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ITパスポート 2017年 秋期 63


問題文

NATの説明として、適切なものはどれか。

選択肢

IPアドレスとMACアドレスを対応付ける。
ネットワークへ接続するコンピュータにIPアドレスを自動的に割り当てる。
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換する。(正解)
ホスト名からIPアドレスを得る。

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NATの説明【ITパスポート 解説】

正解の理由

NATは「NAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)」の略で、内部のプライベートIPアドレスと外部のグローバルIPアドレスを変換する技術です。家庭や会社のルーターが複数の端末をインターネットにつなぐとき、1つのグローバルIPアドレスを共有して使えるようにする役割を果たします。したがって、選択肢の中でプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換すると述べている が正しい説明です。
(用語補足)
  • IPアドレス(Internet Protocol address:機器のネットワーク上の住所)
  • プライベートIPアドレス:家庭や社内ネットワークで使う内部用のIP(外のインターネットには直接見えない)
  • グローバルIPアドレス:インターネット上で一意に割り当てられる公開用のIP

解法ステップ

  1. 問題文で「NAT」という単語を確認する。英語名は Network Address Translation(ネットワークアドレス変換)。
  2. 選択肢を一つずつ読んで、NATの意味(アドレスを“変換”する)と照らし合わせる。
  3. 「プライベートIPとグローバルIPの相互変換」と書いてある選択肢がNATの定義に一致するため、それを選ぶ。
  4. 他の選択肢が別の技術(ARP、DHCP、DNS)を説明していることを確認して除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「IPアドレスとMACアドレスを対応付ける。」
    • これはARP(Address Resolution Protocol:アドレス解決プロトコル)という仕組みの説明です。ARPは同じネットワーク内でIP→MAC(ハードウェアの住所)を見つけるために使います。NATとは別の役割です。
  • イ: 「ネットワークへ接続するコンピュータにIPアドレスを自動的に割り当てる。」
    • これはDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol:動的ホスト構成プロトコル)の説明です。DHCPサーバが端末にIPアドレスを配布します。NATはアドレスの割り当てではなく変換を行います。
  • ウ: 「プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互変換する。」
    • これがNATの正しい説明です。ルーターなどで内部と外部のアドレスを変換して、複数端末で1つの外向きIPを共有できます。
  • エ: 「ホスト名からIPアドレスを得る。」
    • これはDNS(Domain Name System:ドメイン名をIPへ変換する仕組み)の説明です。例:example.com → 93.184.216.34。NATとは別物です。

よくある誤解

  1. 「NATはIPアドレスを割り当てる機能だ」
    • 実際は割り当てはDHCPの仕事です。NATはすでにあるアドレスを通信のために変換(書き換え)します。
  2. 「NATはMACアドレスも変える」
    • NATはIP層(ネットワーク層)での変換です。MACアドレス(データリンク層)とは別で、通常NATでMACは書き換えません。
  3. 「NATを使えば全てのトラブルが解決する(安全/接続など)」
    • NATは内部アドレスを隠す効果で一部の攻撃を防ぐことがありますが、本質的なセキュリティ機能ではありません。動作によっては一部の通信(P2Pや一部のVPNなど)に支障が出ることがあります。

補足コラム

  • NATの具体例:家庭のWi‑Fiルーターは、スマホやPCにプライベートIP(例:192.168.0.x)を割り当て、インターネット側には1つのグローバルIPを使って通信します。ルーターが送信元IPとポートを変換して戻ってきた応答を正しい内部機器に送り返します。
  • PAT(Port Address Translation:ポート番号も含めて変換するNAT)が一般的です。1つのグローバルIPで多くの内部端末を識別するためにポート番号を利用します。
  • IPv6ではアドレス空間が広いためNATが不要になる考え方があります。だたし運用上NATを残すケースもあります。

FAQ

Q. NATはどこで動いていますか?
A. ルーターやファイアウォールなどのネットワーク機器で動作します。家庭用ルーターにも標準で搭載されています。
Q. NATがあると外部から自分のPCに直接アクセスできますか?
A. そのままでは難しいです。外部から内部の特定PCへ接続するには「ポートフォワーディング(特定のポートを内部PCへ転送)」などの設定が必要です。
Q. NATは通信速度に影響しますか?
A. 基本的には小さな処理で影響は少ないですが、非常に高負荷の環境では機器の性能がボトルネックになることがあります。
Q. NATはセキュリティ機能ですか?
A. 直接のセキュリティ機能ではありませんが、内部アドレスを外部から隠すため「保護効果」があります。しかし本格的な防御はファイアウォールやIDS/IPSなど別の対策が必要です。

関連キーワード: NAT, プライベートIP, グローバルIP, ルーター, PAT, ポートフォワーディング, DHCP, DNS, ARP, IPv6, MACアドレス
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