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ITパスポート 2017年 春期 99


問題文

文書をAさんからBさんに送るとき、公開鍵暗号方式を用いた暗号化とディジタル署名によって、セキュリティを確保したい。このとき、Aさんの公開鍵が使われる場面はどれか。

選択肢

Aさんが送る文書の暗号化
Aさんが送る文書へのディジタル署名の付与
Bさんが受け取った文書に付与されたディジタル署名の検証(正解)
Bさんが受け取った文書の復号

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文書をAさんからBさんに送るとき、公開鍵暗号方式を用いた暗号化とディジタル署名によって、セキュリティを確保したい。このとき、Aさんの公開鍵が使われる場面はどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

この問題で問われているのは「Aさんの公開鍵(public key:誰でも入手して使える鍵)」がどの場面で使われるかです。ディジタル署名(digital signature:作成者がその文書を署名したことと内容が改ざんされていないことを保証する仕組み)は、作成者が自分の秘密鍵(秘密鍵(private key):本人だけが持つ秘密の鍵)で署名を作り、受け手が対応する公開鍵で署名を検証します。従って、受け取った文書に付与されたディジタル署名の検証に使われるのは Aさんの公開鍵です。つまり が正しい理由です。
(補足:暗号化そのものは通常、送信側の秘密鍵ではなく受信側の公開鍵で行い、受信側は自分の秘密鍵で復号(復号(decrypt):暗号化されたデータを元に戻すこと)します。これと署名の役割を混同しないことが重要です。)

解法ステップ

  1. まず「誰が何をするか」を整理する。Aさんは文書を送る側、Bさんは受け取る側。
  2. 「ディジタル署名」は誰が付ける? → 文書の作成者(Aさん)が自分の秘密鍵で署名を付与する。
  3. 「署名の検証」は誰がする? → 受け取った側(Bさん)が、署名が本当にAさんのものかを確認するために Aさんの公開鍵を使う。
  4. よって「Aさんの公開鍵」が使われるのは署名の検証の場面であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: Aさんが送る文書の暗号化
    誤り。暗号化で「相手以外に読ませたくない」場合、送信者は受信者(Bさん)の公開鍵を使って暗号化します。Aさんの公開鍵は暗号化には使いません。
  • イ: Aさんが送る文書へのディジタル署名の付与
    誤り。署名の「付与」は署名者(Aさん)が自分の秘密鍵で行います。公開鍵は署名の検証に使うもので、署名作成には使いません。
  • : Bさんが受け取った文書に付与されたディジタル署名の検証
    正しい。署名は Aさんの秘密鍵で作られるので、対応する Aさんの公開鍵で検証します。これにより「本当にAさんが作ったか」「途中で改ざんされていないか」をチェックできます。
  • エ: Bさんが受け取った文書の復号
    誤り。文書を復号(暗号文を元に戻す)するのは受信者(Bさん)が自分の秘密鍵を使います。Aさんの公開鍵は復号に使いません。

よくある誤解

  1. 「公開鍵で暗号化したものは公開鍵で復号できる」と思う
    公開鍵は誰でも持てますが、公開鍵で暗号化したものを復号できるのは対応する秘密鍵を持つ人だけです。公開鍵と秘密鍵はセットで役割が違います。
  2. 「署名は暗号化と同じ仕組みで送信者の秘密鍵で暗号化するだけだ」と考える
    署名は文書の『作成者確認+改ざん検出』が目的です。技術的にはハッシュ値に対する秘密鍵での処理などを行いますが、意味合いが暗号化(機密性)とは別です。目的を区別しましょう。
  3. 「公開鍵はどこかに置けば安全」と考える
    公開鍵は公開して問題ありませんが、偽の公開鍵(なりすまし)を使われないように、信頼できる証明(署名付きの鍵や証明書)が重要です。

補足コラム

  • 仕組みを数式で簡単に示すと:
    署名作成:
    署名検証:
    暗号化(Bに対して):
    復号(B側):
  • 実務での注意点:
    公開鍵は本人かどうかを証明するために「証明書(certificate)」が使われます。証明書は第三者(認証局:CA)が「この公開鍵は本当にAさんのものです」と証明したデータです。これがないと公開鍵のなりすましに注意が必要です。

FAQ

Q1. なぜ署名の検証に公開鍵が使えるのですか?
A1. 公開鍵と秘密鍵は数学的に対応するペアです。秘密鍵で作った署名は、対応する公開鍵でしか正しく検証できない性質があります。これで「その署名は秘密鍵の持ち主(通常は本人)によるもの」と確認できます。
Q2. Aさんの公開鍵を誰でも使えると危なくないですか?
A2. 公開鍵は誰でも使えますが、それ自体で危険ではありません。重要なのは「それが本当にAさんの公開鍵か」を確認することです。信頼できる証明書が使われます。
Q3. 暗号化と署名、両方やるときの手順は?
A3. 一般的には「まず文書に署名を付け(秘密鍵で)、次に署名付き文書を受信者の公開鍵で暗号化して送る」。受信側は復号して文書を取り出し、署名を公開鍵で検証します。

関連キーワード: 公開鍵、秘密鍵、ディジタル署名、暗号化、復号、証明書、認証局(CA)
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