ITパスポート 2016年 秋期 問18
問題文
“POSシステムの構築”によって、達成が可能となる経営目標はどれか。
選択肢
ア:営業員の業務生産性向上と営業部門の組織力強化
イ:構成部品及び仕掛品の在庫量削減
ウ:調達から製造・配送・販売に至る一連のプロセスの最適化
エ:店舗ごとの品ぞろえの改善と発注や在庫管理業務の効率化(正解)
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“POSシステムの構築”によって、達成が可能となる経営目標はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
POSシステムとは、POS(Point of Sale:販売時点情報管理システム)で、店舗のレジなどで発生する販売データを記録・集計・分析する仕組みです。販売日時、商品別の販売数、店舗別の売れ筋などの詳細なデータが蓄積されます。こうしたデータを使うことで、店舗ごとの「どの商品を、どれだけ、いつ置くべきか」という品ぞろえ(商品構成)を改善できます。また、売れ行きに応じた発注や在庫管理の効率化(たとえば自動発注や発注支援)も可能になります。
以上から、店舗ごとの品ぞろえの改善と発注や在庫管理業務の効率化を挙げている選択肢が最も当てはまるため、したがって正解は エ です。
解法ステップ
- 「POSシステム」が何をするかを思い出す(販売データの収集・分析)。
- 各選択肢が求めている「経営目標」が、POSの機能で直接実現できるかを検討する。
- 販売データによって改善できる項目(品ぞろえ、発注・在庫管理)を探す。
- POSだけでは実現が難しい項目(営業員の生産性向上や製造工程全体の最適化)は除外する。
- 最も合致するものを選ぶ(この問題では エ)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 営業員の業務生産性向上と営業部門の組織力強化
→ POSは店舗での販売データを扱います。営業員(対企業営業など)の業務効率化や組織力強化は、主に営業支援ツール(SFA:Sales Force Automation)や業務プロセス改善が関係します。POSは直接結びつきません。 -
イ: 構成部品及び仕掛品の在庫量削減
→ 「構成部品」や「仕掛品(しがかりひん:製造途中の製品)」は製造業に関わる在庫です。これらの管理は主に生産管理や部品管理(ERP:Enterprise Resource Planning、製造実行システムなど)が担当します。POSは完成品の販売側のデータが中心なので、直接的な効果は小さいです。 -
ウ: 調達から製造・配送・販売に至る一連のプロセスの最適化
→ これはサプライチェーン全体の最適化(SCM:Supply Chain Management)が対象です。POSは販売側の重要な入力情報を提供しますが、全体最適化を実現するには調達・生産・物流を統合する別の仕組みや連携が必要です。POS単独では不十分です。 -
エ: 店舗ごとの品ぞろえの改善と発注や在庫管理業務の効率化
→ POSは商品別・時間別・店舗別の販売実績を詳細に把握できます。そのデータを利用して、店舗ごとの品ぞろえ最適化や売れ筋に応じた発注・在庫最適化(自動発注設定や発注量の精緻化)を行えます。これがPOS導入の代表的な効果であり、最も適しています。
よくある誤解
- POS = レジ(現金登録機)だけだと思う
→ レジはPOSの一部です。POSシステムは販売データの収集・分析・発注連携などを含む広い仕組みです。 - POSを入れれば製造在庫(部品や仕掛品)も自動で減ると思う
→ POSは完成品の販売情報を与えますが、製造側の在庫削減には生産計画や部品発注の仕組み(ERPや生産管理システム)の連携が必要です。 - POSで営業マンの成績や組織力が直接改善すると思う
→ 店舗販売の見える化は間接的な戦略判断に寄与しますが、営業部門の業務効率化は別のツールやプロセス改善が中心です。
補足コラム
- POS導入で具体的にできること
- 日時・時間帯別の売上分析で、ピーク時のスタッフ配置を最適化。
- SKU(商品ごとの単位)別の売れ筋データで有望商品の発見や陳列変更。
- 自動発注や発注候補の提示により、発注業務の負担とヒューマンエラーを減らす。
- ロイヤルティプログラムや顧客分析と組み合わせれば、販促の効果測定も可能。
- システム連携のポイント
- POSは単独でも効果がありますが、在庫管理や発注、会計システムと連携すると効果が大きくなります。連携の際はデータ形式(例:EDI:Electronic Data Interchange)や更新タイミングを整えることが重要です。
FAQ
Q1: POSとERPの違いは何ですか?
A1: POSは主に店舗での販売データの収集・分析を行う仕組みです。ERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務統合システム)は会計、在庫、購買、生産など企業の基幹業務を統合管理するシステムです。POSはERPにデータを渡して全社的に活用されます。
A1: POSは主に店舗での販売データの収集・分析を行う仕組みです。ERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務統合システム)は会計、在庫、購買、生産など企業の基幹業務を統合管理するシステムです。POSはERPにデータを渡して全社的に活用されます。
Q2: 小さな店舗でもPOSは役立ちますか?
A2: はい。売上の見える化や発注支援により、在庫のムダを減らしたり、人気商品の欠品を防いだりできます。規模に応じたクラウド型POS(SaaS:Software as a Service)も普及しています。
A2: はい。売上の見える化や発注支援により、在庫のムダを減らしたり、人気商品の欠品を防いだりできます。規模に応じたクラウド型POS(SaaS:Software as a Service)も普及しています。
Q3: POSを導入すれば在庫がゼロになる?
A3: いいえ。在庫をゼロにするのは現実的でありません。POSは在庫回転を改善し、適正在庫を維持するのに役立ちますが、安全在庫や供給リードタイムは考慮する必要があります。
A3: いいえ。在庫をゼロにするのは現実的でありません。POSは在庫回転を改善し、適正在庫を維持するのに役立ちますが、安全在庫や供給リードタイムは考慮する必要があります。
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