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ITパスポート 2018年 秋期 13


問題文

A社では、受注から納品までの期間が、従来に比べて長く掛かるようになった。原因は、各部門の業務の細分化と専門化が進んだことによって、受注から出荷までの工程数が増え、工程間の待ち時間も増えたからである。経営戦略として、リードタイムの短縮とコストの削減を実現するために社内の業務プロセスを抜本的に見直したいとき、適用する手法として、適切なものはどれか。

選択肢

BCM
BPR(正解)
CRM
SFA

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業務プロセスの抜本的見直しによるリードタイム短縮【ITパスポート 解説】

正解の理由

問題では「受注から納品までの工程数が増え、工程間の待ち時間も増えた」ためにリードタイム(リードタイム:注文から納品までにかかる時間)を短くし、かつコストを下げたいと述べています。これは局所的な改善(例えば一部の作業を速くする)ではなく、業務の流れ全体を根本から見直して工程そのものを再設計することが求められます。
そのために適切なのは、業務プロセスを抜本的に再設計する手法である (BPR)です。BPR(Business Process Reengineering:業務プロセスの抜本的再設計)は、業務の流れや工程をゼロベースで見直し、不要な工程をなくす、並列化する、ITで自動化するなどして、リードタイム短縮とコスト削減を同時に目指します。よって が正解です。
(用語)
  • BPR(Business Process Reengineering:業務プロセスの抜本的再設計)…業務の流れを根本から作り替える手法
  • リードタイム(lead time)…受注から納品までの時間

解法ステップ

  1. 問題の目的を確認する
    • 「リードタイムの短縮」と「コスト削減」が目的であることを確認します。
  2. 現状の原因を把握する
    • 工程数の増加、工程間の待ち時間増加といった「業務プロセスの構造的問題」であると理解します。
  3. 目的と原因から適用すべき手法を照合する
    • 小さな改善(ツール導入や手順見直し)で済むか、抜本的な再設計が必要かを判断します。
  4. 抜本的な再設計が必要ならBPRを選ぶ
    • 工程数の削減や工程の再配置、IT導入による自動化などを含めて「全体最適」を行う手法が適切です。
この流れで選択肢を見ると、抜本的再設計に該当するのは BPR()になります。

選択肢別の誤答解説

  • ア: BCM(Business Continuity Management:事業継続マネジメント)
    • 意味:災害や事故が起きても事業を継続するための計画や対策。
    • 理由:リードタイム短縮や工程再設計が目的ではなく、非常時対策が中心のため不適切。
  • イ: BPR(Business Process Reengineering:業務プロセスの抜本的再設計)
    • 意味:業務の流れを根本から見直し、業務工程そのものを再設計する手法。
    • 理由:工程数の削減や並列化、待ち時間の排除など、問題で求められている「抜本的な見直し」に合致する。
  • ウ: CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
    • 意味:顧客情報を管理し、営業・マーケティング・サポートを最適化する仕組み。
    • 理由:顧客対応や顧客満足度向上に有効だが、社内の工程数削減や工程間の待ち時間短縮を直接狙うものではない。
  • エ: SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
    • 意味:営業活動の効率化を支援するシステム(顧客訪問管理や見積管理など)。
    • 理由:営業部門の業務効率化には役立つが、受注から出荷までの全工程を抜本的に再設計する目的には不十分。

よくある誤解

  1. 「BPRは単にITを導入すること」
    • 誤解:ITシステムを入れれば解決と思う人が多いです。
    • 真実:BPRは業務の仕組み自体を変えることで、ITはその手段の一つに過ぎません。まず業務を設計し、必要ならITで自動化します。
  2. 「小さな改善(業務改善:Kaizen)で十分だと思いがち」
    • 誤解:工程の一部だけ速くすれば全体が速くなると考える。
    • 真実:工程が多く待ち時間が根本原因の場合、局所最適だと別の工程でボトルネックが残り、効果が限定的です。根本的な再設計が必要です。

補足コラム

BPRとよく比較される考え方に「BPM(Business Process Management:業務プロセスマネジメント)」や「継続的改善(カイゼン)」があります。BPRは「一度に大きく変える」手法で、BPMやカイゼンは「少しずつ継続的に改善する」手法です。状況によって使い分けます。
  • どちらを選ぶかの目安:
    • 業務の根っこ(工程の数や順序、情報の流れ)が問題で、抜本的に変えなければ効果が出ない → BPR
    • 現状のフローを維持しつつ段階的に効率化したい → BPM/カイゼン
実務では、BPRで大枠を作り、その後BPMで運用・継続改善することが多いです。

FAQ

Q1. BPRは誰が主導すべきですか?
A1. 経営層のコミットメントが重要です。抜本的な変更は組織横断的な調整が必要なため、経営の指示とプロジェクトマネジメントが欠かせません。
Q2. BPRの失敗例はありますか?
A2. はい。よくある原因は「現場の意見を無視した設計」「IT導入だけで終わる」「変化管理(人の抵抗)を軽視する」ことです。現場巻き込みと段階的な検証が重要です。
Q3. 小さな改善(カイゼン)と同時に行っても良いですか?
A3. はい。BPRで大枠を変えつつ、細部はカイゼンで改善するのが効果的です。両者は補完関係にあります。

関連キーワード: BPR、リードタイム、業務プロセス改善、プロセス改革、業務効率化、コスト削減
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