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ITパスポート 2016年 秋期 57


問題文

通信事業者が構築したネットワークを利用し、インターネットで用いられているのと同じネットワークプロトコルによって、契約者の拠点間だけを専用線のようにセキュリティを確保して接続するWANサービスはどれか。

選択肢

DHCP
IP-VPN(正解)
ISDN
VLAN

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通信事業者のネットワークで契約者拠点だけを専用線のように接続するWANサービスはどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

設問は「通信事業者(キャリア)が構築したネットワークを使い」「インターネットで使われているのと同じネットワークプロトコル」を用いて、「契約者の拠点間だけを専用線のようにセキュアに接続する」サービスを求めています。これは「IP(Internet Protocol)を使った仮想的な専用線」を提供するサービスを指します。したがって、該当するのは の IP-VPN(IP Virtual Private Network:IPを使って契約者専用の仮想ネットワークを作るサービス)です。
IP-VPNはキャリアのバックボーン網上で論理的に契約者ごとの経路を分離します。見かけは専用線のように拠点間のみ通信でき、インターネットと同じIPプロトコルを用いるため互換性が高く、専用回線よりコスト効率よく広域接続が可能です。多くはMPLS(Multiprotocol Label Switching:ラベルで高速に経路制御する技術)を使って実現します。

解法ステップ

  1. 設問のキーワードを拾う:
    • 「通信事業者が構築したネットワークを利用」→ キャリアが提供するサービス
    • 「インターネットで用いられているのと同じネットワークプロトコル」→ IP(Internet Protocol)を利用
    • 「契約者の拠点間だけを専用線のようにセキュリティを確保して接続」→ 仮想的に専用線を作る(VPN的機能)
  2. 上記を満たす候補を想起する:
    • IPを使い、キャリア網で契約者専用の接続を作る → IP-VPN
  3. 他の選択肢(DHCP、ISDN、VLAN)が設問条件を満たすかを検証:
    • いずれも「キャリア網でIPを使い契約者拠点だけを専用線のように接続するWANサービス」には当てはまらない。
  4. よって が正しいと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol:IPアドレスなどを自動で配布するプロトコル)
    誤り。DHCPはネットワーク内で端末にIPアドレスを割り当てる仕組みです。WANサービス(拠点間をつなぐ回線やVPN)そのものではありません。
  • イ: IP-VPN(IP Virtual Private Network:IPを使って契約者専用の仮想ネットワークを作るサービス)
    正解。キャリアのネットワーク上で、IPを用いて契約者専用の論理的な経路を作り、拠点間を専用線のように安全に接続します。多くはMPLSで実装されます。
  • ウ: ISDN(Integrated Services Digital Network:音声やデータをデジタル回線で送るための古い通信サービス)
    誤り。ISDNは電話網をデジタル化した回線サービスで、一般に狭帯域であり、専用の広域接続(現代のWANサービス)とは性質が異なります。インターネットのIPプロトコルを用いることを主眼にしたサービスではありません。
  • エ: VLAN(Virtual LAN:物理的なLANを論理的に分割する技術)
    誤り。VLANは同一の物理ネットワークを論理的に複数のブロードキャストドメインに分ける技術で、あくまでLAN内部の論理分離です。拠点間をキャリア網で接続するWANサービスそのものではありません(ただし、キャリアがL2サービスでVLANを用いるケースはあるが、設問の「インターネットで用いられているのと同じネットワークプロトコル=IP」を直接示すものではありません)。

よくある誤解

  1. 「VLANは離れた拠点同士をつなげる仕組みだ」
    → VLANは主に同じスイッチ群や同一ローカルネットワーク内で仮想的に分離する技術です。拠点間をつなぐ場合はキャリアのL2回線やL3のIP-VPNなど別の仕組みが必要です。
  2. 「VPN=インターネット上で暗号化してつなぐものだけ」
    → VPN(Virtual Private Network:仮想専用網)は概念で、インターネット経由のIPsec VPNもあれば、キャリア網上で論理分離するIP-VPN(MPLS-VPNなど)もあります。用途やセキュリティ要件で使い分けます。

補足コラム

  • IP-VPNの実装例:多くのキャリアはMPLS(Multiprotocol Label Switching:パケットにラベルを付けて高速に経路制御する技術)を用いたL3VPNを提供します。これにより、プロバイダのルータが契約者ごとのルーティングを分離し、拠点間の通信を確保します。
  • IPsec(IP Security)は暗号化して安全に通信するプロトコルで、インターネット経由のVPNでよく使われます。IP-VPNは必ずしもIPsecで暗号化するとは限らず、キャリアの網内で経路分離することでセキュリティを保つ設計です。
  • コスト面:専用線(物理的に独立した回線)よりIP-VPNの方が安価になりやすい一方、要件によってはより高い品質や低遅延を求めて専用線を選ぶ場合もあります。

FAQ

Q1: IP-VPNと、インターネットVPN(IPsec VPN)の違いは何ですか?
A1: IP-VPNはキャリアの閉域(プロバイダ内部)で論理的に契約者を分離して接続します。インターネットVPNは公衆のインターネット網を使い、暗号化(例:IPsec)で安全性を確保します。前者はキャリア品質と分離性、後者はコストや柔軟性が特徴です。
Q2: VLANだけで拠点間をつなげますか?
A2: 単体のVLANでは通常つなげません。拠点間でVLANをまたぐにはキャリアのL2サービスや専用のトンネリング技術が必要です。
Q3: IP-VPNは通信内容を必ず暗号化しますか?
A3: 必ずしも暗号化されるわけではありません。キャリア網内での分離によって外部から隔離されますが、さらに暗号化が必要ならIPsecなどを併用します。

関連キーワード: IP-VPN、VPN、MPLS、IP(Internet Protocol)、VLAN、DHCP、ISDN、WAN、専用線、L3VPN
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