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ITパスポート 2016年 秋期 50


問題文

品質の目標に対し、不良が多く発生しているシステム開発プロジェクトがある。重点的に解消すべき課題を明らかにするために、原因別に不良の発生件数を調べ、図で表すことにした。このときに用いるのが適切な図はどれか。
ITパスポート 2016年 秋期  問50の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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不良の発生件数を原因別に調べ図で表すのに適切な図はどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

不良の発生件数を「原因別に多い順に並べ」「どの原因を優先的に対策すべきか(累積でどれだけ占めるか)」を一目で判断したい場面には、の図、パレート図(Pareto chart:原因別の頻度を多い順に棒で示し、累積比率を折れ線で示す図)が最も適しています。
パレート図は「どの少数の原因が大きな割合を占めているか」を示します。問題文の「重点的に解消すべき課題を明らかにする」という目的にぴったり合致します。
(用語説明:パレート図(Pareto chart) — イタリアの経済学者パレートの法則に由来し、項目を頻度の多い順に並べ、累積比率を折れ線で示す図。棒が高い順に並ぶことが特徴です。)

解法ステップ

  1. 不良を原因別に集計する
    • まず「原因Aは何件、原因Bは何件…」と件数を数えます。
  2. 件数の多い順に原因を並べ替える
    • 多い順(降順)に並べます。これがパレート図の棒の左から右への順序です。
  3. 棒グラフを作成する(左縦軸は件数)
    • 各原因の件数を棒で表します。棒は多い順に並べる点がポイント。
    • (用語説明:棒グラフ(bar chart):カテゴリごとの量を棒の長さで示す図。)
  4. 累積比率を計算して折れ線で重ねる(右縦軸を使う)
    • 累積比率は例えば原因1〜i までの合計件数を全体件数で割る式で求めます:
    • この累積比率を右縦軸(0–100%)で折れ線にして重ねます。
  5. 「80%」などの目安ラインを引き、重点原因を特定する
    • パレート原理(Pareto principle:80/20の法則)を使い、累積比率が80%に達するまでの原因を「重点対策」とします。

選択肢別の誤答解説

  • ア:これは魚の骨(フィッシュボーン)に似た図です。
    • 魚骨図(Ishikawa diagram:原因と結果を整理する図)は、原因を分類して洗い出すのに向いています。
    • しかし件数の多さや「どれがどれだけ寄与しているか(累積比率)」を示す用途には不向きです。したがって今回の目的には不適切です。
  • イ:本問の目的に最適です。
    • 棒は原因ごとの件数を多い順に示し、折れ線が累積比率を示します。
    • これにより「少数の原因が大部分を占めているか」を判断できます。
  • ウ:散布図(scatter plot:2つの数値の関係を見る図)です。
    • 散布図は「原因の種類」ごとの単純な件数比較や累積比率を示すものではありません。
    • 2変数間の相関(例:ある工程時間と不良率の関係)を見る用途には有効ですが、原因別の件数を多い順に整理して重点を決める用途には不適です。
  • エ:フローチャート(flowchart:処理の流れを示す図)です。
    • 流れや判断の順序を示す図で、プロセスの手順確認や設計に使います。
    • 不良の原因別件数の優先順位付けには使えません。

よくある誤解

  1. 「棒グラフとパレート図は同じ」と考える誤解
    • 棒グラフはカテゴリごとの量を示すだけです。パレート図は「多い順に並べる」+「累積比率の折れ線」がセットです。累積ラインが目的判断に重要です。
  2. 「累積比率は不要」と思う誤解
    • 単に件数の高い原因が分かっても、全体に対する寄与が分からないと優先順位が曖昧になります。累積比率で「何割を占めるか」を確認することが鍵です。
  3. 「80%が絶対基準」と思う誤解
    • パレート原理の80%は目安です。組織や状況によっては70%や90%を基準にすることもあります。重要なのは累積比率を基に優先度を決めることです。

補足コラム

  • パレート原理(80/20の法則)の由来:イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが「富の大部分が少数の人に集中している」ことを観察したのが起源です。品質管理では「不良の大部分は少数の原因による」という経験則として広まりました。
  • パレート図の実務での使い方:まずは原因を洗い出して数を数える「定量化」が重要です。魚骨図で原因候補を整理し、実測してパレート図で順位付けする、という流れが現場ではよく使われます。
  • ソフトやツール:表計算ソフト(例:Excel)では「棒グラフ」と「折れ線」を組み合わせることで簡単にパレート図が作れます。Excelにはパレート図テンプレートがあるバージョンもあります。

FAQ

Q1. パレート図とヒストグラムの違いは?
A1. ヒストグラム(histogram)は数値データを区間(ビン)に分けて分布を見る図です。パレート図はカテゴリごとの頻度を多い順に並べ、累積比率を示す点が異なります。用途が違うので混同しないようにします。
Q2. データが少ないときはパレート図を使っても良いですか?
A2. 少数データでも原因の優先順位を考える助けにはなりますが、ばらつきの影響が大きくなるため結論は慎重にする必要があります。可能なら期間やサンプルを増やして再確認します。
Q3. 累積比率が80%になるまでの項目が多すぎる場合はどうする?
A3. その場合は対策の優先度を細かく分類する、またはコスト対効果を考慮して着手順を決めるなど、累積比率だけでなく実行可能性も判断基準にします。

関連キーワード: パレート図、棒グラフ、累積比率、パレート原理、イシカワ図、散布図、フローチャート、品質管理、原因分析、データ可視化
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