択肢を正答とする()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 回線交換方式は、適宜、経路を選びながらデータを相手まで送り届ける動的な経路選択が可能である。
    → 誤り。回線交換方式は通信開始時に端から端までの回線を確保します。確立した回線は通信中は固定され、パケットごとに経路を柔軟に変えて送る「動的な経路選択」はパケット交換の特徴です。
  • イ: パケット交換方式はディジタル信号だけを扱え、回線交換方式はアナログ信号だけを扱える。
    → 誤り。どちらの方式もデジタル・アナログのどちらかだけに限定されるわけではありません。例えばアナログ音声はAD変換(アナログ→デジタル変換)してパケット交換で送れますし、回線交換でもデジタル回線を使えます。重要なのは「どうやって回線を使うか」です。
  • ウ: パケット交換方式は複数の利用者が通信回線を共有できるので、通信回線を効率良く使用することができる。
    → 正しい。パケットを統計的に多重化(必要なときだけ送る)するため、回線利用の無駄が少なくなります。インターネットの仕組みがこれに当たります。
  • エ: パケット交換方式は無線だけで利用でき、回線交換方式は有線だけで利用できる。
    → 誤り。どちらの方式も有線・無線の両方で利用できます。無線でも回線交換(例えば昔の固定電話網や一部の携帯通信で類似の仕組み)やパケット交換(Wi‑Fi、LTE、5Gなど)が使われます。

よくある誤解

  • 「回線交換=アナログ、パケット交換=デジタル」という誤解。
    → 実際は方式の違いは信号の形式(アナログ/デジタル)ではなく、回線の使い方(専有するか共有するか)です。
  • 「パケット交換なら常に速くて安定している」と思い込む誤解。
    → パケット交換は効率が良い反面、混雑時には遅延やパケット落ちが起きやすいです。音声通話などリアルタイム性が重要な場合、品質保持のため追加の仕組み(QoS=Quality of Serviceなど)が必要になります。
  • 「回線交換は古くて今は使われない」との誤解。
    → 伝統的な電話網(PSTN)は回線交換の考え方で動きましたし、専用線や一部の通信で今も回線を専有する方式が使われます。用途によって適切な方式が異なります。

補足コラム

  • 統計的多重化(statistical multiplexing)とは?
    パケット交換の要になる考え方で、「全利用者が常にデータを送るわけではない」ことを利用して回線を共有する手法です。実際の通信は断続的に発生するため、必要なときだけ送ることで総合的に効率が上がります。
  • 代表的な実例
    • 回線交換:従来の固定電話(PSTN:Public Switched Telephone Network)で、通話中は回線を占有していました。
    • パケット交換:インターネット(IP:Internet Protocolを使う通信)が代表。メールやWeb、動画配信、VoIP(Voice over IP:音声をパケットで送る仕組み)などで用いられます。
  • 性能面の違い(簡潔)
    • 回線交換:通信品質が安定(帯域保証)、遅延・ジッタ(時間ばらつき)が少ない。だが回線の無駄が多い。
    • パケット交換:効率良く回線を使えるが、混雑で遅延やパケットロスが発生しやすい。リアルタイム性が必要な場合は工夫が要る。

FAQ

Q. 電話は全部回線交換ですか?
A. 昔の電話は回線交換が中心でしたが、現在は多くがパケット交換(VoIP)に移行しています。サービスや設備によって混在しています。
Q. パケットが壊れたらどうなるのですか?
A. 通常は壊れた/欠落したパケットを検出し、再送要求をする仕組み(例えばTCPというプロトコル)があります。ただし再送は遅延を招くので、音声や映像では許容するか別の対策を取ります。
Q. どちらの方式が将来有望ですか?
A. 用途によります。インターネットや多くのデータ通信はパケット交換が主流です。一方で高品質を厳密に保証したい専用線用途では回線的な確保が残ることがあります。

関連キーワード: 回線交換、パケット交換、統計的多重化、サーキットスイッチング、パケットスイッチング、PSTN、VoIP、ストアアンドフォワード、遅延、ジッタ、QoS
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