ITパスポート 2018年 秋期 問40
問題文
システムに関して“障害からの回復を3時間以内にする”などの内容を、システム運用側と利用側の間で取り決める文書はどれか。
選択肢
ア:サービスレベル合意書(正解)
イ:ソフトウェア詳細設計書
ウ:提案依頼書(RFP)
エ:プロジェクト憲章
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システムに関して“障害からの回復を3時間以内にする”などの内容を、システム運用側と利用側の間で取り決める文書はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で示されている「障害からの回復を3時間以内にする」というのは、サービスの性能や回復に関する具体的で測定可能な取り決めです。こうした取り決めを運用側(サービスを提供する側)と利用側(顧客など)が合意する文書は、サービスレベル合意書です。
サービスレベル合意書(SLA: Service Level Agreement)は、提供するサービスの品質や可用性、応答時間、復旧時間(RTO: Recovery Time Objective—復旧目標時間)などを明記し、両者の責任範囲や違反時の対応を定めます。したがって設問の「障害からの回復を3時間以内にする」は、アのサービスレベル合意書に該当します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「障害からの回復」「3時間以内」→ 測定可能なサービス品質の指標。
- 文書の目的を考える:運用側と利用側の間で合意する、という点に注目。
- 各選択肢の役割と用途を照らし合わせる:
- 合意して数値で取り決める文書→SLA(サービスレベル合意書)
- 仕様書や提案依頼書、プロジェクト開始文書は目的が異なる。
- 最も目的に合うものを選ぶ:サービスの合意・保証に関する文書はSLAなのでア。
選択肢別の誤答解説
-
ア サービスレベル合意書(SLA: Service Level Agreement:サービスとして提供される品質や達成基準を明文化する合意書)
正解です。可用性(稼働率)、復旧時間(RTO)、対応時間など、測定可能で契約的なサービス条件を明確にします。違反時の罰則や報告方法も定めます。 -
イ ソフトウェア詳細設計書
ソフトウェア詳細設計書は、プログラムの内部構造や処理手順、データ構造など、開発チームがシステムを作るための技術的な設計書です。運用と利用者の合意事項(サービスレベル)を定める文書ではありません。 -
ウ 提案依頼書(RFP: Request for Proposal:ベンダーに提案を求める文書)
RFPは発注側がベンダーに対して「どんな提案をしてほしいか」を示す文書です。要求や条件は書きますが、最終的なサービス提供後の運用合意(SLA)を締結するための文書ではありません。 -
エ プロジェクト憲章
プロジェクト憲章はプロジェクトを正式に始めるための承認文書で、目的、範囲、主要なステークホルダー(関係者)、責任者などを示します。運用時のサービス品質や復旧時間の合意を定めるものではありません。
よくある誤解
-
「RFP にサービスレベルが書かれるからRFPが正解だ」と考える
→ RFPは要求を提示する文書ですが、RFP段階で希望されるレベルを書く場合もあります。しかし最終的に運用側と利用側が正式に合意するのはSLAです。問題文は"取り決める文書"とあるのでSLAが適切です。 -
「プロジェクト憲章にサービス条件も書かれる」と混同する
→ プロジェクト憲章はプロジェクトの承認と開始が目的です。サービス運用の細かな条件(復旧時間など)は通常、別の合意書(SLA)で管理します。 -
「詳細設計書があれば運用条件も決まる」と誤認する
→ 詳細設計書はシステムを作るための技術文書であって、運用・利用者との契約的合意を示す文書ではありません。
補足コラム
SLA に書かれる代表的な項目(簡単な説明)
- 可用性(Availability):サービスが利用可能な割合。例:「月間稼働率99.9%」。
- 復旧時間(RTO: Recovery Time Objective:復旧目標時間):障害発生からサービスを復旧するまでの目標時間。設問の「3時間以内」はこの例です。
- 復旧データ時点(RPO: Recovery Point Objective:許容できるデータ損失の最大時間):バックアップの観点で「何分前までのデータを復元できるか」を示す。
- 応答時間(Response Time):問い合わせや障害連絡に対する初動(連絡応答)時間。
- 違反時の措置:SLA違反時の罰則(サービス料金の一部返金など)や是正措置。
SLA はサービス提供側と利用側の「契約」に近いものです。運用監視や報告方法もSLAで合意しておくと、トラブル発生時に誤解が少なくなります。
FAQ
Q1: SLA と SLO(Service Level Objective)の違いは?
A1: SLO(サービスレベル目標)は個別の目標値(例:応答時間は1分以内)を指します。SLA はそれらのSLOを含め、法的・契約的な合意や違反時の対応まで含んだ文書です。
A1: SLO(サービスレベル目標)は個別の目標値(例:応答時間は1分以内)を指します。SLA はそれらのSLOを含め、法的・契約的な合意や違反時の対応まで含んだ文書です。
Q2: OLA(Operational Level Agreement)とは何ですか?
A2: OLA(Operational Level Agreement:運用レベル合意)は、サービス提供側の内部チーム間で交わす合意です。外部顧客とのSLAに対して、内部での役割分担や内部サービスの目標を定めます。
A2: OLA(Operational Level Agreement:運用レベル合意)は、サービス提供側の内部チーム間で交わす合意です。外部顧客とのSLAに対して、内部での役割分担や内部サービスの目標を定めます。
Q3: SLA はいつ作るべきですか?
A3: サービス提供の計画段階から作成し、契約締結時に正式化するのが一般的です。運用が始まる前に合意しておくとトラブルを防げます。
A3: サービス提供の計画段階から作成し、契約締結時に正式化するのが一般的です。運用が始まる前に合意しておくとトラブルを防げます。
Q4: SLA違反があったらどうなる?
A4: SLA に定めたペナルティ(料金返還、無償対応など)や是正計画に基づき対応します。内容は契約によります。
A4: SLA に定めたペナルティ(料金返還、無償対応など)や是正計画に基づき対応します。内容は契約によります。
関連キーワード: サービスレベル合意書、SLA、RTO、RPO、SLO、OLA、可用性、MTTR、提案依頼書、ソフトウェア詳細設計書、プロジェクト憲章

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