ITパスポート 2016年 春期 問06
問題文
情報システムの構築に当たり、要件定義から開発作業までを外部に委託し、開発したシステムの運用は自社で行いたい。委託の際に利用するサービスとして、適切なものはどれか。
選択肢
ア:SaaS (Software as a Service)
イ:システムインテグレーションサービス(正解)
ウ:ハウジングサービス
エ:ホスティングサービス
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情報システムの構築で、要件定義から開発まで外部に委託し、運用は自社で行いたい【ITパスポート 解説】
正解の理由
要件定義(何を作るか決める作業)から開発(実際にソフトを作る作業)までを外部に任せたい一方で、完成後の運用(システムを日々動かし、保守すること)は自社で行いたいという条件に最も合うのは イ の「システムインテグレーションサービス」です。
システムインテグレーションサービス(英: System Integration、略してSI。複数の機器やソフトを組み合わせて目的のシステムを作るサービス)は、顧客の業務要件に合わせて要件定義から設計・開発・導入まで一貫して受託するのが基本です。納品物としてソースコードや設計書、導入手順、引き継ぎ資料を用意してもらい、導入後に運用を自社で引き受けることができます。つまり「作るところは外部、動かすところは自社」に最も適した形態です。
解法ステップ
- 問題で求められている作業範囲を明確にする
- 要件定義→開発までを「外部委託」したい。
- 運用は「自社で実施」したい。
- 各選択肢が何を提供するサービスかを短く理解する
- SaaS:既に用意されたソフトをインターネット経由で使うサービス。開発委託ではない。
- システムインテグレーション:要件定義から開発・導入まで受託するサービス。
- ハウジング:自社のサーバをデータセンターに設置するサービス。開発は含まれない。
- ホスティング:プロバイダがサーバや環境を貸して動かすサービス。開発委託とは別。
- 条件(外部が作り、自社が運用)に合致するサービスを選ぶ
- 開発を外部で受けて、納品後に運用を自社で行うことができるのは イ(システムインテグレーション)だけ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: SaaS (Software as a Service:サービスとして提供されるソフトウェア)
SaaSは既に完成したソフトをインターネット経由で使う形態です。開発作業を委託して「自社で運用する」ものではありません。カスタマイズやデータの取り扱いで制約が多く、要件定義から開発して納品を受けるという流れには合いません。 -
イ: システムインテグレーションサービス(System Integration)
要件定義→設計→開発→導入までを請け負うサービスです。納品物を整備してもらい、導入後の運用を自社で引き継ぐことができます。したがって今回の条件に適合します。 -
ウ: ハウジングサービス(ハウジング)
ハウジングは「自社が所有するサーバ機器をデータセンターに設置して、電源や冷却、保守スペースなどの環境を貸す」サービスです。開発作業自体は行わないため、要件定義から開発を委託する用途には不適切です。 -
エ: ホスティングサービス(ホスティング)
ホスティングはプロバイダ側がサーバや環境を用意して運用するサービスです。運用・稼働環境の提供が主で、一般的に「開発の受託(要件定義から開発)」を含みません。場合によっては運用も任せる形になり、自社で運用したいという条件に合わないことが多いです。
よくある誤解
-
「SaaSなら開発も頼める」は誤り
一部のSaaSベンダーはカスタマイズや導入支援をする場合がありますが、問題文のように要件定義から一から開発して納品し、自社が運用するという流れは基本的にSaaSの範囲ではありません。 -
「ホスティングとハウジングは同じ」は誤り
両者は似ていますが役割が違います。ハウジングは自社の機器を置く場所を提供するのみ。ホスティングはプロバイダがサーバを用意して稼働させるサービスです。どちらも“開発受託”を目的としたものではありません。 -
「SIは運用まで必ずやる」は誤解
システムインテグレーションは運用まで含める場合もありますが、契約次第で運用を顧客が引き継ぐことも可能です。重要なのは契約で「引き継ぎ資料・教育・手順」を明確にしておくことです。
補足コラム
外部に開発を委託して、運用を自社で行う場合の実務ポイント(覚えておくと安心)
- 引き継ぎ資料を必ず要求する
ソースコード、設計書、運用マニュアル、障害対応手順、運用スクリプトなどを納品物に含めること。 - 受入試験(ユーザ受入テスト)を計画する
仕様通りに動くか、運用で必要な監視やログは取得できるかを検証します。 - 知識移転(トレーニング)を契約に含める
開発ベンダーから運用担当者への教育時間やサポート期間を明確にします。 - ソースコード保管やエスクローを考える
将来のトラブルに備え、ソースコードの預託(エスクロー)や第三者保管を検討します。 - セキュリティと責任範囲を明確にする
誰がどの部分の保守・障害対応を行うのかをSLA(サービスの品質保証)や契約書で定義します(SLA = Service Level Agreement:サービス品質を定める合意)。
これらは「作って終わり」にしないための現場のコツです。将来的にスムーズに自社運用を始められるかは、契約時の準備で決まります。
FAQ
Q1: システムインテグレーションに頼むと運用もやってくれるのですか?
A1: ベンダーによっては運用・保守まで含めた契約も可能です。今回のケースのように運用を自社で行いたい場合は、納品物や引き継ぎ、トレーニングの範囲を明確に契約書に記載してください。
A1: ベンダーによっては運用・保守まで含めた契約も可能です。今回のケースのように運用を自社で行いたい場合は、納品物や引き継ぎ、トレーニングの範囲を明確に契約書に記載してください。
Q2: ホスティングを使えば自社で運用できますか?
A2: ホスティングは環境を借りてそこに自社でソフトを置いて運用する使い方もありますが、問題は「要件定義から開発を外部に委託する」点です。開発受託をするならSIサービスで開発を行い、完成物をホスティング環境に展開する、という組み合わせはあり得ます。
A2: ホスティングは環境を借りてそこに自社でソフトを置いて運用する使い方もありますが、問題は「要件定義から開発を外部に委託する」点です。開発受託をするならSIサービスで開発を行い、完成物をホスティング環境に展開する、という組み合わせはあり得ます。
Q3: 契約時に特に注意する点は?
A3: 引き継ぎ資料の範囲、ソースの受け渡し条件、教育(トレーニング)日数、バグ修正や保証期間、エスクローの有無などを明確にしましょう。
A3: 引き継ぎ資料の範囲、ソースの受け渡し条件、教育(トレーニング)日数、バグ修正や保証期間、エスクローの有無などを明確にしましょう。
関連キーワード: システムインテグレーション、SaaS、ホスティング、ハウジング、要件定義、開発委託、引き継ぎ、受入試験、エスクロー

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