ITパスポート 2018年 秋期 問38
問題文
プロジェクトマネジメントの知識エリアには、プロジェクトコストマネジメント、プロジェクト人的資源マネジメント、プロジェクトタイムマネジメント、プロジェクト品質マネジメントなどがある。システム開発のプロジェクト品質マネジメントにおいて、成果物の品質を定量的に分析するための活動として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:完成した成果物の数量を基に進捗率を算出して予定の進捗率と比較する。
イ:設計書を作成するメンバに必要なスキルを明確にする。
ウ:テストで摘出する不良件数の実績値と目標値を比較する。(正解)
エ:プログラムの規模や生産性などを考慮して開発費用を見積もる。
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プロジェクト品質マネジメントの定量分析【ITパスポート 解説】
正解の理由
問題は「成果物の品質を定量的に分析するための活動」を問うています。ここで「定量的に」とは、数値で測って評価することを意味します。テストで摘出する不良件数を実績値と目標値で比較する活動は、数値(不良件数)を用いて品質を評価する典型的な定量的分析です。したがって、選択肢の中ではウが最も適切です。
解法ステップ
- 設問のキーワードを探す:「定量的に分析」。つまり「数で表せる」「測定可能な」活動を選ぶ。
- 各選択肢を「数値を扱うか」「数値以外(人的要素や見積りなど)か」で分類する。
- 数を直接扱い、品質の良し悪しを比較する活動は正解候補。
- 比較した結果、テストで得られる「不良件数」を実績値と目標値で比べるウが「定量的な品質分析」に合致する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 完成した成果物の数量を基に進捗率を算出して予定の進捗率と比較する。
- これは「進捗(スケジュール)や作業量の把握」に関する活動で、プロジェクトのタイムマネジメントや進捗管理に該当します。品質を「数値で分析する」という問いには該当しません。
- イ: 設計書を作成するメンバに必要なスキルを明確にする。
- これは人的資源マネジメント(チーム編成やスキル管理)の活動です。品質を数値で評価する活動ではなく、品質向上のための準備(組織面)の一部に当たりますが、定量分析とは異なります。
- ウ: テストで摘出する不良件数の実績値と目標値を比較する。
- テストで見つかった不良件数は明確な数値であり、実績と目標を比較することで品質を定量的に評価できます。これが「品質マネジメントにおける定量的分析」に当たります。
- エ: プログラムの規模や生産性などを考慮して開発費用を見積もる。
- これはコスト見積りで、プロジェクトコストマネジメントの活動です。品質の定量分析とは目的が異なります。
よくある誤解
- 「不良件数を数えれば品質がわかる」
- 不良件数は重要な指標ですが、テスト範囲やテストの厳しさ、テスト人数や時間によって値が変わります。単独では不十分で、試験の規模やテストカバレッジなどで正規化(補正)する必要があります。
- 「品質管理=設計やルールの整備だけ」
- 設計書やスキル整備は品質向上に役立ちますが、品質を管理・評価するには定量的指標(不良件数、欠陥密度など)による測定と比較が欠かせません。
- 「進捗の数値管理と品質の数値管理は同じ扱いで良い」
- 両者とも数値を使いますが、目的が異なります。進捗はスケジュール達成度の把握、品質は成果物の欠陥・適合性を評価します。それぞれ適切な指標を使うことが必要です。
補足コラム
品質を数値で表す代表的な指標と、その簡単な使い方を紹介します。
- 欠陥件数:テストで見つかった不良の総数。単純で分かりやすい。
- 欠陥密度(defect density):不良件数をソースコードの行数(千行単位)などで割ったもの。例: ※ここで「行数」は LOC(Lines Of Code:ソースコードの行数)を使います。これにより規模の違いを補正できます。
- 検出率・修正率:時間やテスト実行単位あたりの欠陥検出数や修正数。品質改善の効果測定に使います。
定量的評価は「どの指標を、どの単位で、どのタイミングで測るか」を事前に決めておく(品質目標の設定)ことが重要です。
FAQ
Q1: 不良件数が少なければ必ず品質が良いですか?
A1: 必ずしもそうではありません。テストが不十分だと不良が見つからないだけの可能性があります。テスト範囲や試験時間、テストの網羅性も合わせて評価する必要があります。
A1: 必ずしもそうではありません。テストが不十分だと不良が見つからないだけの可能性があります。テスト範囲や試験時間、テストの網羅性も合わせて評価する必要があります。
Q2: 定性的な評価(レビューの意見など)は不要ですか?
A2: 定量評価と定性評価は補完関係にあります。数値で把握できない設計の曖昧さや使い勝手などは定性的評価で補います。両方を組み合わせるのが望ましいです。
A2: 定量評価と定性評価は補完関係にあります。数値で把握できない設計の曖昧さや使い勝手などは定性的評価で補います。両方を組み合わせるのが望ましいです。
Q3: 欠陥密度の「行数」はどこで測れば良いですか?
A3: ソースコードの総行数(LOC:Lines Of Code)や機能ポイント(機能の数を基にした規模指標)など、プロジェクトで一貫して使える単位を選びます。重要なのは比較可能であることです。
A3: ソースコードの総行数(LOC:Lines Of Code)や機能ポイント(機能の数を基にした規模指標)など、プロジェクトで一貫して使える単位を選びます。重要なのは比較可能であることです。
関連キーワード: 品質指標、欠陥密度、テスト計測、品質管理、進捗管理、コスト見積り

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