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ITパスポート 2018年 秋期 41


問題文

適切なITガバナンスを構築するための役割①~④に関して、それを担う経営者と情報システム部門の責任者の分担の適切な組合せはどれか。
① ITガバナンスの方針の明確化 ② 情報化投資の決定における原則の制定 ③ 情報システム部門内における役割分担と権限の決定 ④ プロジェクト計画に基づいたシステム開発の進捗管理
ITパスポート 2018年 秋期  問41の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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ITガバナンスの役割分担(経営者と情報システム部門)【ITパスポート 解説】

正解の理由

ITガバナンスとは、組織が情報技術(IT)を適切に使って事業目標を達成する仕組みやルールのことです(ITガバナンス:組織のIT利用を管理・監督する仕組み)。
この問題では、経営者と情報システム部門の責任者(情報システム部門の責任者=部門の運営と実行を担う人)に、①〜④の役割をどちらが担うかを問われています。
  • ①「ITガバナンスの方針の明確化」や ②「情報化投資の決定における原則の制定」は、組織全体の方針や投資の基準を決める「戦略的」な仕事です。したがって経営者が最終的に担う役割です。
  • ③「情報システム部門内における役割分担と権限の決定」や ④「プロジェクト計画に基づいたシステム開発の進捗管理」は、現場や部門内の運用・実行に関する「管理」業務です。これらは情報システム部門の責任者が直接担当します。
以上より、経営者が①・②、情報システム部門の責任者が③・④を担う組合せ、すなわち が正しい選択です。

解法ステップ

  1. 各項目が「方針・原則(戦略)」か「運用・管理(実行)」かを判断する。
    • キーワード例:方針・原則・決定 → 戦略(経営者)
      役割分担・進捗管理 → 運用(部門責任者)
  2. 戦略的なものは経営者の領域、運用的なものは情報システム部門の領域に振り分ける。
  3. 各選択肢と照合して、一致するものを選ぶ。
短いコツ:方針や原則は「上(経営)」、実務や管理は「下(現場/部門)」と覚えると早いです。

選択肢別の誤答解説

  • (経営者:①、②/情報システム部門責任者:③、④)
    → 正解。方針と投資ルールは経営が決め、部門内の配分やプロジェクト管理は部門責任者の仕事に合致します。
  • イ(経営者:①、③/情報システム部門責任者:②、④)
    → 誤り。①は経営者で合っていますが、③(部門内の役割分担)を経営者が直接決めるのは不自然です。部門の内部運営は情報システム部門の責任者が決めます。②(情報化投資の原則)を部門責任者に割り当てるのも誤りです。投資の原則は経営レベルで定めるべき事項です。
  • ウ(経営者:②、③/情報システム部門責任者:①、④)
    → 誤り。①を情報システム部門責任者に割り当てていますが、ITガバナンスの方針は組織全体の観点で経営が示すものです。③を経営者が行うのも同様に不適切です。
  • エ(経営者:②、④/情報システム部門責任者:①、③)
    → 誤り。④(開発の進捗管理)を経営者が行うのは現実的でなく、日常のプロジェクト管理は部門責任者が担当します。①を部門責任者にしている点も方針決定の所在を見誤っています。

よくある誤解

  1. 「予算責任があるから経営者がプロジェクトの進捗管理もする」
    • 予算の承認や責任は経営が持ちますが、日々の進捗管理や問題対処は専門部門(情報システム部門)が行います。経営は重要な節目での判断や支援をしますが、細かな管理は現場の仕事です。
  2. 「情報化投資の決定は情報システム部門がやる」
    • 情報システム部門は技術的評価や提案を行いますが、組織全体の優先順位や資源配分を決めるのは経営の役割です。部門はあくまで意思決定のための情報提供者です。

補足コラム:RACIで考えるとわかりやすい

RACIは責任分担を整理するための枠組みです(英語の頭文字を取った略語)。簡単に説明します。
  • Responsible(実行責任者):実際に作業する人(例:情報システム部門)
  • Accountable(最終責任者):結果について最終的に責任を持つ人(例:経営者)
  • Consulted(相談される人):意思決定前に意見を聞く人(例:情報システム部門が経営に技術評価を提供)
  • Informed(報告を受ける人):結果を知らされる人
今回の役割分担は、①②が経営者=Accountable、③④が情報システム部門=Responsibleという関係に当てはめられます。覚え方は「戦略は上がAccountable、実務は現場がResponsible」。

FAQ

Q1: 情報化投資の「決定」とはどこまでの意思決定を指しますか?
A1: 新規システム導入や大きな改修など、資金やリソース配分に影響する方針や基準の決定を指します。細かな個別案件の実行計画やベンダー選定は情報システム部門が経営の方針に基づいて進めます。
Q2: 経営者はプロジェクトに全く関与しないのですか?
A2: 経営者はプロジェクトの目的確認、重要な意思決定(例:予算超過時の承認)やリスク対応の判断で関与します。ただし日々の進捗管理やタスク割り当ては部門責任者の仕事です。
Q3: 小規模組織だと区別があいまいになることはありますか?
A3: はい。人員が少ない場合は一人が複数の役割を兼務することがあります。その場合でも「方針(戦略)を誰が最終決定するか」と「実行を誰が管理するか」を意識して区別することが重要です。

関連キーワード: ITガバナンス、情報化投資、情報システム部門、RACI、プロジェクト管理、方針決定、役割分担
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