ITパスポート 2017年 春期 問34
問題文
PPM (Product Portfolio Management)の目的として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:事業を“強み”、“弱み”、“機会”、“脅威”の四つの視点から分析し、事業の成長戦略を策定する。
イ:自社の独自技術やノウハウを活用した中核事業の育成によって、他社との差別化を図る。
ウ:市場に投入した製品が“導入期”、“成長期”、“成熟期”、“衰退期”のどの段階にあるかを判断し、適切な販売促進戦略を策定する。
エ:複数の製品や事業を市場シェアと市場成長率の視点から判断して、最適な経営資源の配分を行う。(正解)
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PPM (Product Portfolio Management)の目的【ITパスポート 解説】
正解の理由
PPM(Product Portfolio Management:製品・事業の組み合わせを管理する手法)は、複数の製品や事業を同時に見て、どこに資源(お金・人・時間)を配分するかを決めることが目的です。代表的な考え方にBCGマトリクス(Boston Consulting Group:米コンサルティング会社が提唱した2軸の図)があり、縦軸に市場成長率、横軸に市場シェア(市場占有率)を置いて、事業を4つに分類します。したがって選択肢の中では、エ「複数の製品や事業を市場シェアと市場成長率の視点から判断して、最適な経営資源の配分を行う」がPPMの目的に当たります。
ポイントを簡単に整理します。
- 「複数の事業を同時に見る」ことが本質です。
- 「市場シェア(ある企業の売上が市場全体で占める割合)」と「市場成長率(市場の大きさがどれだけ伸びているか)」の2つの視点を使います。
- 分類結果に応じて「投資」「維持」「回収(資金効率化)」「撤退」などの資源配分を判断します。
解法ステップ
- 問題文で使われているキーワードを拾う:「複数の製品や事業」「市場シェア」「市場成長率」「資源の配分」などがあればPPMを連想します。
- 選択肢を一つずつ当てはめる:PPMなら「シェア」と「成長率」の2軸を使う記述を探します。
- 他の選択肢と区別する:SWOT、コア技術、製品ライフサイクルなど別の分析手法と混同しないようにします。
- 正しい選択肢を選ぶ:PPMの2軸・資源配分に合致するものを選びます(本問ではエ)。
短時間で確実に答えるコツ:選択肢に「市場シェア」「市場成長率」「複数の事業」「経営資源の配分」といった語句がまとまっているかをチェックするだけで、正解に近づけます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「事業を“強み”、“弱み”、“機会”、“脅威”の四つの視点から分析し、事業の成長戦略を策定する。」
→ これはSWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats:自社の内外を4つに分けて整理する手法)の説明です。PPMとは別のフレームワークです。 -
イ: 「自社の独自技術やノウハウを活用した中核事業の育成によって、他社との差別化を図る。」
→ これは「コアコンピタンス(中核的な強み)を活かす事業戦略」の説明です。個別事業の差別化や競争優位の話で、ポートフォリオ全体を比べて資源配分するPPMの目的とは異なります。 -
ウ: 「市場に投入した製品が“導入期”、“成長期”、“成熟期”、“衰退期”のどの段階にあるかを判断し、適切な販売促進戦略を策定する。」
→ これは製品ライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)の説明です。製品の時間的な段階を見て販売やマーケティングを決める手法で、PPMの「複数事業を同時に比較して配分する」観点とは異なります。 -
エ: 「複数の製品や事業を市場シェアと市場成長率の視点から判断して、最適な経営資源の配分を行う。」
→ これがPPMの説明です。したがってPPMの目的として最も適切です(本問の正解)。
よくある誤解
-
PPMと製品ライフサイクル(PLC)を混同する
→ PLCは「時間軸での個別製品の状態」を見るのに対し、PPMは「複数事業を横並びで比較して資源配分する」ものです。似ている点もありますが目的が異なります。 -
市場シェアは「絶対値(自社の売上比)」だけ見れば良いと思う
→ BCGマトリクスで用いる市場シェアはしばしば「相対的市場シェア(自社シェア ÷ 競合最大手のシェア)」を使います。相対評価が重要です。 -
PPMは常に正しい答えを出す万能ツールだと思う
→ PPMは静的なスナップショットを提供します。市場の変化速度や技術革新など動的要因は別途考慮する必要があります。
補足コラム
BCGマトリクスの4つの象限と一般的な経営判断の例:
- スター(高成長・高市場シェア)→ 投資してシェア維持・拡大(将来のキャッシュジェネレーター)
- キャッシュカウ(低成長・高市場シェア)→ 大きな現金を生む。過度な投資は不要。利益を他へ回す。
- 問題児(高成長・低市場シェア)→ 成長市場だがシェアが低い。資源を投じてスターに育てるか、撤退するか判断。
- 負け犬(低成長・低市場シェア)→ 投資回収が見込みにくい。撤退や縮小を検討。
相対市場シェアの簡単な計算例:
自社の売上が30、最大競合の売上が60の場合、相対市場シェアは (最大競合の50%)。市場成長率はその市場全体の年間増加率などで評価します。
自社の売上が30、最大競合の売上が60の場合、相対市場シェアは (最大競合の50%)。市場成長率はその市場全体の年間増加率などで評価します。
PPMの限界も覚えておきましょう。たとえば将来性のあるニッチな事業は低シェア・低成長でも戦略的に保持する価値がある場合があります。定期的な見直しと複数の視点からの判断が必要です。
FAQ
Q1: PPMとBCGマトリクスは同じですか?
A1: 厳密にはPPMは「製品・事業のポートフォリオを管理する概念」で、BCGマトリクスはその代表的なフレームワークです。試験ではBCGベースの説明がPPMとして問われることが多いです。
A1: 厳密にはPPMは「製品・事業のポートフォリオを管理する概念」で、BCGマトリクスはその代表的なフレームワークです。試験ではBCGベースの説明がPPMとして問われることが多いです。
Q2: 「市場シェア」と「相対市場シェア」は何が違いますか?
A2: 市場シェアは自社の売上や販売量が市場全体で占める割合です。相対市場シェアは「自社シェア ÷ 最大競合シェア」で、競合との比較に使います。BCGでは相対市場シェアが重視されます。
A2: 市場シェアは自社の売上や販売量が市場全体で占める割合です。相対市場シェアは「自社シェア ÷ 最大競合シェア」で、競合との比較に使います。BCGでは相対市場シェアが重視されます。
Q3: 問題児(Question Mark)はどう扱えば良いですか?
A3: 成長市場でシェアが低い状態です。見込みがあるなら積極投資でスターに育てます。見込みが無ければ撤退や縮小を検討します。判断は事業の将来性や資源制約によります。
A3: 成長市場でシェアが低い状態です。見込みがあるなら積極投資でスターに育てます。見込みが無ければ撤退や縮小を検討します。判断は事業の将来性や資源制約によります。
関連キーワード: PPM, BCGマトリクス, ポートフォリオ分析, 市場シェア, 市場成長率, 投資配分, スター, キャッシュカウ, 問題児, 負け犬

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