ITパスポート 2015年 春期 問43
問題文
情報システムの品質マネジメントの考え方に関する記述a~dのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a PDCAサイクルによる継続的な取組みが、品質の改善には有効である。
b 多くの機能をもつシステムほど品質が高い。
c 欠陥の予防コストは、不具合発生時に是正するコストよりも一般的に少ない。
d 適切な設計や製造によって品質を高めることができる。
選択肢
ア:a, b, d
イ:a, c
ウ:a, c, d(正解)
エ:c, d
🔒 解説は解答すると表示されます
情報システムの品質マネジメントに関する記述 a~d の正解選択肢【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問の記述のうち、適切なのは a(PDCAサイクルによる継続的な取組みが品質の改善に有効)、c(欠陥の予防コストは、不具合発生時に是正するコストより一般的に少ない)、d(適切な設計や製造によって品質を高めることができる)です。これらをすべて含む選択肢は ウ となります。
理由をかんたんにまとめると:
- a:PDCA(Plan-Do-Check-Act:計画→実行→評価→改善)サイクルは、継続的に改善を回す手法で、品質向上に有効です。
- c:欠陥を早期に予防するためのコスト(設計レビューやテスト自動化など)は、後で顧客対応や障害対応を行うコスト(外部故障コスト)より一般に小さく済みます。早く手を打つほど修正が安くなるためです。
- d:初期の段階で適切な設計・製造(要件定義、設計レビュー、品質管理)を行えば、そもそもの欠陥を減らせます。品質は工程で作りこむことができます。
一方、b(多くの機能をもつシステムほど品質が高い)は誤りです。機能の多さ=品質の高さではありません。機能が増えると複雑さが増し、欠陥や使いにくさ(品質低下)の原因になることもあります。
解法ステップ
- 各記述の意味をかんたんに読む(専門用語は噛み砕いて理解)。
- PDCA やコストの概念(予防 vs 是正)など、基本原則と照らし合わせる。
- 「常に正しいか」「一般的に正しいか」を判断する。絶対例外が多い主張は疑う。
- 正しいものだけを含む選択肢を選ぶ。ここでは a, c, d がすべて正しいため ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: a, b, d
誤りの原因:b(多機能=高品質)が含まれているため誤り。機能が多いほどバグや使いにくさが増えることがあり、品質を下げる場合があります。 -
イ: a, c
誤りの原因:d(適切な設計や製造で品質を高められる)が抜けています。設計や製造の重要性は品質管理の基本であり、これを正当化する記述 d は適切です。 -
ウ: a, c, d
正しい選択肢です。上で述べた通り、PDCA の有効性、予防コストが是正コストより一般に小さいこと、設計・製造で品質を高められることはどれも妥当な原則です。 -
エ: c, d
誤りの原因:a(PDCA の有効性)が抜けています。PDCA は品質改善の基本手法であり、一般的に有効です。したがって a も正しいため、c と d だけの選択肢は不完全です。
よくある誤解
-
多機能=高品質と思い込む
機能が多いと便利に見えますが、使いやすさ(ユーザビリティ)や信頼性が落ちれば品質は低下します。品質は「要求を満たす度合い」です。 -
品質改善はテストで何とかなると思う
テスト(検査)は重要ですが、欠陥の発生を未然に防ぐ設計や工程改善の方がコスト効率が良い場合が多いです。検査だけに頼るのは非効率です。 -
予防コストは無駄だと考える
一時的に投資が必要でも、後で発生する対応コスト(顧客対応、修正、信用回復)と比べると安く済むことが多いです。
補足コラム
品質コスト(Cost of Quality:COQ)という考え方があります。品質コストは大きく分けて次の4つです(簡単な説明):
- 予防コスト(Prevention):欠陥を防ぐための費用。例:設計レビュー、教育、テスト自動化。
- 評価コスト(Appraisal):検査・評価にかかる費用。例:テスト実行、品質監査。
- 内部故障コスト(Internal Failure):出荷前に見つかった不具合の修正費用。例:デバッグ、修正工数。
- 外部故障コスト(External Failure):出荷後に発生した不具合の費用。例:顧客対応、賠償、ブランド損失。
一般に、予防に投資するほど内部・外部故障コストは下がり、総コストが下がる傾向があります。これが c の裏付けです。
PDCA(Plan-Do-Check-Act)は W.エドワーズ・デミングが広めた手法で、計画→実行→評価→改善を繰り返すことで継続的改善(品質改善)を図ります。
FAQ
Q1: 「品質」とは何を指しますか?
A1: 品質は「要求や期待を満たす度合い」です。性能、信頼性、使いやすさなどの総合的な評価です。機能が多いだけでは品質が高いとは限りません。
A1: 品質は「要求や期待を満たす度合い」です。性能、信頼性、使いやすさなどの総合的な評価です。機能が多いだけでは品質が高いとは限りません。
Q2: 具体的な予防コストの例は?
A2: 要件定義の明確化、設計レビュー、ペアプログラミング、テスト自動化、開発者教育などです。
A2: 要件定義の明確化、設計レビュー、ペアプログラミング、テスト自動化、開発者教育などです。
Q3: PDCA と似た言葉に何がありますか?
A3: よく出るのは「継続的改善(CI: Continuous Improvement)」やソフト開発の「継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)」など。目的は同じく改善を回すことです。
A3: よく出るのは「継続的改善(CI: Continuous Improvement)」やソフト開発の「継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)」など。目的は同じく改善を回すことです。
Q4: 開発現場でまず何を始めればよいですか?
A4: 要件定義や設計レビューの実施、テスト工程の早期導入(Shift-left:品質活動を前倒し)を検討すると効果が出やすいです。
A4: 要件定義や設計レビューの実施、テスト工程の早期導入(Shift-left:品質活動を前倒し)を検討すると効果が出やすいです。
関連キーワード: 品質マネジメント、PDCA、品質コスト、欠陥予防、設計品質、テスト自動化、予防対是正

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

