ITパスポート 2015年 秋期 問67
問題文
NAT (Network Address Translation)がもつ機能として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:IPアドレスをコンピュータのMACアドレスに対応付ける。
イ:IPアドレスをコンピュータのホスト名に変換する。
ウ:コンピュータのホスト名をIPアドレスに変換する。
エ:プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに対応付ける。(正解)
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NAT(Network Address Translation)の機能について【ITパスポート 解説】
正解の理由
NAT(Network Address Translation:ネットワークアドレスの変換)は、内部ネットワークで使うプライベートIPアドレス(外から見えない住所のようなもの)と、インターネット上で使うグローバルIPアドレス(公的な住所)を対応付け(変換)する仕組みです。家庭のルータや会社の境界機器がこれを行い、複数の内部端末が1つのグローバルIPで外部と通信できるようにします。したがって、選択肢の中では エ「プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに対応付ける。」が正しいです。
(用語の補足:IPアドレスは「機器の住所」、プライベートIPは家庭や社内だけで使う住所、グローバルIPはインターネットで通用する住所です。)
解法ステップ
- NATの語を見て、「アドレスを変換する仕組み」と理解する。英語の Network Address Translation を日本語にすると「ネットワーク アドレス の 翻訳(変換)」です。
- 各選択肢を「何を別の何に変えるか」で読み替える。
- 次に、他の技術(MACアドレス、ホスト名、DNSなど)の役割を思い出して比較する。
- 「IP⇔IP(プライベート⇔グローバル)」を扱うものがNATなので、エを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: IPアドレスをコンピュータのMACアドレスに対応付ける。
- これはARP(Address Resolution Protocol:アドレス解決プロトコル)が行う役割です。MACアドレスは「機器固有の物理アドレス(Media Access Control)」で、同一LAN内でIPアドレスからMACアドレスを調べるために使います。NATはMACアドレスとは直接関係ありません。
-
イ: IPアドレスをコンピュータのホスト名に変換する。
- これはDNS(Domain Name System:ドメインネームシステム)が行います。DNSは「www.example.com」のようなホスト名をIPアドレスに変換(名前解決)します。NATは名前ではなく「IPアドレス同士の変換」です。
-
ウ: コンピュータのホスト名をIPアドレスに変換する。
- これもDNSの逆向きの説明(ホスト名→IP)に関する話で、NATの役割ではありません。
-
エ: プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに対応付ける。
- NATはまさにこれを行います。家庭用ルータが内部の複数端末のプライベートIPを1つ(または少数)のグローバルIPに対応付け、インターネット通信を可能にします。
よくある誤解
-
NATは「ホスト名(例:www)をIPに変換する」と思う。
- 実際はDNSが名前とIPを対応付けます。NATは「IPを別のIPに書き換える」機能です。
-
NATはMACアドレスを扱うと思う。
- MACは同一ネットワーク(LAN)内の物理的な識別子で、IPとMACの対応はARPで行います。NATはルータなどでIPヘッダを書き換えますが、MACは別層の話です。
-
NATがあればすべての通信問題が解決すると考える。
- NATはIPv4アドレス枯渇の回避や簡単なプライバシー確保に役立ちますが、外部から内部へ直接接続されにくくなる(サーバ公開が難しい)、P2Pや一部のアプリで問題が出るなどの制約もあります。
補足コラム
- NATの種類:
- スタティックNAT(固定対応付け)とダイナミックNAT(接続時に割り当て)があります。多くの家庭用ルータはさらにポート番号まで含めて変換するPAT(Port Address Translation、別名NAPT:Network Address and Port Translation)を使い、1つのグローバルIPで多くの内部端末を区別します。
- 実例:家庭のスマホAとパソコンBが同じルータを通じてWeb閲覧すると、ルータは内部のそれぞれのプライベートIPとポート番号を、外向けのグローバルIPと別々のポートに変換して通信を仲介します。
- IPv6時代:IPv6は充分なアドレス空間を持つため、原理上はNATが不要になります。ただし現実には移行期間が長く、NATはまだしばらく使われます。
FAQ
Q1. NATは通信のときにどこで動作しますか?
A1. ルータやゲートウェイなど、ネットワーク境界にある機器で動作します。内部(LAN)と外部(インターネット)をつなぐ場所です。
A1. ルータやゲートウェイなど、ネットワーク境界にある機器で動作します。内部(LAN)と外部(インターネット)をつなぐ場所です。
Q2. NATはセキュリティ機能ですか?
A2. 部分的に「内部が外部から直接見えにくい」効果があり簡易な保護になりますが、専用のファイアウォールやアクセス制御とは別物です。セキュリティを完全に代替するものではありません。
A2. 部分的に「内部が外部から直接見えにくい」効果があり簡易な保護になりますが、専用のファイアウォールやアクセス制御とは別物です。セキュリティを完全に代替するものではありません。
Q3. NATでポート番号も変わりますか?
A3. はい。PAT/NAPTという方式ではポート番号も変換して、1つのグローバルIPを多くの内部接続で使えるようにします。
A3. はい。PAT/NAPTという方式ではポート番号も変換して、1つのグローバルIPを多くの内部接続で使えるようにします。
Q4. NATはIPv6では不要ですか?
A4. IPv6はアドレス不足を解消するためNATの必要性を減らしますが、ネットワーク設計や互換性のためにNAT的な仕組みが使われる場合もあります。
A4. IPv6はアドレス不足を解消するためNATの必要性を減らしますが、ネットワーク設計や互換性のためにNAT的な仕組みが使われる場合もあります。
関連キーワード: NAT、プライベートIP、グローバルIP、PAT、ARP、DNS、ポート変換、ルータ、NATトラバーサル、NAPT

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