ITパスポート 2018年 秋期 問24
問題文
次の計算式で算出される財務指標はどれか。
選択肢
ア:ROA
イ:ROE(正解)
ウ:自己資本比率
エ:当座比率
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次の計算式で算出される財務指標はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
式は
です。ここで「当期純利益」は会社が一定期間に最終的に得た純粋なもうけ(税引き後の利益)、「自己資本」は株主が出したお金や過去の利益の蓄えである株主資本(shareholders' equity)を指します。したがって、この式は株主が出資したお金に対してどれだけ利益を生んだかを見る指標です。英語では ROE(Return on Equity:自己資本利益率)と呼びます。以上より答えは イ の ROE です。
解法ステップ
- 分子と分母の意味を確認する
- 当期純利益 = 期間中の最終的な利益(税引き後)。
- 自己資本 = 株主の出資や内部留保(貸借対照表の純資産部分)。
- 指標の定義と照合する
- 「自己資本に対する利益率」を意味する指標がないか探す。
- ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)と一致する。
- 選択肢と突き合わせて決定する
- ROA(総資産利益率)は分母が総資産、自己資本比率は分子が自己資本ではない、当座比率は流動性を見る別の比率。
選択肢別の誤答解説
-
ア: ROA(Return on Assets:総資産利益率)
- 説明:会社が保有する総資産(資産全体)に対してどれだけ利益を上げたかを示す。
- 正しい式の例:(分母が総資産)。今回の式は分母が自己資本なので不一致です。
-
イ: ROE(Return on Equity:自己資本利益率)
- 説明:株主から見た投資収益性を表す。今回の式と完全に一致します。
- したがって正解は イ です。
-
ウ: 自己資本比率(Equity Ratio)
- 説明:会社の資本構成(安全性)を表す指標。自己資本が総資本に占める比率を見る。
- 正しい式の例:(分子・分母が逆です)。
-
エ: 当座比率(Quick Ratio)
- 説明:短期の支払能力(流動性)を表す。現金化しやすい資産で短期負債をどれだけカバーできるかを見る。
- 正しい式の例:(全く別の目的の指標です)。
よくある誤解
- ROAとROEを混同する
- どちらも利益率ですが、ROAは「資産全体」に対する利益、ROEは「自己資本(株主のお金)」に対する利益です。分母が違う点を意識しましょう。
- 「当期純利益」と「営業利益」を取り違える
- 指標ごとに使う利益の種類が異なることがあります。ROEでは通常、当期純利益(税引後)が使われます。問題文の用語を正確に読む習慣をつけてください。
- 高いROEが常に良いわけではない
- 借金を増やして自己資本を小さくするとROEは上がります(レバレッジ効果)。安全性とのバランスを考える必要があります。
補足コラム
- なぜ「×100」をするか?
- 小数で表された比率を「%」で直感的に示すためです。例えば0.12を12%で表すイメージです。
- ROEの使い方(投資家・経営者の視点)
- 投資家は自己資本に対する収益性をROEで判断します。経営者はROE改善を目標に合理的な資本配分や営業改善を図ります。
- デュポン分析(DuPont式)って何?(覚えやすい骨組み)
- ROEは分解できます:利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ。
- 簡単に言うと、「売上高に対する利益の割合」「資産の使い方効率」「自己資本に対する資産の大きさ(=借入の活用)」の掛け算で説明できます。どこを改善すればROEが上がるかを考えるのに便利です。
FAQ
Q1. 自己資本って具体的に何を指しますか?
A1. 株主からの出資金と、過去の利益の蓄え(内部留保)などを合わせたものです。貸借対照表(B/S)の「純資産」欄の主な部分です。
A1. 株主からの出資金と、過去の利益の蓄え(内部留保)などを合わせたものです。貸借対照表(B/S)の「純資産」欄の主な部分です。
Q2. ROEは高ければ高いほど良いですか?
A2. 一概には言えません。高いと効率的に利益を出していると評価されますが、借金によるリスク(自己資本が小さい)が高まっている場合もあります。業種別の平均も参考にします。
A2. 一概には言えません。高いと効率的に利益を出していると評価されますが、借金によるリスク(自己資本が小さい)が高まっている場合もあります。業種別の平均も参考にします。
Q3. ROEと自己資本比率はどちらが安全性を見る指標ですか?
A3. 自己資本比率の方が会社の安全性(借入依存度の低さ)を見る指標です。ROEは収益性の指標です。
A3. 自己資本比率の方が会社の安全性(借入依存度の低さ)を見る指標です。ROEは収益性の指標です。
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