ITパスポート 2015年 春期 問12
問題文
プロダクトポートフォリオマネジメントにおいて、分析対象となる製品や事業を、金のなる木、花形、負け犬及び問題児に分類するとき、縦軸と横軸に使われる指標の組合せとして適切なものはどれか。
a 顧客定着率
b 市場規模
c 市場成長率
d 市場占有率
選択肢
ア:a, b
イ:a, c
ウ:b, d
エ:c, d(正解)
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プロダクトポートフォリオマネジメントの縦軸と横軸に使われる指標【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM:Product Portfolio Management/製品や事業の組み合わせを評価する手法)は、一般にBCGマトリクス(Boston Consulting Groupの提案)で表されます。BCGマトリクスの縦軸は「市場成長率(market growth rate:市場がどれだけ早く伸びているか)」、横軸は「市場占有率(market share:その製品の市場での割合。実務では相対市場占有率=主要競合に対する比率を使うことが多い)」です。これにより、成長性(将来の投資機会)と競争力(現在の収益源)を同時に評価できます。
したがって正解は エ(c: 市場成長率、d: 市場占有率)です。
解法ステップ
- 問題文で「金のなる木・花形・負け犬・問題児」とあることから、BCGマトリクス(PPM)を想起する。
- BCGマトリクスの各象限の意味を確認する:
- 花形(Stars):高成長・高占有率
- 金のなる木(Cash Cows):低成長・高占有率
- 問題児(Question Marks):高成長・低占有率
- 負け犬(Dogs):低成長・低占有率
- 上の分類に当てはまる指標は「市場成長率(縦軸)」と「市場占有率(横軸)」であると判断する。
- 選択肢を照合して、c と d を選ぶ(エ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア(a: 顧客定着率、b: 市場規模)
顧客定着率(customer retention rate:既存顧客が残る割合)は顧客関係の良さを示しますが、市場の成長性や競争上の強さを直接評価する指標ではありません。市場規模(market size:市場の大きさ)も重要ですが、PPMが評価したい「成長性(増加率)」とは別です。よって不適切です。 -
イ(a: 顧客定着率、c: 市場成長率)
市場成長率は正しい指標の一つですが、横軸に使うべきは市場占有率であり、顧客定着率は代替になりません。したがって不正解です。 -
ウ(b: 市場規模、d: 市場占有率)
市場占有率は横軸として適切ですが、縦軸に市場規模を使うと「成長する市場かどうか」を評価できません。大きくても成長が止まっている市場は将来の投資価値が低いことがあり、PPMの目的(成長性の判断)に合致しません。 -
エ(c: 市場成長率、d: 市場占有率)
市場の成長性と競争上の強さを示す組合せであり、BCGマトリクスの基本です。よって適切です。
よくある誤解
-
「市場規模と市場成長率は同じ」と考える誤解
- 市場規模は“今どれだけ大きいか”を表します。市場成長率は“どれだけ速く増えているか”を示します。大きくても伸びない市場と、小さくても急成長する市場では戦略が変わります。
-
「市場占有率=自社売上の絶対値」と誤解すること
- 市場占有率は「自社の売上 ÷ 市場全体の売上」で求める割合です。相対的な強さを示す指標で、単純な売上高とは意味が違います。
-
「顧客定着率が高ければ必ず『金のなる木』になる」と思う誤解
- 顧客定着率は重要ですが、成長率が低ければ投資価値は限られます。PPMでは成長性と占有率の組合せで評価します。
補足コラム
- 市場成長率の計算例:前年の市場売上が100億円、今年が110億円なら成長率は です。
- 市場占有率の計算例:自社売上が20億円、同市場の合計が200億円なら占有率は です。実務では「相対市場占有率=自社占有率 ÷ 最大競合占有率」を使うことが多く、競争力の比較がしやすくなります。
- BCGマトリクスは万能ではありません。市場の収益性や技術の変化、企業戦略(ブランド、特許など)も考慮が必要です。
短い計算コード例(参考)
# 市場成長率と市場占有率の簡単な計算例
prev_market = 100_000_000 # 前年市場売上(円)
curr_market = 110_000_000 # 今年市場売上(円)
company_sales = 20_000_000 # 自社売上(円)
growth_rate = (curr_market - prev_market) / prev_market
market_share = company_sales / curr_market
print(f"市場成長率: {growth_rate:.2%}")
print(f"市場占有率: {market_share:.2%}")
FAQ
Q. 市場占有率と相対市場占有率はどちらを使うべきですか?
A. 相対市場占有率は「最大競合との比較」で競争力がわかりやすいため、BCGマトリクスではよく使われます。ただしデータが取りにくい場合は単純な市場占有率でも可です。
A. 相対市場占有率は「最大競合との比較」で競争力がわかりやすいため、BCGマトリクスではよく使われます。ただしデータが取りにくい場合は単純な市場占有率でも可です。
Q. なぜ顧客定着率は縦軸や横軸にならないのですか?
A. 顧客定着率は顧客関係の指標で、製品・事業ポートフォリオ全体の「市場の魅力度(成長性)」や「競争上の強さ」を直接示さないためです。PPMは投資配分の指針として、成長と占有率を重視します。
A. 顧客定着率は顧客関係の指標で、製品・事業ポートフォリオ全体の「市場の魅力度(成長性)」や「競争上の強さ」を直接示さないためです。PPMは投資配分の指針として、成長と占有率を重視します。
Q. BCGマトリクスは新製品の評価に使えますか?
A. 新製品はデータが少ないため「問題児(Question Marks)」に入ることが多いです。可能性があれば投資(育てる)を検討し、見込みが無ければ撤退を判断します。
A. 新製品はデータが少ないため「問題児(Question Marks)」に入ることが多いです。可能性があれば投資(育てる)を検討し、見込みが無ければ撤退を判断します。
関連キーワード: PPM、BCGマトリクス、金のなる木、花形、負け犬、問題児、市場成長率、市場占有率、相対市場占有率

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