ITパスポート 2017年 秋期 問29
問題文
自社が保有する複数の事業への経営資源の配分を最適化するために用いられるPPMの評価軸として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:技術と製品
イ:市場成長率と市場シェア(正解)
ウ:製品と市場
エ:強み・弱みと機会・脅威
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自社が保有する複数の事業への経営資源の配分を最適化するために用いられるPPMの評価軸として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
PPM(Product Portfolio Management:製品や事業の組み合わせを管理する手法)では、各事業を「市場成長率」と「市場シェア」という2つの軸で評価します。
- 市場成長率は、事業が属する市場の拡大の速さを表します(成長が速ければ投資価値が高まる可能性がある)。
- 市場シェアは、その市場での自社の占有率を表します(高いシェアは規模の利益や競争優位につながる)。
これらの組合せにより、「スター(成長かつ高シェア)」「金のなる木(低成長だが高シェア)」「問題児(高成長だが低シェア)」「負け犬(低成長・低シェア)」と分類し、投資・撤退など資源配分の方針を決めます。したがって選択肢のうち、イ(市場成長率と市場シェア)が正解です。
解法ステップ
- 問題文で尋ねられている「PPM(製品・事業のポートフォリオ管理)」の目的を確認。→ 経営資源の配分を最適化すること。
- PPMが使う代表的な2軸を思い出す。→ 「成長率」と「シェア」を使って4つに分類する。
- 選択肢と照合して、一致するものを選ぶ。→ イ が該当。
短い暗記ポイント:PPM=「成長(Growth)」×「シェア(Share)」のマトリクス。
選択肢別の誤答解説
- ア: 技術と製品
- 誤り。技術と製品の組合せで評価するのは、製品戦略や技術ロードマップの観点では使うことがあるが、PPMの標準的な評価軸ではありません。
- イ: 市場成長率と市場シェア
- 正解。BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)のマトリクスがこの2軸を用います。
- ウ: 製品と市場
- 誤り。「製品と市場」はアンゾフの成長マトリクス(市場浸透・新市場開拓など)や4Pの議論で扱う視点で、PPMの2軸そのものではありません。
- エ: 強み・弱みと機会・脅威
- 誤り。これはSWOT分析(Strengths/Weaknesses/Opportunities/Threats:自社の内外の状況を整理する手法)で使う観点であり、PPMの評価軸ではありません。
よくある誤解
- PPMは「売上が高い事業だけを残す」ツールだと思う誤解
- 売上の大きさだけでなく、「市場成長率」と「相対的な市場シェア」の組合せで判断します。低成長だが高シェアなら「金のなる木」として利益を生む重要な事業です。
- 市場シェアは「自社の売上 ÷ 市場全体の売上」で必ずよいと考える誤解
- PPMで使うのはしばしば「相対市場シェア(自社シェア ÷ 最大競合のシェア)」です。これにより市場内での優位性をより鮮明に評価できます。
- PPMは事業を永遠に4象限に当てはめるだけでよいという誤解
- PPMは意思決定の材料の一つです。市場の特性や将来の技術変化、戦略的価値も合わせて判断する必要があります。
補足コラム
- 起源:PPMとして学ばれるマトリクスは「BCGマトリクス(ボストン・コンサルティング・グループ)」が元になっています。1970年代に経営資源配分の簡便なフレームとして広まりました。
- 相対市場シェアの例:自社シェアが30%、最大競合が60%なら相対市場シェアは です。値が1以上なら市場内でリーダー、1未満なら追随の立場です。
- 利用上の注意:成長率やシェアの「境界」をどこに決めるか(高/低の基準)は業界や企業によって異なります。一般には業界平均や過去の値を基準にします。
FAQ
Q1. PPMとSWOTはどちらが優れている?
A1. 用途が違います。PPMは事業ごとの資源配分を大まかに決めるためのマトリクス、SWOTは自社と市場の内外要因を整理して戦略を立てるための分析です。両方を併用するのが一般的です。
A1. 用途が違います。PPMは事業ごとの資源配分を大まかに決めるためのマトリクス、SWOTは自社と市場の内外要因を整理して戦略を立てるための分析です。両方を併用するのが一般的です。
Q2. 市場成長率はどの期間で見るべきですか?
A2. 業界や事業の性質で異なりますが、一般には中期(3〜5年程度)の成長トレンドを参考にします。短期変動に惑わされないようにします。
A2. 業界や事業の性質で異なりますが、一般には中期(3〜5年程度)の成長トレンドを参考にします。短期変動に惑わされないようにします。
Q3. 相対市場シェアを計算する具体的な方法は?
A3. 自社の市場シェア(%)を、同市場で最大の競合他社の市場シェアで割ります。値が大きいほど市場での優位性が高いことを示します。
A3. 自社の市場シェア(%)を、同市場で最大の競合他社の市場シェアで割ります。値が大きいほど市場での優位性が高いことを示します。
関連キーワード: PPM, BCGマトリクス, 市場成長率, 市場シェア, ポートフォリオ分析, 相対市場シェア

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